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対合歯がない親知らずが、頬を傷つけることがあります

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「上の親知らずが痛む」という訴えで来院された患者さんがいらっしゃいました。
診察すると、親知らず自体に大きな虫歯はなく、挺出してきた親知らずが頬の内側を傷つけている状態でした。
原因は「噛み合う歯がないこと」
このケースでは、
上の親知らずはまっすぐ生えてきている一方、
下の親知らずは骨の中に埋伏したままで、噛み合う相手(対合歯)がありませんでした。
歯には、噛み合う相手を求めて動こうとする性質があります。
そのため、対合歯がない状態が続くと、
* 親知らずが徐々に挺出してくる
* 噛み合う場所を探して
* 頬の内側
* 下あごの歯ぐき
を無意識に噛み込んでしまうことがあります。
このような親知らずは抜歯が適応になることが多いです
対合歯がなく、
* 噛む機能を果たしていない
* 周囲の粘膜を繰り返し傷つけている
親知らずは、将来的にトラブルを起こしやすいため、抜歯が勧められるケースが多くなります。
今回の患者さんは、翌日からご旅行の予定があったため、
* 当たっている部分を最小限に調整
* 粘膜への刺激を減らし、炎症が落ち着くよう処置
を行い、症状の改善を図りました。
落ち着いたタイミングで、改めて抜歯についてご相談する予定です。
対合歯がない親知らずは、虫歯や歯周病のリスクも高くなります
対合歯がない親知らずは、
* 噛まないため汚れが落ちにくい
* 食べかすや細菌が溜まりやすい
といった理由から、
虫歯や歯周病のリスクが高くなる傾向があります。
痛みがなくても、知らないうちに問題が進行していることも少なくありません。

まとめ

* 対合歯がない親知らずは挺出しやすい
* 頬や歯ぐきを噛み込み、痛みの原因になることがある
* 虫歯・歯周病のリスクも高い
* 状況によっては抜歯が適応になる
親知らずの痛みは、
虫歯だけでなく噛み合わせや位置の問題が原因となることもあります。
気になる症状がある場合は、早めのチェックをおすすめします。


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「カクッ」と鳴る顎の音は大丈夫? クリック音と顎関節症(Ⅲa)について

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「口を開けるとカクッと音がする」
「閉じる時にパキッと鳴る」
このような顎の音を心配して来院される方は少なくありません。
今回は、その中でもよくみられる クリック音 について、顎関節症の分類をもとにわかりやすく解説します。

顎の音には種類があります

顎関節症でみられる音は、大きく2つに分けられます。
* クリック音
 「カクッ」「パキッ」と単発で鳴る音
* クレピタス
 「ジャリジャリ」「ミシミシ」と連続して鳴る音
このうち、クリック音は顎関節症Ⅲa(復位性円板転位)でよくみられます。

Ⅲa(復位性円板転位)とは?

顎関節の中には、クッションの役割をする関節円板があります。
Ⅲaでは、
* 口を閉じている時:円板が少し前にずれている
* 口を開ける途中:円板が元の位置に戻る
この円板が戻る瞬間に、「カクッ」というクリック音が生じます。
👉 つまり、音がする=すぐに重い病気というわけではありません。

放置してよい場合・注意が必要な場合

クリック音があっても、
* 痛みがない
* 口は問題なく開く
* 日常生活に支障がない
このような場合は、経過観察となることも多くあります。

一方で、次のような症状がある場合は注意が必要です。
* 以前は音がしていたのに、突然音が消えて口が開かなくなった
* 顎の痛みが強くなってきた
* 朝、特に口が開けにくい
* 食事や会話に支障が出ている
このような場合は、早めの評価が望まれます。

治療の基本は「保存的治療」

顎関節症の治療は、まずは体に負担の少ない方法から行います。

自宅でできるリハビリ・注意点
* 大きく口を開けすぎない(あくび・硬い物を控える)
* 頬杖やうつ伏せ姿勢を避ける
* 鏡を見ながら、ゆっくりまっすぐ開閉口する練習
* 顎周囲を温めて筋肉をリラックスさせる
これだけでも、症状が落ち着く方は少なくありません。

スプリント(マウスピース)治療について

「顎関節症=マウスピース」と思われがちですが、すべての方に適応になるわけではありません。
* 筋肉の緊張が強い方
* 歯ぎしり・食いしばりが関与している方
このようなケースでは、安定型スプリントが有効なことがあります。

一方で、
クリック音そのものを無理に消そうとするタイプの装置は、適応を慎重に見極める必要があります。
👉 症状・病態に合わない使用は、違和感や噛み合わせの問題につながることもあります。

まとめ

* クリック音は、顎関節症Ⅲaでよくみられる症状
* 音だけで、痛みや開口障害がなければ経過観察となることも多い
* 治療の基本は、リハビリなどの保存的治療
* マウスピースは「誰にでも同じ」ではなく、適応が重要
顎の音や違和感が気になる場合は、自己判断せず一度ご相談ください。
症状に合わせて、最適な対応をご提案します。


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親知らずを抜いたあとに 手前の歯が「しみる」「噛むと痛い」と感じることがあります

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

親知らずの抜歯後、
「抜いた歯ではなく、手前の歯がしみる」
「噛むと違和感がある」
このようなご相談をいただくことがあります。
虫歯がないのに症状が出ると、不安になりますよね。
ですが、多くの場合は一時的な変化で、自然に改善していくケースがほとんどです。

なぜ、手前の歯がしみるの?

親知らずがある状態では、
その手前の歯(第二大臼歯)は、親知らずに押される形で並んでいます。
親知らずを抜歯すると、
* 手前の歯の後ろ側(遠心側)の歯根面が一時的に露出する
* 歯肉や歯槽骨に覆われていた部分が刺激を受けやすくなる
その結果、
冷たい水がしみるなどの知覚過敏様の症状が出ることがあります。
これは虫歯によるものではなく、
抜歯後の環境変化による反応です。

噛むと痛い理由について

もう一つよくあるのが、噛んだ時の痛みや違和感です。
親知らずを抜歯すると、
手前の歯を支える骨の形が一時的に変化します。
* 抜歯直後は、後ろ側の骨がまだ回復途中
* 歯がわずかに動きやすくなり、噛んだ時に違和感を感じる
これも、骨が治っていく過程で起こる一時的な症状です。

治療は必要?

多くの場合、特別な治療は必要ありません。
時間の経過とともに、
* 歯槽骨が回復する
* 歯肉が安定する
* しみる・噛むと痛いといった症状が徐々に軽減する
という経過をたどります。
症状が気になる場合は、
* 知覚過敏を抑える処置
* 噛み合わせのチェック・調整
などを行うこともありますが、
歯を削ったり神経の治療が必要になることはほとんどありません。

ご心配な場合はご相談ください

親知らずの抜歯後に起こる
手前の歯の「しみ」や「痛み」は、
体が回復しているサインであることが多いです。
ただし、
* 痛みが強くなってきた
* 数週間たっても改善しない
* 腫れや強い違和感が続く
といった場合は、念のため診察をおすすめします。
小嶋デンタルクリニックでは、
患者さんの不安に寄り添いながら、
必要な処置だけを丁寧に行う診療を心がけています。


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「まだ痛いです」を整理する ― 痛みのスケール(NRS)という考え方

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

抜歯や治療後の診察で、
よくこんな声を耳にします。
「まだ痛いです」
「1週間たっても痛みが残っています」
もちろん、痛みの感じ方や回復スピードには個人差があります。
年齢、体質、炎症の程度、処置内容によって違うため、
「何日で完全に痛みが消えます」と一概には言えません。
そこで当院では、
NRS(Numerical Rating Scale:数値評価スケール)という考え方をおすすめしています。

NRSとは?

NRSは、痛みを0〜10の数字で表す方法です。
* 0:まったく痛みがない
* 10:これ以上ないほど強い痛み
例えば、抜歯後の翌日を
「痛みが一番強い=10」と仮定します。

大切なのは「痛みがあるか」ではなく「どう変化しているか」

重要なのは、
痛みがゼロかどうかではありません。
* 翌日:10
* 2日目:5
* 3日目:3
* 1週間後:2
このように、数字が確実に下がっていれば、回復は順調です。
「まだ少し痛い」という感覚があっても、
体はきちんと治癒の方向に向かっています。
一方で、
* 数日たっても 8〜9 のまま
* 一度下がった痛みが、再び強くなる
こうした場合は、
感染やドライソケットなどの可能性も考え、
早めの確認が必要になります。

「不安」を減らすための共通言語として

「まだ痛い」「少し違和感がある」
こうした表現は、人によって意味が大きく異なります。
NRSを使うことで、
患者さんと歯科医師が同じ尺度で痛みを共有できます。
* 今は10段階でいくつくらいか
* 昨日より上がっているか、下がっているか
それだけで、
不安はかなり整理されます。

まとめ

治療後に大切なのは、
痛みがあるかないかではなく、減ってきているかどうか。
NRSで考えてみて、
数字が少しずつ下がっているなら、
それは確実に治っているサインです。
もし痛みの数字が下がらない、
あるいは逆に強くなっている場合は、
我慢せずご相談ください。
小嶋デンタルクリニックでは、
治療後の「不安」まで含めて、
しっかりサポートしていきます。


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「口が開きにくいのは顎関節症?最近増えているご相談について」

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

最近、
「口が開きにくい気がする」
「歯科治療中に顎がつらい」
「朝起きると顎がこわばる」
このようなご相談が増えています。
原因の一つとして多いのが 顎関節症(がくかんせつしょう) です。

「顎が開きにくい」=すぐに深刻、ではありません

顎関節症と聞くと、
「大きな治療が必要なのでは?」
と不安に思われる方もいらっしゃいますが、
多くの場合は保存的な対応で改善が可能 です。

顎関節症は原因によっていくつかのタイプに分かれ、
それぞれ対応が異なります。

顎が開きにくくなる主な原因

① 筋肉の緊張によるもの
・食いしばり
・歯ぎしり
・ストレス
・長時間のデスクワークやスマホ操作
これらが続くと、
顎を動かす筋肉が過度に緊張し、
口を開けづらくなる ことがあります。
このタイプは、
適切なセルフケアや生活習慣の見直しで
改善するケースが多いのが特徴です。

② 顎の関節内部の動きが関係している場合
・口を開けると音がする
・以前は音がしていたが、最近は開きにくい
関節内のクッション(関節円板)の位置が影響している可能性があります。
無理に大きく開けようとすると、
症状が悪化することもあるため注意が必要です。

③ 一時的な炎症によるもの
・急に口が開かなくなった
・顎に強い痛みがある
この場合は、
一時的な炎症 が原因のこともあります。
まずは顎を安静にし、
症状に応じた対応を行います。

受診の目安について

経過を見てもよいことが多いケース
・少し違和感がある程度
・日常生活に大きな支障がない
・徐々に楽になってきている

早めの相談をおすすめするケース
・指2本分も口が開かない
・痛みが続いている、強くなっている
・食事や歯科治療に支障がある

小嶋デンタルクリニックでの対応

当院では、
顎の状態を丁寧に確認したうえで、
* 日常生活での注意点の説明
* セルフケア・簡単な運動指導
* マウスピース(必要な場合)
* 症状に応じた検査や専門的評価
を段階的に行います。
「いきなり大きな治療」ではなく、
その方に必要なことだけを、必要な分だけ
ご提案することを大切にしています。

最後に

顎の違和感は、
「しばらく様子を見よう」と我慢されがちですが、
早めに確認することで
シンプルな対応で済むことも多い症状です。
気になることがあれば、
お気軽にご相談ください。


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抜歯後の腫れに不安のある方へ──女性に多い特徴と対策

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「抜歯したあと、どれくらい腫れますか?」
患者さまからよくいただくご質問のひとつです。
実は、女性は男性よりも腫れやすい・出血しやすい傾向があります。
昨日も、治癒反応が強く、血餅(血の塊)が過剰にできてしまい、出血がやや続いてしまった方がおられました。
今回は、なぜ女性に腫れが強く出やすいのかを、やさしく解説していきます。

① 血流が良いと腫れも出やすい?

女性、とくに10〜30代の方は 末梢の血流が豊富です。
治癒のための血液が集まりやすく、その反応が強く出ることで 腫れが大きくなることがあります。
血流が良いということは、実は 「治りが良い」 というメリットの裏側でもあります。

② ホルモンバランスの影響

女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)は、血管の広がりや炎症反応に関わります。
そのため、
* 月経周期
* 排卵前後
* PMS
などの時期は、
腫れやすい・痛みを感じやすい・出血が続きやすい という特徴が出ることがあります。

③ 年齢によっても反応が変わる

若い方ほど治癒の反応が豊かで、腫れが強く出やすい傾向があります。
40代以降になるとホルモンの影響が穏やかになり、同じ抜歯でも腫れが軽く済む方が多くなります。

④ 過剰血餅ができると止血しにくくなることも

女性に多いケースとして、治癒反応が強く働きすぎて
血餅(血の塊)が多くできすぎてしまうことで、逆に出血が止まりにくくなることがあります。
適切な処置を行えば問題ありませんので、気になる方はすぐにご連絡ください。

女性は腫れやすい体質が前提。それは悪いことではありません

女性の体は、血流・ホルモン・年齢によって反応が豊かです。
そのため腫れが出やすいのですが、これは 「治ろうとする力が強い」 ことの表れでもあります。
当院では、腫れやすい方に合わせた
* 術式の選択
* 止血・腫れ止めの強化
* 痛み止めの最適化
* 術後フォローアップ
を丁寧に行っています。

不安があれば、遠慮なく相談してください

「腫れるのが怖い」
「出血が止まるか不安」
このようなご相談はとても多いです。
体質に合わせたケアを行うことで、腫れや痛みを最小限にすることができますので、
気になることがあればいつでもお声がけください。


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「インプラントは意外と細い?──天然歯との幅径ギャップの話」

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

インプラント治療の相談で多いのが、
「インプラントって本来の歯より小さいんですか?」
という質問。
今日は “幅径(直径)” にフォーカスして、その違いとケアの必要性についてお話しします。

■ 第一大臼歯のインプラントに多いのは「直径5mm」

一般的に、下顎第一大臼歯を失った場合、
選択されるインプラントの幅径は 5.0mm前後 が多いです。
* 骨の厚み
* 下歯槽管との距離
* 角化歯肉の幅
これらを考慮し、過度に太いインプラントを選ばないのが一般的です。
しかし、ここに一つ誤解があります。

■ 天然の第一大臼歯は、実はもっと太い

天然歯(下顎第一大臼歯)の歯根幅径を見てみると…
* 近心根:約4.5〜5.5mm
* 遠心根:約4.0〜5.0mm
そして2根を合わせた“全体の歯根幅”として捉えると、
インプラントよりも確実に大きい構造になっています。
つまり、天然歯のほうがインプラントよりも太いのが事実です。

■ では「歯冠」の幅は?

さらに大切なのが 歯冠幅径(噛む面から見た横幅)。
下顎第一大臼歯は、
* 頬側—舌側:約10〜11mm
* 近心—遠心:約11〜12mm
と、かなりボリュームのある歯です。
一方、インプラントの直径は 4mm〜5mm 程度。
つまり、
歯冠の幅 > 歯根の幅 > インプラントの幅径
という“サイズのギャップ”が必ず生まれます。

■ ギャップが生む課題:清掃空隙は広くなる

天然歯では、歯根が二つに分かれ、骨に包まれるようについていますが、
インプラントは 1本の円柱。
そのため、
* 歯と歯の間の空隙(インタープロキシマルスペース)が広くなりやすい
* 天然歯よりプラークが停滞しやすい
* 食片圧入が起こりやすい
* インプラント周囲炎のリスクが高まる
という構造上の特徴があります。
これは手術の上手い下手とは関係なく、
インプラントの形態そのものが生む宿命的な違いです。

■ フロス・歯間ブラシが“必須”となる理由

天然歯のように、根が二股に分かれたり、
根面に凹凸があるわけではないインプラント。
そのぶん、周囲の清掃がダイレクトに予後へ影響します。
◆ 必須アイテム
* デンタルフロス
* 歯間ブラシ(適正サイズ)
* 必要に応じて スーパーフロス
特に大臼歯のインプラントは清掃空隙が広くなるため、
歯間ブラシを使うことが非常に有効です。

◆ まとめ

1. 大臼歯用インプラントは 直径5mm前後が一般的
2. 天然の第一大臼歯は 歯根も歯冠もインプラントより大きい
3. そのギャップにより 清掃空隙が広くなりやすい
4. インプラントを長持ちさせる鍵は フロス・歯間ブラシの習慣化

インプラントは“人工の歯”ですが、
天然歯とは構造もルートも違います。
その違いを理解することで、
治療後のメンテナンスがより「意味のあるケア」になります。
インプラント治療をお考えの方は、
お気軽にご相談ください。


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【食いしばりと顎関節症(TMD)】 なぜ起こる?どんな症状?どう治す?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

最近、患者さんから「食いしばりって顎関節症と関係ありますか?」「音が鳴るのも食いしばりのせい?」といった質問をいただくことが増えてきました。
今日は、食いしばりと顎関節症の“医学的なつながりを中心に、
症状・原因・治療法までをわかりやすくまとめます。

1. 食いしばりと顎関節症の関係性 ― 特に顎関節症Ⅰ型とのつながり

顎関節症(TMD)は、大きく4つの病型に分類されますが、
食いしばりと最も強く関連しているのは「Ⅰ型(咀嚼筋障害)」です。

● 顎関節症Ⅰ型とは?
* 主に 咀嚼筋(特に咬筋・側頭筋)の痛み・緊張 が主体
* 顎関節そのものより、筋肉の過負荷が原因
* 開口障害(口が開けづらい) や 咀嚼時の痛み が起こる

● なぜ食いしばりで発症する?(エビデンス)
日本顎関節学会・米国AAOP(American Academy of Orofacial Pain)の分類では、
持続的なクレンチング(食いしばり)=咀嚼筋への過負荷 → 筋障害
という構造が明確に示されています。
* 夜間の無意識の食いしばり
* 日中の作業中・運動中・ストレス時のクレンチング
* 奥歯の接触癖(TCH)
これらが蓄積すると筋が疲弊し、痛みや開口障害につながります。

2. 「顎の音が鳴る」のは食いしばりのせい?

これは多くの方が誤解しているポイントです。
結論:
顎の音=食いしばりが原因であることはほとんどない


顎のクリック音・カクカク鳴る症状は、
顎関節症Ⅲ型(関節円板障害) がもっとも多く、
特に Ⅲa:復位性関節円板障害(クリック音) が典型です。
* 関節円板が正常位置からズレている
* 口の開閉で円板がはまり直す時に「カクッ」と音が鳴る

食いしばりが直接の原因になることは少なく、
円板の形態・靭帯の緩み・咬合力の偏りなどが主因と考えられています。
ただし、Ⅲ型を持っている方が食いしばりを併発すると痛みが悪化することはあります。

つまり、
食いしばりが音を作るのではなく、音がある関節に追加の負荷を与えて症状を進行させる
という関係です。

3. 食いしばりの症状チェックリスト

* 朝起きると顎がだるい
* こめかみや頬が痛い
* 口が開きにくい
* 頬の内側をよく噛む
* 歯がすり減っていると言われた
* 頭痛・肩こりがある
ひとつでも当てはまれば、筋性TMD(Ⅰ型)の可能性があります。

4. 治療の流れ(当院での実際のアプローチ)

① マッサージ・セルフケア
まずは筋肉の緊張を取り除くことが重要。
* 咬筋マッサージ
* 側頭筋マッサージ
* 開口ストレッチ
* TCH是正(歯を離す習慣づけ)
医学的にも筋痛型TMDの初期治療として推奨されています。

② スプリント療法(ナイトガード)
睡眠中の食いしばり・噛みしめをコントロールする標準治療。
* 咀嚼筋の過緊張を軽減
* 関節への負荷を減らす
* 歯の摩耗の防止にも効果的
顎関節学会ガイドラインでも第一選択として位置づけられています。

③ ボトックス治療(咬筋)
強い咬筋肥大や、筋痛の慢性化がある方には選択肢となります。
* 咬筋の活動性をコントロール
* 痛みの軽減
* 咬筋の大きさも徐々に変化
* 美容目的だけでなく、TMD治療としてのエビデンスも確立
特に夜間の強いクレンチングがある方には有効です。

5. まとめ ― まずは正確な診断から

* 食いしばり → 筋性TMD(Ⅰ型)と深く関係する
* 顎の音 → 多くはⅢa(関節円板障害)。食いしばりが直接の原因ではない
* 治療は マッサージ → スプリント → ボトックス の順で考える
* 病型によって治療は異なるため、まずは診断が最も重要
顎は毎日休まず働く器官。
痛みや違和感があるのにそのまま頑張ってしまうと、
静かに悲鳴をあげるように症状が進んでいきます。

気になる方はご相談ください。


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年末に増える急性症状 — 放置された歯周病が静かに反乱を起こす季節 —

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

毎年12月になると、クリニックには急性症状の患者さんが増えてきます。
特に P急発(歯周膿瘍) や、噛むと強く痛む・歯ぐきが腫れるといった突然のトラブル。
実はこれ、単なる“年末だから”ではありません。
いくつかの条件が重なり、静かに進行していたトラブルが一気に表面化する季節なのです。

なぜ年末は急性症状が増えるのか?

① 忙しさによるセルフケアの質の低下
仕事の追い込み、忘年会、家庭のイベント…
生活リズムが乱れ、ブラッシングの質が落ちやすい時期です。
その結果、プラークが蓄積し、歯周組織への刺激が強くなります。

② ストレス × 睡眠不足で免疫が揺らぐ
年末特有の多忙さは、体の免疫バランスにも大きく影響します。
普段は免疫が“なんとか押さえ込んでいた歯周病”が、
このタイミングで一気に炎症を起こすことがあります。
まるで、静かにせき止められていた川が、ある日突然氾濫するように。

③ 食いしばり・噛みしめの増加
ストレスが増えると、無意識のうちに咬合力が上がります。
これが歯根膜にダメージを与え、炎症の誘発や悪化につながります。

④ 実は大きな原因…放置された歯周病
急性症状の患者さんの多くに共通するのが、
元々歯周病が存在していた部位が年末に急性化しているということ。
歯周病は慢性炎症のため、普段痛みが出ず「落ち着いているように見える」ことがあります。
しかし実際には、
* 深い歯周ポケット
* 歯石の残存
* 慢性的な炎症
が静かに積み上がっており、
そこに 免疫の低下・セルフケアの乱れ・噛みしめ が重なると、一気に急性炎症へ転じます。
患者さんがよく言う「昨日までは平気だったのに…」は、
実は 昨日までなんとか持ちこたえていただけのことが多いのです。

P急発(歯周膿瘍)によくある症状

* 歯ぐきの腫れ
* 噛むと強く痛い
* 歯が浮いたような感覚
* 膿が出て味が悪い
* 発赤や違和感が強く片側に集中する
放置して帰省中に悪化し、顔が腫れてしまうケースも珍しくありません。

治療として行うこと

症状に応じて、
* ポケット内の洗浄・排膿
* 咬み合わせの調整
* 炎症部位の除去や消毒
* 必要に応じた抗生剤・鎮痛剤の処方
そして大切なのは、
急性症状を落ち着かせるだけでは不十分ということです。
原因となった歯周病や噛みしめ習慣を改善しない限り、
再発リスクは非常に高くなります。

年末に向けて、当院からのお願い

年末は痛みを我慢してしまう人が増える季節。
しかし痛みは身体の小さなSOS。
早めに対処していただければ、
年末年始を安心して過ごせます。
私たちは、急性症状の鎮静から根本治療まで丁寧に対応いたします。
気になる症状があれば、どうか遠慮なくご相談ください。

まとめ

* 年末は急性症状が増える
* 忙しさ・ストレス・睡眠不足で免疫が低下
* 噛みしめが重なり炎症が暴発
* 最大の原因は放置されていた歯周病の急性化
* 急性症状は早期受診が大切
* 根本治療に取り組むことで再発を防げる


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抜歯後からインプラント治療までどれくらいでスタート?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

患者さまから
「インプラント治療は、抜歯してからどれくらいの期間をあければ始められますか?」
というご質問をいただきました。
とても大切なポイントですので、今日はその目安と理由をわかりやすく解説します。

◆基本的な目安は約3ヶ月

一般的には、
抜歯後3ヶ月ほどでインプラント治療を開始するケースが多くあります。
これは、抜歯後の骨がある程度再生し、
インプラントを安定して埋入できる「骨の質」が整ってくるタイミングだからです。
もちろん個体差があり、骨の状態や年齢、抜歯の難易度などでも前後します。

◆なぜ3ヶ月待つのか? その医学的理由

抜歯をすると、歯があった部分に「抜歯窩(穴)」ができます。
この穴が骨で満たされていくには時間が必要です。
1〜2週:歯肉が治癒
1〜3ヶ月:内部で骨が再生
3〜6ヶ月:骨がさらに硬くなる(成熟期)
インプラントは骨に直接固定する治療のため、
十分な骨量・骨質が確保されるタイミングがとても重要です。

◆即時埋入という選択肢もある

条件が整っている場合、
抜歯と同日にインプラントを埋入する「即時埋入」
という方法もあります。
メリット:
・治療期間が短くなる
・骨や歯肉が自然に治りやすい形を維持できる
ただし適応条件が限られ、
感染がない/骨量が充分/埋入位置が安定する などの要件があります。
どなたにも適応できる方法ではありません。

◆逆に時間をあけた方が良いケース

・抜歯時に感染があった
・抜歯窩が大きく骨欠損がある
・全身疾患で治癒力に注意が必要
・喫煙が多い
・骨造成(GBR)が必要
こういった場合は、
4〜6ヶ月ほど治癒期間を置いてからインプラントを行うことが多くなります。

◆まとめ:最適なタイミングは“CTで決める”のが正確

インプラント治療は、
「抜歯後◯ヶ月」と一律に決めるものではなく、
CT画像で骨の再生状態を確認しながら最適な時期を判断します。
当院では、
無理のない計画を立てるために、
抜歯後の経過観察とCTによる定期チェックを行い、
最も治りやすいタイミングを一緒にデザインしていきます。


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