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インプラント前に抜歯は早いほうがいい?感染がある歯を放置するリスクと「抜歯即時埋入」の条件

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「インプラントを考えているけれど、この歯は今すぐ抜くべきか。それとも少し様子を見ても大丈夫か?」
外来で非常によくいただく質問です。
結論から言えばケースバイケースですが、ひとつ明確な原則があります。

感染が進行している歯は、早めの抜歯が基本

歯根の先に膿が溜まっている、歯周組織に感染が広がっているなど、感染が現在進行形で拡大している場合は、早期抜歯が推奨されます。
なぜなら、
・感染が広がる
・周囲の骨が溶けていく
・将来インプラントを入れたい骨が欠損する
という悪循環が起きるからです。

感染を放置すると、抜歯後に
・骨の回復に時間がかかる
・骨造成(骨を足す処置)が必要になる
・治療期間・費用が増える
といった可能性が高くなります。
インプラントは骨の質と量が土台。
その土台を守るためにも、感染源は早期に除去することが重要です。

抜歯と同時にインプラントは可能か?(抜歯即時埋入)

一方で、抜歯と同時にインプラントを埋入する
「抜歯即時埋入(Immediate Implant Placement)」という方法もあります。
ただし、これは誰にでも適応できるわけではありません。

主な条件は以下です:
1. 感染が限局的であること(広範囲でない)
2. インプラントを固定できる十分な骨が残っていること
3. 炎症が強くないこと

感染が広範囲に及んでいる場合、
・細菌量が多い
・炎症反応が強い
・麻酔が効きにくい
・インプラントの感染リスクが上がる

など、成功率を下げる要因が増えます。
つまり、感染が小さいうちに対応できるかどうかが重要な分岐点になります。

まとめ:悩む前に「状態の評価」を

・インプラント前に必ず抜歯しなければならない、というわけではありません。
・しかし、感染が進行している場合は早期抜歯が原則。
・抜歯即時埋入は、感染が小さく骨条件が良い場合に限られます。

最も避けるべきなのは、
「まだ大丈夫だろう」と判断を先延ばしにして、骨欠損が拡大することです。
迷っている場合は、
・CTで骨の状態を確認する
・感染が拡大しているか評価する
・即時埋入が可能かどうか診断する
このプロセスを一度踏むことが、結果的に最短ルートになります。

インプラント治療は、「いつ入れるか」よりも
「どういう環境で入れるか」の方がはるかに重要です。
気になる歯がある方は、
まずは状態を正確に把握するところから始めましょう。


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【インプラントの精度は本当に上がったのか?】サージカルガイドの利点と欠点を歯科医が解説

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

インプラント治療において「サージカルガイド」という言葉を耳にする機会が増えました。
デジタル技術の進歩により、より正確で低侵襲な治療が可能になった、それは事実です。
しかし、精度が上がった=安全になったとは単純に言い切れません。
本日は、当院でも使用しているサージカルガイドの本質的な利点と、見落とされがちなリスクについて整理します。

サージカルガイドとは?

サージカルガイドとは、インプラントを埋入する位置・角度・深さを事前に設計し、その設計通りにドリリングを誘導するための装置です。
現在は、
・口腔内スキャナーによる歯列データ
・CT(CBCT)による骨形態データ
これらを統合(マッチング)して、三次元的に設計します。

一昔前は「参考程度」の位置づけで、
最終的なドリリングはガイドを外して行うケースも多くありました。
しかし現在では、
・フルガイドシステムの普及
・専用スリーブやキー付きドリルの開発
・ガイド装着下でのホール形成が可能な機器の進化
により、ガイドを装着したまま埋入まで完結できる時代になっています。

サージカルガイドのメリット

1. 埋入位置の再現性向上
事前に設計した理想的なポジションを再現しやすくなります。
特に審美領域では補綴主導型の設計が可能になります。

2. 低侵襲手術(フラップレス)の選択肢
症例を選べば歯肉を大きく切開せずに埋入可能。
術後の腫脹・疼痛の軽減につながります。

3. オペ時間の短縮
ドリリング方向を悩む時間が減るため、
全体の手術時間が短縮される傾向があります。

4. 医療チーム間での情報共有
設計データがあるため、技工士や補綴設計との連携が取りやすい。

では、なぜトラブルが増えているのか?

デジタル化の恩恵と同時に、ガイド依存という新たなリスクも生まれています。

1. マッチング誤差のリスク
口腔内スキャンデータは歯肉上部までの情報。
CTは骨情報。
この二つを重ね合わせる際に、わずかなズレ(マッチングエラー)が生じる可能性があります。
ミクロン単位のズレが、
最終的には神経・上顎洞との距離に影響することもあります。

2. スリーブ構造の限界
ガイドには「スリーブ」と呼ばれる金属筒があり、
ドリルの方向を規定します。
しかし、
・スリーブは歯肉上部まで
・先端部までは誘導できない
つまり、ドリルの先端方向は完全拘束されているわけではありません。
僅かな初期傾斜の誤差が、
骨内で拡大される可能性があります。

3. 開口量の問題(特に大臼歯部)
臼歯部では、
・ガイドの厚み
・ドリルの長さ
・口腔内スペース
これらの関係でバーが物理的に入らないケースがあります。
開口量が十分でない症例では、
ガイドがむしろ妨げになることもあります。

4. リカバリー能力の問題
ガイド依存のオペでは、
・途中で角度修正が困難
・骨質が想定と異なる場合の対応が限定的
となることがあります。
設計通りに進まなかった時の修正力がなければ、
かえってリスクが高まるのです。

デジタル化しても基礎技術は消えない

サージカルガイドはあくまで「道具」です。
重要なのは、
・骨質の触知感覚
・ドリリングトルクの判断
・フラップ形成の適応判断
・解剖学的リスクの理解
といった基礎技術。
デジタルは補助であり、
術者の判断力を代替するものではありません。

当院のスタンス

当院では、
・ガイドを使用する症例
・ガイドをあえて使用しない症例
・フラップレスかフラップ化か
を症例ごとに判断しています。
「常にガイド」でもなければ
「ガイド不要」でもありません。
目的は一つ。確実で安全なインプラント治療。

インプラント治療をご検討中の方へ

インプラントは、
技術・設計・診断力の総合医療です。
「ガイドを使っているかどうか」よりも、
その医院がどのように判断しているかが重要です。
インプラント治療について不安や疑問がある方は、
ぜひ一度ご相談ください。
小嶋デンタルクリニックでは、
患者様一人ひとりに最適な治療設計をご提案いたします。


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下口唇の粘液嚢胞は摘出が必要?経過観察でよいケースと判断の目安

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

下口唇の内側に、
「ぷくっとした膨らみができた」
「噛んだ覚えはないけど、なかなか治らない」
このようなご相談で来院される方がいます。
その多くが 粘液嚢胞と呼ばれる病変です。

粘液嚢胞とは?

粘液嚢胞は、唾液腺(主に小唾液腺)から分泌される唾液が、うまく排出されず周囲に漏れ出すことで生じる嚢胞性の病変です。
特に 下口唇 に多くみられます。
見た目の特徴としては
* 透明感〜やや青みを帯びた膨らみ
* 痛みはほとんどない
* 大きさが変動することがある
といった点が挙げられます。

原因は「無意識の刺激」が多い

はっきりとした原因が分からないケースもありますが、臨床的には以下が関与していることが多いです。
* 食事中や会話中の 軽い咬傷
* 無意識の 唇を噛む癖
* 歯並びや被せ物の形態による慢性的な刺激
一度できると、
「潰れたように小さくなる → また膨らむ」
を繰り返すことも珍しくありません。

経過観察でよいケース

すべての粘液嚢胞が、すぐに摘出対象になるわけではありません。
以下のような場合は、まず経過観察を選択することがあります。
* 出現して間もない
* サイズが小さい
* 生活上ほとんど支障がない
* 自然に縮小する傾向がみられる
特に、刺激が原因と考えられる場合は、
「噛まない」「触らない」だけで消失することもあります。

摘出を検討するライン

一方で、次のような場合は 外科的摘出を検討します。
* 数週間〜数か月経過しても改善しない
* 繰り返し同じ場所にできる
* 食事や会話で邪魔になる
* 大きさが徐々に増している
ここで重要なのは、
嚢胞だけでなく原因となっている唾液腺組織も含めて摘出することです。
表面だけを処理すると、再発する可能性が高くなります。

摘出のタイミングについて

粘液嚢胞は
「しぼんでいる時」よりも
ある程度膨らみが確認できるタイミングで摘出する方が、
病変の境界が分かりやすく、取り残しのリスクを下げられます。
一方で、強い炎症や自壊直後の場合は、
少し落ち着いてから行う方が安全なケースもあります。
そのため、状態を見極めたうえでタイミングを判断することが重要です。

外科的摘出後の注意事項

摘出は比較的侵襲の小さい処置ですが、術後にはいくつか注意点があります。
* 当日は強く触らない
* 刺激の強い食事(熱い・辛いもの)は控える
* 数日は軽い腫れや違和感が出ることがある
* 指示がある場合は縫合部を清潔に保つ
多くの場合、日常生活に大きな制限はありません。

最後に

下口唇の粘液嚢胞は、良性の病変であることがほとんどです。
ただし、
「様子を見てよいもの」と
「処置した方がよいもの」
の境界は、自己判断が難しいのも事実です。
気になる膨らみが続く場合は、
一度状態を確認し、
経過観察か摘出かを整理することが安心につながります。
小さな違和感でも、お気軽にご相談ください。


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ブリッジが外れる・痛い…インプラントへ変更した症例

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

これまで欠損部にブリッジ治療を行っていたものの、
・ブリッジが外れる
・噛むと痛みが出る
といった症状を繰り返すため、ご相談に来院された患者様です。

ブリッジ治療は、両隣の歯(支台歯)を土台として欠損部を補う治療法です。
そのため、
・支台となる歯が健康であること
・過度な咬合力がかからないこと
が、長期的な安定には欠かせません。

今回のケースでは、咬合力が強いことに加え、支台歯に過剰な負担が集中していました。このままブリッジを使い続けると、支台歯そのものが破折・抜歯に至るリスクが高いと判断し、欠損部の治療はブリッジからインプラントへ変更する方針としました。

インプラントの設計段階

今回の部位は上顎であり、インプラント埋入部のすぐ上には上顎洞(副鼻腔)が位置しています。
そのため、インプラントを安全に、かつ長期安定させるために、

・副鼻腔の位置を確認
・副鼻腔底を挙上し
・インプラントを支える骨量を確保

する必要があります。

このような場合には、骨造成(サイナスリフト・ソケットリフト等)を併用したインプラント治療を行います。

骨造成を伴うインプラント治療について

骨造成を行うと、
・治療期間はやや長くなります
・欠損補綴が完了するまでに時間を要します

しかしその分、
・支台歯に負担をかけず
・単独でしっかりと噛める構造を作ることができ
・長期的な安定性に優れた治療結果

が期待できます。

「早く終わる治療」よりも、
「長く安心して使える治療」を選択することが、結果的に歯を守る近道になるケースも少なくありません。

まとめ

・ブリッジは有効な治療法だが、条件を選ぶ
・咬合力が強い方や、支台歯に負担が集中する場合は注意が必要
・インプラントは、周囲の歯を守りながら欠損を補える選択肢

お口の状態や噛み合わせは一人ひとり異なります。
「何度も外れる」「噛むと違和感や痛みがある」といったサインは、治療方法の見直しが必要な合図かもしれません。

気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。


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「インプラント?被せ物?虫歯?」実は違う原因だった

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。
 
インプラントの被せ物に穴が開いた!
と訴えて来院された患者様。
 
「これは虫歯ですか?」
「インプラントがダメになったんでしょうか?」
「被せ物が割れた気がします」
昨日こうしたクエスチョンマークを抱えて来院された患者様がいらっしゃいました。
 
黒く見える。
穴が深くなった気がする。
引っかかる感じがする。
不安になりますよね。
ですが、結論はとてもシンプルでした。
虫歯でも、インプラントのトラブルでもなく、
インプラント補綴物のアクセスホールがすり減っていただけ、というケースです。
 

そもそも「インプラントのアクセスホール」とは?

インプラントの被せ物(上部構造)には、
内部のネジを締めるための小さな穴が存在します。
これを アクセスホール と呼びます。
* インプラント体と被せ物をネジで固定するための通路
* 治療後はレジン(樹脂)などで塞がれている
* 見た目上はほとんど分からないことが多い
つまり、構造上どうしても必要な穴です。
そして、被せ物の本体とは異なる材質なのです。
 

 

なぜ「虫歯っぽく」見えるのか?

アクセスホールがすり減ると、次のような変化が起こります。
* レジンが摩耗し、凹みが深くなる
* 色が変わり、黒っぽく見える
* 食べ物が詰まりやすくなる
* 舌で触ると違和感が出る
これが、
「虫歯では?」
「中が悪くなっているのでは?」
という不安につながります。
特にインプラントは神経がないため痛みが出にくく、
見た目や感覚の変化だけが手がかりになります。
 

すり減る原因は?

アクセスホールのすり減りは、決して珍しいことではありません。
主な原因は以下です。
* 咬み合わせの力が強い
* 歯ぎしり・食いしばり
* 硬いものをよく噛む習慣
* 長年の使用による経年劣化
インプラントは天然歯よりも力をダイレクトに受けやすい構造です。
そのため、アクセスホール部分に負担が集中することがあります。
できるだけアクセスホールは咬合に関与しない場所に設置するというルールが決められていますが、それでも食事の仕方や使用頻度によってはすり減りを認めたり取れたりすることもあります。近年は補綴物のほとんどがジルコニアとなりますので、ジルコニアとプラスチックの相性の悪さというのもとれる要因にはなりますね。
 

放置しても大丈夫?

「すり減っているだけなら放置してもいいですか?」
と聞かれることもあります。
答えは ケースバイケース ですが、
多くの場合は 早めの対応が望ましい です。
理由は、
* 汚れが溜まりやすくなる
* 内部のネジに影響が出る可能性
* さらに摩耗が進むと補修範囲が大きくなる
といったリスクがあるためです。
 

治療はどうする?

治療自体は、比較的シンプルなことがほとんどです。
* すり減ったレジンを除去
* 内部の状態を確認
* 新たにレジンでアクセスホールを封鎖
場合によっては、
* 咬み合わせの調整
* ナイトガードの提案
を行うこともあります。
「インプラントをやり直す」
「被せ物を作り直す」
といった大がかりな治療が必要になるケースは多くありません。
 

最後に:違和感は「気のせい」ではありません

今回のように、
* 虫歯でもない
* インプラントの失敗でもない
* でも何かおかしい
という状態は、実際によくあります。
違和感は、体からの小さなサインです。
インプラントだからこそ、痛みが出る前のチェックが大切になります。
「これ、何だろう?」
そう思った時点で、遠慮なくご相談ください。
 
 
 

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ラミネートベニアの適応症とは?向いている人・向かない人を歯科医が解説

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

前歯の色や形を整えたい、すきっ歯を改善したい。
そのような相談の中で、ラミネートベニアという治療法を耳にされた方も多いのではないでしょうか。
ラミネートベニアは、歯の表面を必要最小限に整え、薄いセラミックを接着することで、見た目を改善する審美治療です。
適切に症例を選択すれば、歯への負担を抑えながら自然で美しい仕上がりが期待できます。
一方で、ラミネートベニアはすべての方に適した治療ではありません。
むしろ、適応を誤ることで「欠ける」「外れる」「長くもたない」といったトラブルにつながることもあります。

本記事では、
ラミネートベニアが向いている人(適応症)と、
逆に合わない人(適応外・慎重に考えるべきケース)**を、エビデンスと臨床経験の両面から整理して解説します。

ラミネートベニアが適応となりやすいケース

① 前歯の形態を整えたい場合
* 前歯の形が小さい、左右差がある
* 先端がわずかに欠けている
* 軽度のすきっ歯(空隙歯列)を改善したい
歯並びや噛み合わせに大きな問題がなく、形態の微調整が目的の場合、ラミネートベニアは有効な選択肢となります。

② ホワイトニングでは改善しにくい変色
* テトラサイクリン歯などの内因性着色
* 古い詰め物の変色
* 色ムラが強いケース
ただし、変色の程度が強い場合は、ベニアの厚みや素材選択を慎重に行う必要があります。

③ 表面の凹凸や軽度の摩耗がある場合
* 表面が不均一で光の反射が悪い
* 軽度の摩耗により見た目が気になる

エナメル質が十分に残っていることが前提となります。

ラミネートベニアが「合わない人」・慎重な判断が必要なケース

ここが最も重要なポイントです。
ラミネートベニアは症例選択が治療成否を大きく左右する治療です。

① 歯ぎしり・食いしばりが強い方
ラミネートベニアは薄いセラミックを接着する治療のため、
強い咬合力や歯ぎしり(ブラキシズム)がある場合、破折や脱離のリスクが高くなります。
このような場合、
* ナイトガードの併用
* 他の修復方法の検討が必要になることがあります。

② 前歯が強く当たる噛み合わせ(エッジトゥエッジ)
上下の前歯が刃と刃のように当たる噛み合わせでは、
切端部に過度な力が集中し、ラミネートベニアに不利となります。

③ 虫歯・歯周病のリスクが高い方
* プラークコントロールが不安定
* 歯周病が未治療
このような状態では、審美治療よりもまず口腔内環境の改善が優先されます。

④ エナメル質が少ない場合
ラミネートベニアは、エナメル質への接着が最も安定する治療です。
大きな詰め物が多い、象牙質が広く露出している場合は、長期的な安定性が低下します。

⑤ 歯並びの乱れが大きい場合
中等度以上の歯列不正を、ベニアだけで無理に整えると、
不自然な厚みや清掃性の低下につながります。
この場合は、矯正治療を優先する方が長期的に良好です。

⑥ 強い変色があり、マスキングが困難な場合
セラミックは薄いほど透明感が出ますが、
重度の変色では色を十分に隠せないことがあります。
この場合、被覆範囲の広い補綴治療が適することもあります。

ラミネートベニアで後悔しないために大切なこと

ラミネートベニアは「歯をあまり削らない審美治療」として注目されがちですが、
削らないことよりも、適応を見極めることの方が重要です。

当院では、
* 噛み合わせ
* 歯ぎしりの有無
* エナメル質の量
* 歯周・虫歯リスク
を総合的に評価した上で、ラミネートベニアが本当に適しているかを判断します。

場合によっては、
* ホワイトニング
* ダイレクトボンディング
* 矯正治療
* クラウン治療
など、別の治療法を提案することもあります。

まとめ

ラミネートベニアは、
正しい適応で行えば、歯にやさしく、美しく仕上がる治療です。
一方で、
歯ぎしり・噛み合わせ・エナメル質の不足などがある場合には、
無理に行うべき治療ではありません。

「できるかどうか」ではなく、
「長期的に本当に良い選択かどうか」を大切に。
前歯の審美治療をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。


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抜歯にベストな季節はある?知っておきたい季節と体調の話

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「歯を抜くなら、寒い時期と暑い時期、どちらが良いですか?」

患者さんから、ときどきこのような質問を受けます。
結論からお伝えすると、抜歯に絶対に良い季節というものはありません。
ただし、季節による身体の変化を知っておくことで、より安心して治療を受けていただくことができます。
今回は、冬と夏、それぞれの抜歯の特徴と注意点についてお話しします。

冬の抜歯の特徴
比較的腫れにくいが、体調管理が重要

冬は気温が低く、血管が収縮しやすい季節です。そのため、
* 血流がやや少なく
* 抜歯後の出血や腫れが強く出にくい傾向がある
という点から、外科処置としては比較的落ち着いた経過をとりやすいと感じることがあります。
一方で、冬は
* 乾燥や寒さによる免疫力の低下
* 風邪やインフルエンザなどの感染症
* 体調不良を自覚しにくい
といった点に注意が必要です。
「腫れにくい季節だから大丈夫」と油断せず、
体調を整えたうえで治療を受けることが大切になります。

夏の抜歯の特徴
治りは良いが、腫れやすい傾向

夏は血流が良く、新陳代謝が活発な季節です。
* 傷の治りが比較的早い
* 回復力が高い
というメリットがあります。

しかしその反面、
* 血流が多いため腫れやすい
* 出血がやや長引くことがある
* 汗や脱水による体調変化が起こりやすい
といった点もあります。
特に、抜歯後すぐの飲酒・長時間の入浴・激しい運動は、
夏場は腫れや痛みを強めてしまうことがあるため注意が必要です。

季節よりも大切なこと

実際には、
抜歯の時期よりも、歯の状態・炎症の有無・全身状態の把握が何より重要
です。
歯ぐきの状態、親知らずの位置、周囲の骨や神経との関係。
これらを正確に診断し、無理のない治療計画を立てることが、
術後のトラブルを防ぐ一番のポイントになります。

小嶋デンタルクリニックで大切にしていること

当院では、
* 必要に応じたレントゲン・CTによる診査
* 炎症が強い場合は無理をしない判断
* 抜歯後の生活指導・フォローの徹底
を通じて、季節に左右されにくい安全な治療を心がけています。

まとめ

* 冬:腫れにくいが、免疫低下・体調管理に注意
* 夏:治りは良いが、腫れやすさに注意
* 最も大切なのは「季節」ではなく「診断と準備」
抜歯を含めた歯科治療は、
その方の状態に合わせて行うことが一番安心で確実です。
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。


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歯科恐怖症の方への歯科治療について
― 鎮静麻酔を使わない場合に大切にしていること ―

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。
 

 
歯科恐怖症の方にとって、
歯科治療は「痛み」そのもの以上に、
治療を受けるという行為自体が大きなストレスになります。
小嶋デンタルクリニックでは、
歯科恐怖症の方に対して
静脈内鎮静麻酔を併用した治療をスタンダードとしています。
一方で、
* 鎮静麻酔のアポイントが取りにくい
* 点滴や麻酔自体が怖い
* できれば通常治療で対応したい
といったご希望があるのも事実です。
今回は、
鎮静麻酔や笑気麻酔を使用しない場合に、
歯科恐怖症の方へどのような工夫を行っているのか
について解説します。

歯科恐怖症の治療で最も重要なのは「最初の麻酔」

歯科恐怖症の方にとって、
最もハードルが高いのは
「麻酔の注射」
です。
ここで痛みや不安を感じてしまうと、
その後の治療全体がつらい体験になってしまいます。
そのため当院では、
麻酔のかけ方に特に注意を払っています。
 
① 表面麻酔は「しっかり・長めに」
麻酔注射の痛みは、
針そのものよりも、刺入時の皮膚・粘膜の刺激によるものです。
当院では、
* 表面麻酔を十分な量
* しっかりと時間を置いて作用させる
ことで、
刺入部位の感覚をできる限り鈍麻させます。
「待つ」ことも治療の一部です。
 
② 可能な限り細い針を使用する
麻酔針は、
細ければ細いほど痛みの刺激は少なくなります。
歯科恐怖症の方には、
* 極細の麻酔針
* 刺入角度・速度にも配慮
することで、
「いつ刺されたかわからなかった」
という状態を目指します。
 
③ 麻酔は一気に入れない
歯科恐怖症の方は、
* 緊張しやすい
* 血圧や脈拍が変動しやすい
といった特徴があります。
そのため麻酔は、
* 少量ずつ
* 段階的に
行います。
急激に麻酔薬を注入すると、
圧痛や違和感が強く出てしまうためです。
 
④ 痛みが出ない環境を「徐々に作る」
段階的に麻酔を入れながら、
* 痛みが完全に消失したことを確認
* 反応を見ながら麻酔量を調整
していきます。
結果として、
「途中で痛みが出ない環境」
を作ることが、
恐怖心の軽減につながります。
 
⑤ 無理をしない、急がない
歯科恐怖症の治療では、
* 1回で終わらせること
* 治療効率
よりも、
「今日はここまで」
という区切りが重要な場合もあります。
もちろん、一回で終われば良いのですが、歯科恐怖症の方は口腔内を放置していたことにより1回ですまないことがほとんどです。できるだけまとめて行いますが、大切なことの一つとして継続して診療を受けたという経験をつけるということも大切です。
 
当院では、
* 表情
* 体の緊張
* 呼吸や反応
を常に確認しながら治療を進めます。

当院の基本方針

小嶋デンタルクリニックでは、
* 歯科恐怖症の方には
静脈内鎮静麻酔併用が基本
というスタンスは変わりません。
ただし、
* どうしても鎮静麻酔が難しい場合
* まずは通常治療に慣れたい場合
には、
今回ご紹介したような工夫を重ねながら対応しています。


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歯科で行うボトックス注射とは?適応とその効果

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

近年、美容目的だけでなく 歯科領域でもボトックス注射(ボツリヌストキシン療法) が注目されています。
小嶋デンタルクリニックでは、審美だけでなく 機能改善・痛みの軽減 を目的として、安全・確実な治療を提供しています。

■ ボトックス注射とは?

ボトックスは ボツリヌストキシンというタンパク質 を用いた治療で、筋肉の過剰な収縮を適度に緩めることができる薬剤です。
筋緊張を抑えることで、歯ぎしり・食いしばり、顎関節症、慢性頭痛、フェイスラインの調整などに用いられています。

■ 歯科でのボトックス注射の主な適応

1)歯ぎしり・食いしばりの改善
睡眠中や日中の歯ぎしり・強い咬合力は、
* 歯の摩耗
* 詰め物・被せ物の破損
* 顎関節や咀嚼筋の疲労・痛み
を引き起こします。
ボトックス注射によって過剰な咬筋(えらの筋肉)の緊張を緩めると、
力の過度な集中を軽減し、症状緩和が期待できます。

2)顎関節症(TMJ)の症状緩和
顎の痛み、開口時のクリック音、運動制限などの症状は、咀嚼筋の異常緊張が関与することが多いです。
ボトックスで筋緊張を調整すると、
* 関節への負担減少
* 痛みの軽減
* 可動域の改善
につながることがあります。

3)慢性的な頭痛・片頭痛の緩和
咬筋・側頭筋などの過緊張は、慢性頭痛のトリガーになっている場合があります。
歯科的な筋緊張に起因する頭痛には、ボトックスが有効なケースが報告されています。

4)フェイスラインの調整(審美目的)
エラ張り、四角いフェイスラインが気になる方に対して、
咬筋の筋量を適度に減らすことで 柔らかい輪郭 を形成できます。
※ 審美目的のみの治療は、患者さんの主訴に合わせて慎重に判断しています。

■ ボトックス注射のメリット

* 外科的侵襲が少ない
* 回復時間が短い
* 日常生活への制限がほとんどない
* 咬合ストレスや筋緊張にアプローチできる
※ 効果の発現まで 2〜4 週間ほどかかることがあります。

■ 適応外となるケース

以下の方は原則としてボトックス注射の適応外、または慎重な判断が必要です:
* 妊娠中・授乳中の方
* 神経・筋疾患を有する方
* ボツリヌストキシンアレルギー既往
* 抗凝固療法中の方
* 重度の顎関節の構造的病変(関節円板の位置異常など)
上記に該当する方は、必ず担当医師との詳細なカウンセリングを行います。

■ 当院での治療プロセス

1. 問診・症状・生活習慣の評価
2. 咬合・顎運動・筋活動の検査
3. 必要に応じて画像診断(レントゲン/CT)
4. 治療方針のご提案
5. ボトックス注射(治療時間: 約10〜15分程度)
6. アフターケア・経過フォロー
注射後のケアや注意点についても丁寧にご説明しますので、初めての方でも安心して受けていただけます。

■ まとめ:歯科領域におけるボトックス治療の意義

歯科でのボトックスは 単なる美容目的ではなく、機能改善・痛みの軽減・日常生活の質向上 に活用できる治療です。
特に 食いしばり・顎関節症・慢性頭痛 に悩む方には、有効な選択肢になり得ます。
もし以下のような症状が気になる場合は、ご相談ください:
* 就寝中の歯ぎしりがある
* 朝の顎のだるさ/痛み
* 開口時の音や痛み
* 慢性的な頭痛
* エラが気になる


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インプラント治療、フラップする?しない?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

インプラント治療の相談を受ける中で、
「ノンフラップの方が腫れないと聞いたのですが」
「切らないインプラントの方が良いのですか?」
という質問を受けることがあります。
確かに、ノンフラップ(フラップレス)でのインプラント埋入は、術後の腫れや痛みが少ないというメリットがあります。
しかし、インプラント治療において最も重要なのは
楽かどうかではなく、“全で長期的に安定するか です。
今回は、
ノンフラップ埋入とフラップ埋入の違いについて解説します。

ノンフラップインプラントとは

ノンフラップとは、
歯肉を切開・剥離せず、最小限の穴を開けてインプラントを埋入する方法です。
メリット
* 歯肉を大きく切らないため腫れが出にくい
* 術後の痛みが比較的少ない
* 治癒が早い
* 手術時間が短いケースが多い
患者さんにとっては、
「術後が楽」「身体的負担が少ない」
と感じやすい術式です。

ノンフラップの注意点

一方で、ノンフラップには明確な注意点もあります。
* 骨の状態を直接目視できない
* 骨幅・骨量の不足を見逃すリスク
* 骨造成が必要なケースを判断しにくい
* 盲目的な操作になりやすい
つまり、
見えていない状態でインプラントを入れる=リスク管理がより重要
という術式でもあります。
骨量が十分で、解剖学的に安全と判断できるケースでなければ、
ノンフラップは適応になりません。

フラップインプラントとは

フラップ埋入は、
歯肉を切開・剥離し、骨を直接確認した上でインプラントを埋入する方法です。
メリット
* 骨の形態・量を直接確認できる
* 骨造成(GBRなど)が必要か正確に判断できる
* インプラントの位置・角度を安全に設定できる
* 長期的な予後の安定性を確保しやすい
外科的侵襲はやや大きくなりますが、
安全性と確実性を優先できる術式と言えます。

フラップのデメリット

* 術後の腫れや違和感が出やすい
* 回復にやや時間がかかる
* 手術時間が長くなることがある
ただし、これらは
適切な術式選択と術後管理によってコントロール可能な範囲です。

「どちらが良いか」ではなく「どちらが適切か」

インプラント治療において重要なのは、
ノンフラップか、フラップか、という二択ではありません。
* 骨量は十分か
* 骨の幅・高さは安全か
* 神経や上顎洞との距離
* 将来的なメンテナンス性
これらを総合的に評価した上で、
その患者さんにとって最適な方法を選択することが重要です。
無理にノンフラップを選択することは、
決して患者さんの利益にはなりません。

小嶋デンタルクリニックの考え方

当院では、
* CTによる三次元的評価
* 骨造成の必要性の有無を事前に判断
* 術後だけでなく、10年後を見据えた設計
を重視し、
ケースごとにノンフラップ・フラップを使い分けています。
「切らないから良い」
「腫れないから正解」
ではなく、
安全で長く使えるインプラント”第一に考える
それが当院のスタンスです。

まとめ

* ノンフラップは術後が楽だが、適応は限定される
* フラップは侵襲があるが、安全性と確実性が高い
* どちらが良いかではなく、ケースに応じた選択が重要
* 事前診断がインプラント成功の鍵
インプラント治療をご検討中の方は、
「術式」だけでなく「考え方」まで含めて、ぜひご相談ください。


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