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【親知らずを抜いたあと、唇にしびれ?】― 下歯槽神経麻痺について知っておくべきこと ―

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

親知らず抜歯に際して、気を付ける点はいくつかあります。本日は下顎の親知らずを抜歯する際に考慮すべきこと、特に下歯槽神経にフォーカスしてお伝え致します。

下歯槽神経とは?

下顎の中には「下歯槽神経」という感覚神経が走っています。
この神経は、下の歯・あご・唇の感覚を司る大切な神経です。
親知らずが骨の中に深く埋まっている「埋伏智歯」のケースでは、
この神経のすぐ近くに歯の根が存在することがあります。
そのため、抜歯の際には「下歯槽神経麻痺」という合併症が起こる可能性があります。

麻痺が出たときの症状

下歯槽神経にダメージが生じると、次のような症状が現れることがあります。
・下唇やあごのしびれ・感覚の鈍さ
・触っても違和感がある、冷たさを感じにくい
・稀にピリピリとした痛みや灼熱感
これらは感覚神経の麻痺であり、表情が動かなくなるような運動麻痺ではありません。
そのため見た目が変わることはなく、会話や食事も通常通り行えます。

麻痺の発生率と原因

報告によって差はありますが、下顎の親知らず抜歯後に麻痺が起こる確率は
およそ0.5〜1%前後とされています。
主な原因は以下の通りです。
・親知らずの根が神経管(下顎管)と近接または接触している
・骨の切削などによる神経への微細な刺激
・術後の腫れや出血による神経圧迫

万が一麻痺が起きてしまった場合

下歯槽神経麻痺が出現した場合、早期の対応が回復の鍵になります。
治療の基本
・ビタミンB12製剤(メコバラミンなど)
 神経の修復・再生を促します。
・ステロイド薬の短期間投与
 炎症やむくみによる神経圧迫を軽減します。
・神経賦活薬(アデホス、ATP製剤など)
 神経代謝をサポートします。
多くのケースでは、数週間〜3ヶ月ほどで徐々に改善が見られます。
ただし、6ヶ月を過ぎても症状の改善がない場合は、
感覚の回復が難しくなる可能性があります。

当院での予防と対応

小嶋デンタルクリニックでは、下顎の親知らずを抜歯する際に、
術前にCT撮影を行い、神経との位置関係を三次元的に確認しています。
CTによって、
・神経との距離
・根の方向
・骨の厚み

を正確に把握することで、
より安全な角度・方法での抜歯計画を立てることができます。
ただし、CTを撮る=麻痺が完全に防げるというわけではありません。
あくまでリスクを「見える化」して、最善の術式を選択するための手段です。

安心して抜歯を受けていただくために

下歯槽神経麻痺は確かにリスクのある合併症ですが、
正確な診断と慎重な手技、そして発生時の早期対応により、
多くの方が時間とともに改善しています。
当院では、抜歯前にしっかりとリスク説明を行い、
術後も経過観察を丁寧に行っています。
「親知らずの抜歯をどこで受けるか迷っている」という方も、
ぜひ一度ご相談ください。

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朝、あごが疲れていませんか?
——眠っている間の「食いしばり」と顎関節症の関係

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

朝起きた時、こめかみやあごが重い…。
そんな経験はありませんか?
実はそれ、眠っているあいだに無意識であごの筋肉を使っているサインかもしれません。
今日は日本顎関節学会のガイドラインをもとに、「睡眠」と「顎関節症」の関係について解説します。

1. 睡眠中に起こる“食いしばり”とは

眠っている時、歯をギュッと噛みしめたり、こすり合わせたりすることを
「睡眠時ブラキシズム」といいます。
専門的にはRMMA(律動性咀嚼筋活動)と呼ばれ、
1時間あたり4回を超えると「歯ぎしりがある」と判断されます(Journal of Oral and Sleep Medicine)。

2. なぜ“眠り”があごに影響するの?

浅い眠りのとき(レム睡眠)には、筋肉が活発になりやすく、
特に咬筋(こうきん)や側頭筋といった噛む筋肉が動きやすい状態になります。
この状態が続くと、
* あごの筋肉がこわばる
* 顎関節(かんせつ)に負担がかかる
* 開けにくさや痛みを感じる
といった症状につながってしまいます。
日本顎関節学会では、睡眠時の食いしばりは咀嚼筋の疲労や疼痛のリスクになると報告しています。

3. どんな対策がある?

日本顎関節学会の「顎関節症初期治療診療ガイドライン(2023改訂)」では、
初期段階の治療として次のような保存的アプローチを推奨しています。
* スタビリゼーション型スプリント(マウスピース)
* 自己開口訓練(あごをゆっくり開くリハビリ)
3か月ほど継続して様子を見て、改善が見られない場合は専門医の受診が推奨されています。
(※いずれも副作用が少なく、確実性は「非常に低い」ながら実践的な方法です)

4. スプリントだけで解決しない?

「マウスピースを入れているのにまだ痛い」
そんな場合、眠りの質そのものを見直すことも大切です。
* 就寝前1時間はスマホやパソコンを控える
* カフェイン・アルコールの摂取を減らす
* 枕や寝姿勢を見直し、片側ばかりに負担をかけない
* 必要に応じて筋肉の緊張を和らげる治療(理学療法やボトックス)を併用
「寝ているあいだに噛まないようにする」だけでなく、
噛まなくてもいい状態をつくることが大切です。

5. 当院の考え方

小嶋デンタルクリニックでは、
1️⃣ 正確な診査・診断
2️⃣ 保存的治療を第一に
3️⃣ 経過を見ながら再評価

という流れで治療を行っています。
「眠りの質」を整えることが、結果的にあごの健康と日常の快適さにつながります。
朝、あごの疲れを感じたら、まずはお気軽にご相談ください。

📚 参考・出典
* 日本顎関節学会『顎関節症初期治療診療ガイドライン(2023改訂版)』
 → スプリント療法+自己開口訓練を初期治療として弱い推奨。
* 日本顎関節学会『顎関節症治療の指針(2020)』
 → 保存的・可逆的治療を基本とする方針。
* Journal of Oral and Sleep Medicine
 → RMMA(律動性咀嚼筋活動)4回/時以上をブラキシズムの基準とする。
* 日本顎関節学会誌レビュー(2021)
 → 睡眠時の咬筋活動は顎関節症や筋痛のリスクファクターとなる可能性を指摘。

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【顎関節症とボトックス】──食いしばりによる筋肉のこわばりにアプローチ

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

朝起きた時に「顎がだるい」「こめかみが重い」──
そんな症状、ありませんか?
もしかするとそれは「関節」ではなく、「筋肉の疲れ」が原因かもしれません。

顎関節症には筋肉タイプがある

顎関節症というと「顎の関節の病気」と思われがちですが、
実は、筋肉のこわばり(咬筋・側頭筋など)によるタイプが最も多いとされています。
日本顎関節学会の分類では、これを「Ⅰ型(咀嚼筋障害型)」と呼び、
特徴としては──
* 食いしばりや歯ぎしりがある
* 頬やこめかみが痛い
* 朝起きると顎が重い
* 口を開けにくい・開けると痛い
といった症状が挙げられます。
つまり、筋肉の使いすぎ・緊張しすぎが、顎の痛みの正体であるケースが多いのです。

なぜ筋肉がこるの?

日常生活の中で、私たちは無意識に歯を食いしばっています。
パソコン作業、運転、ストレス、睡眠中…
これらが積み重なって咬筋が常に“力こぶ”のような状態になり、
血流が悪化 → 疲労物質がたまり → 痛みが出る。
この悪循環が続くと、朝起きた時のだるさや痛みが慢性化してしまいます。

ボトックスという選択肢

「ボトックス」と聞くと美容のイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし本来は、筋肉の過剰な収縮をゆるめる医療用の薬です。
筋肉が常に力んでしまう「食いしばりタイプの顎関節症」に対して、
ボトックスは筋肉を休ませる治療として注目されています。
咬筋や側頭筋にごく少量注射することで、
* 顎のこわばりが軽くなる
* こめかみや頬の痛みが減る
* 朝の疲労感が改善する
といった効果が報告されています。

■ ただし、適応が大切です

ボトックスは万能薬ではありません。
顎関節の構造的なトラブル(円板損傷や変形)が原因の場合には効果が限定的です。
また、効果の持続は数か月ほどで、
再注射が必要になるケースもあります。
そのため当院では、
まずはスプリント(マウスピース)治療やストレッチ指導、生活習慣の改善など、
基本的な保存療法を行い、
それでも症状が残る場合に限って、ボトックス治療を検討します。

小嶋デンタルクリニックの考え方

私たちは「痛みの根本にある筋肉の状態」を丁寧に診察します。
* 咬筋や側頭筋の硬さ
* 食いしばりの有無
* 姿勢やストレス要因
これらを総合的に見て、まずは無理のない自然な顎の使い方を取り戻すことを目指します。
ボトックス治療は、そのサポートとして選ばれる方法のひとつです。
「力を抜く」感覚を取り戻すきっかけになる──そんなイメージで捉えていただくと良いかもしれません。

まとめ

顎関節症には「筋肉の疲れ」から始まるタイプがあります。
ボトックスは、緊張しすぎた筋肉をゆるめ、痛みを軽減するサポート治療です。
食いしばり・朝の顎のだるさ・こめかみの痛みなど、
思い当たる方は、まずはお気軽にご相談ください。
筋肉をゆるめることが、顎の健康の第一歩です。

参考:
* 一般社団法人 日本顎関節学会「顎関節症の診断と治療指針 2020」
* 国内外の顎関節症治療に関する臨床研究

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抜歯後の治りを早めるために

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「抜歯してから数日たつのに、まだ痛みがある」「腫れが長引いて心配」
そんな声をよくいただきます。
実は、抜歯後の治り具合には体の自然な回復リズムがあり、
その流れに合わせたケアを行うことで、治りをぐっと早めることができます。
今回は、歯科医の視点から見た正しい抜歯後ケアのポイントをお伝えします。

抜歯後の体の中では何が起きている?

抜歯後の歯ぐきでは、次のような順番で回復が進んでいきます。
1. 最初の数日(1〜3日)
抜いた穴の中に“血のかたまり(血餅:けっぺい)”ができます。
これは天然の「ばんそうこう」のような役割で、細菌の侵入を防ぎます。
2. 1週間ほどの間
血餅の下で、新しい血管や歯ぐきの組織が作られます。
この時期に血餅が取れてしまうと、「ドライソケット」と呼ばれる強い痛みが出ることがあります。
3. 2週間以降
徐々に歯ぐきが閉じ、内部では骨の再生が始まります。
見た目が治っても、完全に回復するまでには1〜3か月ほどかかります。

治りが遅れる原因はやりすぎケアにある?

よかれと思って行う行動が、逆に治りを遅らせることもあります。
たとえば…
* 強いうがいで血餅を流してしまう
* ストローで飲み物を吸う
* 喫煙・飲酒(血流が悪くなり治癒が遅れる)
* 舌や指で傷口を触る
* 激しい運動で血圧が上がる
どれも「血餅が取れてしまう」ことが原因です。
抜歯当日〜翌日は、“何もしない勇気”も大切です。

薬の飲み方にもポイントがあります

歯科で処方される抗生剤や痛み止めは、
「もう平気そうだから」と自己判断でやめてはいけません。
炎症が完全におさまる前に薬を中断すると、
再び腫れたり、感染を起こすことがあります。
また、痛み止めを上手に使うことで、
食事が取りやすくなり、結果的に体の回復力も高まります。

食事と栄養も回復のカギ

抜歯後は無理せず、柔らかくて消化の良いものを選びましょう。
* タンパク質:卵、豆腐、魚など(新しい組織を作る材料)
* ビタミンC:ブロッコリー、いちご、キウイなど(傷の修復を助ける)
* 鉄分:レバーやほうれん草(血液の再生に必要)
体を整える栄養は、口の中の回復にも直結します。

抜歯後のチェックも大切です

小嶋デンタルクリニックでは、抜歯後1週間ほどで
再診を行い、歯ぐきの状態や炎症の有無を確認しています。
傷口がきれいに閉じているか、
血餅が保たれているかを見極めることで、
トラブルの早期発見と安心の治癒につながります。

まとめ

抜歯後の回復を早めるためには、
「焦らず、自然な流れに任せる」ことが何より大切です。
痛みや腫れが思ったより長引くときは、
無理せずご相談ください。
一人ひとりの治り方に合わせて、最適なアドバイスをいたします。

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抜歯後の腫れと痛み ― 正常な反応と注意が必要なケース

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

親知らずを含む抜歯のあとに腫れや痛みが生じるのは、体が傷を治そうとする「生理的な反応」です。
ただし、その経過が通常の範囲を超える場合には、感染やドライソケットなどの合併症が関与している可能性があります。今回は臨床的な観点から整理してみましょう。

■ 一般的にみられる経過

* 腫脹:術後1〜3日で最大に達し、その後は自然に軽快します。通常は1週間前後で大きく改善します。
* 疼痛:手術当日から翌日にかけて強くなり、鎮痛薬でコントロールできる程度。経過とともに徐々に軽減します。
これは組織修復の過程で起こる炎症反応であり、医学的にも想定内とされています。
(参考:日本口腔外科学会「抜歯後合併症ガイドライン」)

■ 合併症を疑うサイン

以下の所見がみられる場合は、通常の経過を逸脱している可能性があります。
* 72時間を過ぎても腫脹・疼痛が悪化する場合
* 38℃以上の発熱や全身倦怠感を伴う場合
* 鎮痛薬が無効な強い痛みが持続する場合
* 排膿・悪臭・開口障害などを伴う場合
これらは感染性炎症、あるいは血餅が失われた状態(ドライソケット)に典型的です。重篤化する前に早期対応が望まれます。

■ ご自宅でのチェックリスト

* 痛みや腫れは「日ごとに改善」しているか
* 顔の腫れが術後数日で落ち着き始めているか
* 高熱や膿の排出がないか
これらを目安に、経過が「通常の回復軌道」に乗っているかを確認することが大切です。

■ 当院の取り組み

小嶋デンタルクリニックでは、
* 抜歯難易度や既往歴を踏まえた術前リスク評価
* 抜歯後に必要な鎮痛薬・抗菌薬の適正処方
* 術後経過の確認と、必要時の速やかな処置
を徹底しています。術後の「これは普通?それとも異常?」という疑問は、多くの患者さんが抱える不安です。私たちはその見極めをサポートし、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

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親知らず抜歯後に注意したい「ドライソケット」—痛みが長引くときに考えられること

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

親知らずの抜歯後に、「しばらくしてから痛みが強くなった」「思ったより治りが遅い」と感じることがあります。
このようなとき、原因のひとつとして考えられるのが ドライソケット です。
今回は、患者さんからもよく質問をいただくこの症状について、わかりやすくご説明します。

ドライソケットとは

通常、抜歯後の穴(抜歯窩)には血液が溜まり、血餅(けっぺい:かさぶたのようなもの)ができます。この血餅が歯ぐきや骨を覆い、治癒が進んでいきます。
しかし、なんらかの理由でこの血餅が外れてしまったり、溶けてなくなってしまったりすると骨が露出し、強い痛みや治癒遅延を起こすことがあります。これがドライソケットです。
特に下あごの親知らずは骨が硬く抜歯の負担が大きいため、発生しやすいと言われています。

どうして起こるのか?

ドライソケットにはいくつかの要因が関わっています。
* 外科的な負担が大きい抜歯(骨削除や分割抜歯など)
* 出血量の不均衡(少なすぎても多すぎても血餅が安定しにくい)
* 麻酔薬の影響による局所血流の低下
* 喫煙や飲酒など生活習慣による治癒遅延
* 術後の強いうがいやストローの使用による血餅脱落
* 細菌感染による血餅分解

どんな症状が出る?

* 抜歯後2〜3日で再び痛みが強くなる
* 骨がしみるようなズキズキした痛み
* 口臭や耳・こめかみへの放散痛

予防のためにできること

* 抜歯後2日間は強いうがいを避ける
* 喫煙・飲酒は控える(特に術後すぐ)
* 処方薬を指示通りに服用する

当院の対応と安心ポイント

ドライソケットは自然に治癒しますが、痛みを伴うため適切な処置でサポートが必要です。
当院では、洗浄や薬剤で痛みを和らげながら治癒を促すケアを行っています。
さらに、小嶋デンタルクリニックには 口腔外科専門医も在籍 しており、難症例の親知らず抜歯や合併症管理にも対応可能です。
専門性と経験を活かし、患者さんが安心して治療を受けられる体制を整えています。

まとめ

ドライソケットは、親知らずの抜歯後に起こる代表的な合併症のひとつです。
リスク要因を理解し、術後の注意を守ることで多くは予防できます。
もし痛みが長引く場合や不安がある場合は、自己判断せずに早めにご相談ください。
小嶋デンタルクリニックでは、専門医の診療と丁寧なアフターフォローで安心して治療を受けていただけます。

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歯科治療中に起こる気分不良の正体|迷走神経反射と神経性ショック

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

歯科治療中に「急に気分が悪くなった」「めまいがして目の前が暗くなった」という経験をされた方はいませんか?
実はこれは珍しいことではなく、医学的には 迷走神経反射 と呼ばれる一時的な体の反応です。ごくまれに「神経性ショック」と呼ばれる強い症状に進展することもあります。
当院でも年に数回はこうした反応に遭遇しますが、いずれも適切な対応で回復しています。今回は、これらの仕組みと歯科治療との関わりについて、一般の患者さん向けにわかりやすく解説します。

迷走神経反射とは?

* どうして起こる?
強い緊張や恐怖心、注射の刺激などによって、自律神経のひとつである迷走神経が過剰に働きます。その結果、心臓の動きがゆるみ、血圧や脈が下がってしまいます。
* 典型的な症状
・冷や汗
・顔色が真っ青になる
・めまい、吐き気
・一時的な意識消失
採血や健康診断でも見られる現象で、歯科治療中に起きても不思議ではありません。

神経性ショックとは?

迷走神経反射がさらに強く起きると、体の血流が極端に下がり、長く意識がもうろうとする状態になることがあります。これを神経性ショックと呼びます。
これは頻度としては稀ですが、起きた場合は酸素投与や昇圧剤などの医療的処置が必要になります。

歯科治療で起きやすい場面

* 局所麻酔の注射時
* 親知らずの抜歯など外科的処置の直前・直後
* 長時間の緊張状態
* 強い痛みを想像しただけでも起こることも
つまり、必ずしも処置が痛かったからではなく、不安や想像の段階でも起きうるというのが特徴です。

当院での対応

小嶋デンタルクリニックでは、以下のような体制で安心して治療を受けていただけるよう努めています。
1. 問診での確認
   * 過去に「注射で気を失ったことがあるか」を確認
2. 治療中の観察
   * 顔色や呼吸、様子の変化にスタッフが常に注意
3. すぐに対応できる準備
   * 仰向けで足を高くする体位
   * 酸素投与や薬剤などの緊急対応

患者さんへのメッセージ

「治療中に倒れてしまったらどうしよう…」と不安に思う方も多いと思います。
でも、こうした反応は決して珍しいことではなく、ほとんどが一過性で回復するものです。
私たち歯科医療従事者は常にその可能性を考え、準備を整えていますので安心してください。

まとめ

歯科治療中に見られる迷走神経反射や神経性ショックは、緊張や恐怖が原因で起きる体の自然な反応です。大切なのは、「起きるかもしれない」と知っておくこと、そして医療側にしっかり備えがあること。
小嶋デンタルクリニックでは、患者さんの安全を第一に、安心して治療を受けられる環境を整えています。どうぞリラックスしてご来院ください。

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【骨粗鬆症薬と歯科治療】ビスホスホネート製剤とMROJ(薬剤関連顎骨壊死)に注意

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです

高齢化が進む中、骨粗鬆症の治療としてビスホスホネート(BP)製剤やデノスマブを服用している方が増えています。
これらの薬は骨折予防やがんの骨転移抑制に大きな効果がありますが、歯科治療(特に抜歯やインプラント治療)で注意が必要な副作用=MROJ(薬剤関連顎骨壊死)が問題となることがあります。

MROJ(薬剤関連顎骨壊死)とは?

MROJとは、抜歯やインプラント手術の後に顎の骨が壊死して治りにくくなる状態を指します。
顎骨壊死が起きると痛みや腫れが長引き、生活に大きな影響を与えます。
* 「ビスホスホネート 抜歯」「骨粗鬆症 歯科治療」と検索する方の多くは、このMROJを心配して来院されます。

MROJの発症リスクが高いケース

* 骨粗鬆症で2年以上ビスホスホネートを服用している
* がん治療で高用量の静注BP製剤やデノスマブを使用している
* 糖尿病・ステロイド内服・喫煙習慣がある
* 清掃不良や合わない義歯による慢性的な刺激がある

歯科治療で注意すべきこと

1. 服薬歴を必ず伝える
「骨粗鬆症の薬を飲んでいる」と歯科で伝えることが、リスク回避の第一歩です。
2. 抜歯やインプラント治療は慎重に
BP製剤やデノスマブを使用中の方は、外科的処置によりMROJを起こす可能性があるため、治療計画を十分に立てる必要があります。
3. 定期的な口腔管理が予防につながる
虫歯や歯周病を放置すると抜歯が必要になり、結果的にリスクが高まります。定期的な歯科検診でトラブルを未然に防ぐことが重要です。

最新のエビデンス

日本口腔外科学会のMROJガイドライン(2023年改訂版)では、
* 骨粗鬆症治療のためにビスホスホネートを内服している患者さんでも、リスクを説明し、抗菌薬投与や抜歯窩の一次閉鎖を徹底すれば抜歯は可能とされています。
* 「骨粗鬆症だからインプラント治療は絶対に無理」というのも誤解で、慎重に診断・計画すれば治療できるケースもあります。
つまり、「骨粗鬆症薬を飲んでいるから歯科治療ができない」のではなく、正しい知識と対応があれば安全に治療が可能なのです。

まとめ

ビスホスホネート製剤やデノスマブは、高齢者の健康を守るために大切な薬です。
しかし、服薬歴を無視したまま抜歯やインプラントを行うと、**MROJ(薬剤関連顎骨壊死)**のリスクがあります。
* 服薬歴を歯科医師に伝える
* 抜歯やインプラント治療はリスク説明と安全対策のもとで行う
* 定期的な歯科検診と口腔ケアで予防する
これらを徹底することが安心につながります。
小嶋デンタルクリニックでは、骨粗鬆症治療中の方やがん治療中の方の歯科治療に精通した歯科医師が、内科主治医や薬剤師と連携しながら安全に治療を進めています。
「骨粗鬆症 歯科」「ビスホスホネート 抜歯」「インプラント 骨粗鬆症」で情報を探している方も、ぜひ一度ご相談ください。

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歯を失ったまま放置するとどうなる?~歯の移動について~

「奥歯を抜いたけれど、そのままでも噛めるから大丈夫」
そう考えて放置してしまう方が少なくありません。
しかし、欠損部を放置すると周囲の歯が動き出し、噛み合わせ全体に影響が出ることがあります。

実際の症例

今回ご紹介するのは、6年前に奥歯を抜歯し、その後治療を行わずに放置してしまったケースです。
* 6年前のレントゲン:まだ歯牙は存在しますが、残根部も認め、要抜歯状態です。

* 現在のレントゲン:欠損した部分の対合歯(噛み合う歯)が伸び出してきており、抜けそうな状態になっています。
このように、歯を失った部分をそのままにしておくと、時間の経過とともに噛み合わせ全体が変化してしまうのです。

欠損を放置すると起こること

* 対合歯の挺出(出てきてしまう)
* 隣の歯の傾斜・移動
* 噛み合わせのズレ
* 食べ物が詰まりやすくなる
* 顎関節に負担がかかりやすくなる
結果的に、インプラントやブリッジ、入れ歯などの治療を行う際に難易度が上がり、治療選択肢が狭まってしまうこともあります。

小嶋デンタルクリニックでの対応

当院では、歯を失った場合の選択肢を一緒に検討し、患者さんに合った方法をご提案します。
* インプラント治療
* ブリッジ治療
* 義歯(入れ歯)
大切なのは「欠損を放置しないこと」です。早期に対応することで、将来的な治療の負担を大きく減らすことができます。
ただ場所によっては、そのままで良いという選択をすることもあります。欠損となった経緯も最終補綴を行う上でとても大切な視点となります。

まとめ

歯を1本失っても、「今は噛めるから」と放置すると、時間の経過とともに噛み合わせに悪影響が及びます。
今回ご紹介したレントゲンのように、6年後には歯が大きく挺出し抜歯しなくてはいけなくなり、欠損が増えた形になってしまいました。

歯を失った際は、ぜひ早めに歯科医師にご相談ください。
小嶋デンタルクリニックでは、患者さん一人ひとりに最適な治療をご提案いたします。

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子どもの仕上げ磨きはいつまで必要?正しいタイミングと親の役割

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「仕上げ磨きは何歳までやればいいですか?」
小さなお子さんを持つ親御さんから、よくいただく質問です。乳歯が生え揃ってきたり、子どもが「自分で磨く!」と言い始めると、そろそろ卒業かな?と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、仕上げ磨きは思っている以上に長く必要です。今日はその理由と目安、そしてエビデンスをもとにした推奨をご紹介します。

仕上げ磨きが必要な理由

* 子どもは手の巧緻性(細かい動きの器用さ)がまだ未熟で、磨き残しが多くなります。
* 奥歯のかみ合わせ部分や、歯と歯の間はむし歯リスクが高い場所。子どもだけの歯みがきでは不十分になりやすいのです。

仕上げ磨きの目安年齢

日本小児歯科学会や厚生労働省の資料では、少なくとも小学校低学年(8〜9歳頃)までは保護者による仕上げ磨きが推奨されています。
その理由は、子どもが「自分でしっかり歯を磨けるようになるのは、およそ10〜12歳」とされているためです。つまり、永久歯が生えそろい始める小学校中学年までは、親のサポートが不可欠なのです。

年齢に応じた工夫

* 3〜6歳(幼児期)
毎回必ず仕上げ磨きを行いましょう。むし歯予防のゴールデンエイジと呼ばれる大切な時期です。
* 小学校低学年
子ども自身に磨かせた後、仕上げ磨きでチェックを。特に奥歯と前歯の裏側を重点的に。
* 小学校中学年以降
自分で磨けるようになっても、夜だけは仕上げ磨きを続けると安心です。受験期や部活動が忙しくなる時期でも、仕上げ磨きの習慣がむし歯予防に大きく貢献します。

仕上げ磨きで気をつけたいポイント

* 明るい場所で、膝枕など安定した体勢で行う
* 力を入れすぎず、歯ブラシの毛先を優しくあてる
* デンタルフロスを取り入れると、さらに効果的

まとめ

仕上げ磨きは「乳歯が抜けたら終わり」ではなく、小学校中学年までは続けるのが安心です。親子で一緒に歯みがき習慣をつけることで、むし歯予防はもちろん、子どもの健康への意識も育ちます。
小嶋デンタルクリニックでは、お子さん一人ひとりに合った歯みがき指導や仕上げ磨きのコツもお伝えしています。ご家庭で不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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