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サイナスリフトとは?インプラントを安全に行うための骨造成治療

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

今日はインプラント治療の中でも「上顎の骨が少ない方」に必要となる治療、サイナスリフト(上顎洞挙上術) について解説します。
CTを撮影してみると「骨が薄くてインプラントができない」と言われることがありますが、実際には骨を増やすことでしっかりとインプラントを行うことができます。

■ サイナスリフトとは?

上顎の奥歯の上には「上顎洞」という空洞があります。
この部分の骨が加齢や抜歯によって薄くなっている場合、そのままではインプラントを固定できません。
サイナスリフトは、上顎洞の粘膜を持ち上げ、その空間に骨補填材(人工骨)を入れて骨を再生させる治療法です。

■ サイナスリフトの2つの方法

サイナスリフトにはアプローチ方法が2種類あります。
① ラテラルアプローチ(側方アプローチ)
・骨が3〜4mm以下しかない場合に選択
・歯ぐきの横から小窓を作り、上顎洞粘膜を直接持ち上げて骨を造成
・骨造成から約6ヶ月後にインプラント埋入を行うケースが多い
② クレスタルアプローチ(上方アプローチ)
・骨が4mm以上ある場合に適応
・インプラントを埋入する穴から同時にサイナスを持ち上げ、人工骨を挿入
・サイナスリフトとインプラントを同時に行えるため、治療期間が短くなる

■ 同時埋入が可能なケースとは?

同時埋入が可能かどうかは、「既存骨の厚み(残存骨量)」で判断します。
おおよその目安は以下の通りです。
残存骨の厚み 推奨される治療法 治療期間の目安
4mm以上 クレスタルアプローチ+同時埋入 約6ヶ月で上部構造
3〜4mm未満 ラテラルアプローチ+分割手術 サイナス後6ヶ月で埋入、その後6ヶ月で補綴(計12ヶ月)
同時埋入ができると治療期間を大幅に短縮できますが、骨の硬さや上顎洞粘膜の状態、感染リスクなども慎重に判断する必要があります。

■ サイナスリフト後の流れ

サイナスリフトを行ったあとは、骨がしっかりと再生するのを待つ期間が必要です。
人工骨が自分の骨に置き換わるまでには数ヶ月を要します。
一般的な流れ:
1. CT撮影・診査診断
2. サイナスリフト手術
3. 骨再生期間(約6ヶ月)
4. インプラント埋入手術(または同時埋入)
5. 治癒期間(約3〜4ヶ月)
6. 上部構造(被せ物)の装着

【まとめ】

サイナスリフトは、上顎の骨が薄い場合でもインプラントを可能にする優れた治療法です。
「骨が少ないと言われた」「以前にインプラントを断られた」という方でも、サイナスリフトで対応できるケースは多くあります。
CTで精密に診査し、同時埋入が可能か、先にサイナスを行うべきかを慎重に判断します。
当院では、静岡市内でも特にインプラントと骨造成に豊富な実績をもとに、安心して治療を受けていただける環境を整えています。

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インプラント治療の前に確認すべき「開口量」と「骨の厚み」

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

本日は、右下に2本のインプラント埋入を希望されて来院された患者様のケースをご紹介します。

欠損部の状態と治療の検討

診査の結果、欠損部自体に大きな問題はありませんでした。
しかし、欠損期間が長かったために頬側の骨が吸収し、やや狭窄(幅が細く)した状態となっていました。
歯を失ってから長い期間が経つと、このように骨の幅や高さが徐々に減っていく傾向があります。
このようなケースでは、単にCT画像やレントゲンだけを見てプランを立てるのではなく、実際の患者さんの状態(骨の厚み・開口量・筋の動きなど)を考慮することが非常に重要になります。

開口量が少ないと、インプラントが入らない

今回の症例で特に注目すべき点は、「開口量」です。
インプラントは骨に対して垂直に埋入することが理想ですが、口が十分に開かない場合、そもそも器具を正しい角度で挿入できません。
特に一番奥の歯(第二大臼歯部など)では、開口量が小さいだけで手技的に非常に難しくなるのです。
また、サージカルガイドを使用する場合、装着によってさらに厚みが増すため、器具(バー)が入らなくなるというリスクもあります。

今回の治療方針

このケースでは、
* 長いインプラントを選ぶと物理的に入らない可能性がある
* ガイドを使用するとさらにアクセスが制限される
といった理由から、やや短いインプラントを選択し、ガイドを用いずに慎重に埋入を行う方針としました。

治療計画は「机上」だけで終わらせない

インプラント治療というと、CTデータを用いたデジタルプランニングが注目されがちですが、
実際の治療で最も大切なのは、「データの裏にある患者の現実」を理解することです。
骨の形態や厚み、開口量、舌の動き、顎の可動域など、
患者一人ひとりの特性を見極めることが安全で確実な手術結果につながる第一歩です。

まとめ

インプラント治療は、単に「埋める」だけの治療ではありません。
骨の状態・開口量・筋肉のバランスなど、細かな条件を一つずつ見極めながら、
「その方に最適な形」をデザインしていくプロセスです。
当院では、デジタル技術と経験に基づいた臨床判断の両方から、
安全かつ長期的に安定したインプラント治療を提供しています。

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上顎前歯部に発見された「歯原性角化嚢胞」―再発に注意が必要な顎骨嚢胞とは?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

今回は、上顎の前歯部に発見された顎骨嚢胞(がっこつのうほう)についてご紹介します。
患者様は「上の前歯のあたりが腫れてきた」との主訴で来院されました。
レントゲン撮影を行うと、3本の歯根にまたがるような透過像(黒い影)が確認されました。

病態の概要:歯原性角化嚢胞

顎骨内に発生する嚢胞の中でも、「歯原性角化嚢胞」はやや特殊な存在です。
歯の発生に関係する歯原上皮から発生し、内部には角化した上皮細胞を伴うのが特徴です。
一般的な歯根嚢胞と比べると、
* 骨内で広がりやすい(浸潤傾向がある)
* 再発しやすい(再発率20〜30%)
* エナメル上皮腫(良性腫瘍)と類似する像を示す
といった特徴があります。

鑑別診断:歯根嚢胞・エナメル上皮腫との違い

レントゲン上では歯根嚢胞や腫瘍との区別が難しいことがあります。
今回のケースでも、3本のうち1本の歯が失活しており、当初は歯根嚢胞の可能性も考えられました。

疾患名 原因 境界の特徴 再発傾向 備考
歯根嚢胞 根尖部の慢性炎症 明瞭で均一 低い 根管治療で改善可
歯原性角化嚢胞 歯原上皮の増殖 不均一、波状 高い 病理診断で確定
エナメル上皮腫 歯原上皮由来(腫瘍) 多房性 高い 腫瘍的性質をもつ

治療経過と病理診断

根管治療で感染源を除去したのち、外科的に嚢胞を摘出しました。
摘出物を病理検査に提出したところ、歯原性角化嚢胞と診断されました。
嚢胞壁は薄く剥がれやすく、取り残しが再発の原因となるため、外科的には嚢胞壁を完全に除去することが重要です。
また、再発を防ぐために、経過観察として半年〜1年ごとのレントゲン・CT検査を推奨します。

まとめ:早期発見と病理検査の重要性

歯原性角化嚢胞は痛みが少なく静かに進行することも多く、
「違和感がある」「歯ぐきが少し腫れている」といった軽微な症状でも、レントゲンで大きく進展しているケースがあります。歯ぐきや顎の腫れを感じたら、早めの受診をおすすめします。そして、嚢胞を摘出した際には、必ず病理検査を行うことが再発予防の第一歩です。

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前歯が出てきた?上顎前歯部のフレアアウトの原因とは

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

鏡を見たとき、「前歯が少し前に出てきた気がする」「すき間が目立ってきた」——
そんな変化を感じたことはありませんか?
それは、歯のフレアアウト(Flare out)と呼ばれる現象かもしれません。
今日はこの上顎前歯部のフレアアウトについて、原因と対策をわかりやすくお話しします。

フレアアウトとは?

「フレア(flare)」=広がる、「アウト(out)」=外に出る。
つまり、前歯が唇側方向に傾いて前に出てしまう状態を指します。
歯並びの美しさだけでなく、かみ合わせや発音、歯周病リスクにも影響することがあります。

主な原因

① 歯周病による骨の吸収
歯を支える骨(歯槽骨)が歯周病で減ると、歯が支えを失い、少しずつ外側へ傾いていきます。
特に上の前歯は力を受けやすく、動揺しやすい部位です。

② 舌や口唇の癖
無意識のうちに**舌で前歯を押す癖(舌突出癖)**や、
口をポカンと開ける習慣があると、
常に前方向への力が加わり、歯が少しずつ動いていきます。

③ かみ合わせのバランス崩壊
奥歯の咬合が低下したり、歯の欠損を放置していると、
前歯が噛み合わせの負担を代償的に受け、前方に広がることがあります。

④ 矯正後の後戻り
過去に矯正治療を受けた方で、保定装置を使わなくなっている場合も注意。
歯は元の位置に戻ろうとする性質があり、
リテーナーを外したままにしていると徐々にフレアアウトしてしまうこともあります。

放置するとどうなる?

初期のうちは「見た目の変化」だけですが、
放置すると——
* 前歯のすき間が拡大
* 歯肉の炎症・出血
* 前歯で物が噛みにくくなる
といった問題に発展する可能性があります。

当院での対応

小嶋デンタルクリニックでは、
まずフレアアウトの原因を正確に診断することを重視しています。
レントゲンや歯周検査、咬合分析を行い、
・歯周病由来か
・咬合不良や習癖由来か
・矯正的後戻りか
を明確にした上で、
原因に合わせた歯周治療・咬合調整・マウスピース矯正などを行います。
特に歯周病が関与している場合は、
単に歯を「戻す」のではなく、支えとなる骨と歯肉を安定させる治療が重要です。

まとめ

前歯のフレアアウトは「見た目」だけの問題ではなく、
歯を失う前兆のこともあります。
「なんとなく前に出てきた気がする」
そんな小さな変化でも、早めの受診が大切です。

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静脈内鎮静麻酔を受ける前に知っておきたい大切なこと

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

当院では、歯科治療に対する「恐怖心」や「緊張」が強い方のために、静脈内鎮静法(セデーション)を取り入れています。
点滴で鎮静薬を少量ずつ投与し、ウトウトとリラックスした状態で治療を受けることができる方法です。

1. 静脈内鎮静は「全身麻酔」とは異なります

静脈内鎮静法は、完全に意識を失う全身麻酔とは異なります。
呼びかけや指示には反応できる意識を保ちつつ、心身を落ち着かせるのが目的です。寝ることが目的ではありません。
当院で行う鎮静麻酔はリラックス効果を主体としており、
「治療が怖くてできなかった方が、落ち着いて治療できる、嘔吐反射が起きていない状態で受けられるようになる」ことに焦点を当てています。
そのため、深い麻酔状態まではかけません。
会話が可能な範囲で意識を保ちながら、安全性と快適性のバランスを取ることを重視しています。

2. 初診時にいきなり鎮静は行いません

当院では、初診当日に鎮静麻酔を行うことはありません。
まず初診時にレントゲンや検査を行い、
・どの部位を優先的に治療すべきか
・まとめて行うほうが良い箇所はどこか
を確認して、治療計画を立案します。
そのうえで、2回目以降の来院時に鎮静下で治療をスタートします。
鎮静麻酔を使用する日は約90分の治療時間を確保し、
多くのケースで複数の治療をまとめて効率的に実施します。

3. 当日は「車の運転はできません」

鎮静麻酔後は、薬の影響で反射能力や判断力が一時的に低下します。
そのため、自動車・バイク・自転車の運転は禁止です。
来院時は公共交通機関をご利用いただくか、ご家族の送迎をお願いいたします。

4. 治療前の食事は「少なめに」

原則として、治療の6時間前から食事を控え、
水やお茶は2時間前までに済ませてください。
満腹の状態で鎮静を行うと、嘔吐時に誤嚥のリスクがあるためです。
軽食程度で済ませておくのが理想です。

5. 体調を整えて臨みましょう

鎮静麻酔の効果や安全性は体調に左右されます。
寝不足、発熱、風邪、前日の飲酒などがある場合は、必ずお知らせください。
安全を最優先に、必要があれば日程を変更します。

6. 常用薬のある方は事前に申告を

持病や常用薬がある方は必ずお伝えください。
特に高血圧・心臓疾患・糖尿病・喘息・てんかんなどの既往がある場合は、
鎮静薬との相互作用を考慮し、医師が適切に調整します。

7. 当日の服装と付き添いについて

腕から点滴を行うため、袖をまくりやすい服装でお越しください。
また、可能であればご家族やご友人の付き添いをおすすめします。
治療後はなるべく安静にし、飲酒や激しい運動は避けましょう。

まとめ

静脈内鎮静麻酔は、「怖くて歯科治療に踏み出せなかった方」にとって、
リラックスして安心して治療を受けられる大きな助けとなる方法です。
当院では、安全性と快適性を両立させながら、
患者さま一人ひとりに合わせた治療計画のもとで鎮静を行っています。
不安や疑問があれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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口が開かない!顎が開かないときに考えられる原因とは?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

朝、口が開かない!?そんなときありませんか?

朝起きてあくびをしようとしたら「口が開かない」「開けにくい」と感じたことはありませんか?
一時的なこともありますが、放っておくと慢性化してしまう場合もあります。
実際に当院でも、
起床時に口が開かなくなった。ただ自力では何とか開けられる。
という患者様が来院されることがあります。
このような症状がある場合、まず疑われるのが顎関節症です。
ただし、似た症状を示す病気もいくつかあるため、原因をしっかり見極めることが大切です。

口が開かないときに考えられる主な原因

① 顎関節症(Ⅰ型〜Ⅲ型)
顎関節症は、顎の関節や筋肉、靭帯などに異常が起こる病気です。
特にⅠ型(筋肉のこわばり)では、朝起きたときに「顎が重い」「動かしにくい」と感じることがあります。
進行すると、「痛み」「カクカク音」「口が開かない」といった症状が現れます。

② クローズドロック(関節円板が戻らない状態)
顎関節内の“クッション”の役割をする関節円板がずれたまま戻らなくなり、顎の動きが制限される状態です。
「突然口が開かなくなった」「指2本分しか開かない」という場合は、この可能性があります。

③ 顎関節強直症
関節や筋肉が硬くなり、物理的に開かなくなる状態です。
外傷や炎症などが原因で起こることが多く、早めの専門的治療が必要です。

④ その他(外傷・腫瘍など)
顎の骨折や炎症、まれに腫瘍などでも開口障害が起こることがあります。
「片側だけ腫れている」「強い痛みがある」ときはすぐに歯科・口腔外科へ相談しましょう。

今回のケース:起床時の違和感 → 顎関節症Ⅰ型と診断

ある患者様は、朝起きたときに「顎が重くて開かない」と感じて来院されました。
・強い痛みや腫れはなし
・開口量がやや少なく(約40mm以下)
・顎の筋肉にこわばりと軽い圧痛を確認
このことから、咀嚼筋(そしゃくきん)の緊張による顎関節症Ⅰ型と診断しました。
関節自体のロックや硬直ではなく、筋肉の疲労やストレスが主な原因と考えられます。

なぜ起こるのか?主な要因

* 睡眠中の「歯ぎしり」「くいしばり」
* 長時間のスマホやパソコンによる姿勢の悪化
* 片側での噛み癖や頬杖
* ストレスや疲労
* 大きなあくびや無理な開口動作
特に、無意識の「くいしばり」は現代人に多く見られる原因のひとつです。
日中も「歯が触れている時間」を意識的に減らすことが改善への第一歩になります。

小嶋デンタルでの治療の流れ

Step 1:スプリント(マウスピース)の作成
夜間の歯ぎしりや食いしばりを防ぎ、顎関節への負担を軽減します。
朝の顎の重だるさが軽減されるケースが多いです。
Step 2:生活習慣の見直し
片側咀嚼・頬杖・猫背姿勢など、日常の癖を意識的に改善します。
TCH(歯列接触癖)のチェックも有効です。
Step 3:温罨法・ストレッチ
顎まわりの筋肉を温め、軽い開口訓練で筋肉をリラックスさせます。
Step 4:定期的な経過観察
痛みや開口量の変化を確認しながら、必要に応じて追加治療を行います。

まとめ:小さな違和感を放置しないことが大切です

「朝だけ口が開かない」「なんとなく顎が重い」
そんな軽い症状でも、早めに相談することで悪化を防ぐことができます。
顎関節症は、正しい診断とケアで十分に改善できる症状です。
気になるサインがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

顎は食べる・話す・笑うための大切な関節です。
その小さな違和感を放っておかず、健康で快適な日常を取り戻しましょう。

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親知らず、抜くべきタイミングは?歯科医が解説する6つのサイン

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

今回は「親知らずの抜歯はいつ行うべきか?」について、実際の臨床経験を踏まえてお話しします。

親知らずは、いつ抜いた方がいいの?

「まだ痛くないけど、このままで大丈夫ですか?」
そんなご相談を受けることが多くあります。
親知らずは、必ずしもすぐに抜く必要がある歯ではありません。
しかし、放置しておくと周囲の歯や歯ぐきに悪影響を及ぼすケースもあり、
抜くべきタイミングを見極めることが大切です。
ここでは、抜歯を検討すべき6つの代表的なサインを紹介します。

① 炎症や腫れを繰り返す

親知らずの周囲の歯ぐきが定期的に腫れたり痛んだりする場合は、慢性炎症が起きている可能性があります。
抗生剤やうがい薬で一時的に落ち着いても、再発を繰り返すことが多いため、根本的な解決として抜歯が推奨されます。

② 手前の歯を傷めてしまう

親知らずが手前の第二大臼歯に接していると、その部分に虫歯や歯周病が発生することがあります。
特に横向きに生えている親知らずは、隣の歯を圧迫しやすく、早めの対処が必要です。

③ 歯ブラシが届かない位置にある

半分だけ出ている親知らずは、汚れが溜まりやすく、
虫歯や歯ぐきの腫れの原因になります。
完全に埋まっていて症状がなければ経過観察も可能ですが、
清掃不良が続く場合は抜歯を検討します。

④ 矯正治療の計画に影響する場合

矯正治療を行う際、歯列を整えるために親知らずの抜歯を指示されることがあります。
事前に親知らずを処理しておくことで、矯正後の歯並びが安定しやすくなります。

⑤ 将来的なトラブルが予測される場合

今は症状がなくても、CT画像で確認した角度や位置から
今後炎症や圧迫が起きると予測される場合、
若いうちに抜いておいたほうが安全です。
特に根が深くなる前の抜歯は、治りも早くリスクも少なく済みます。

⑥ 義歯やインプラントの妨げになる場合

将来、ブリッジやインプラント治療を行う際に
親知らずが治療計画の邪魔になるケースがあります。
長期的な口腔設計の中で、不要な親知らずは早めに整理しておくのが理想です。

まとめ

親知らずの抜歯は「痛くなってから」ではなく、
将来のリスクを見越して計画的に行うことが大切です。
当院ではCT撮影による三次元的な診断を行い、
抜くべきかどうかを歯科医師が丁寧に判断いたします。
気になる方は、定期検診の際にお気軽にご相談ください。

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歯を失ったまま放置するとどうなる?
――「歯の挺出」にご注意を

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

抜歯をしたあと、
「とりあえず痛くないからこのままでいいや」と思っていませんか?
実は、歯を失ったまま長期間放置してしまうと、
お口の中では静かに“歯の移動”が起きていきます。
特に多いのが「挺出(ていしゅつ)」と呼ばれる現象。
欠損した部分とかみ合っていた反対側の歯が、ゆっくりと下がって(または伸びて)くる状態です。

この写真は抜歯される前の状態。
左下に注目です。
この後、左上の咬んでいる歯が保存困難となり、抜歯となりました。
しかし欠損後そのままにしておくと

このように下の歯が上に向かって大きく挺出してきました。
挺出というのは歯が伸びることではなく、歯が移動により飛び出てくるということなので、このままいくと自然に抜け落ちてしまいます。
今回も挺出した歯に大きな動揺が出現したため抜歯となりました。

今回は挺出により抜歯となったわけですが、この挺出が進むと、次のような問題が起こります。
* 噛み合わせがずれて顎関節に負担がかかる
* かみ合わせが高低差になり、歯ブラシが当たりにくく虫歯や歯周病リスクが上がる
* 将来的に入れ歯やインプラントを入れるスペースがなくなる
とくに、時間が経つほど戻すことが難しくなります。
インプラントやブリッジを検討しても、
「まず挺出した歯を削って高さを調整しなければならない」
といった二次的な治療が必要になるケースも少なくありません。

欠損は放置しないがいちばんの予防

歯を失った場合は、
「見た目」や「食べにくさ」だけでなく、全体のバランスに影響が出ます。
そのため、
* インプラント
* ブリッジ
* 入れ歯(部分義歯)
などの欠損補綴をできるだけ早く行うことが大切です。

まとめ

歯は一本単位で存在しているように見えて、
実は全体で噛み合わせというチームを作っているもの。
一つのポジションが欠けると、
他の歯が無意識にフォローしようとして動いてしまう。
まるで野球チームで一人欠けたポジションを他の選手が無理にカバーするようなものです。
お口の中でも「チームバランス」を保つために、
歯を失った際は早めのご相談をおすすめします。

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抜歯後の痛み、どこまでが「普通」? 〜NRSで見る“回復の目安”と“気をつけたいサイン”〜

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

親知らずや歯の抜歯後、
「3日経っても痛い」「薬を飲んでも効かない気がする」
そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、抜歯後の痛みには「自然な経過」と「注意が必要な痛み」の2種類があります。
今日は、医療の現場でも使われているNRS(数値的疼痛評価:Numeric Rating Scale)を使って、
抜歯後の痛みの変化を7日間の日誌形式でご紹介します。

NRSとは?

痛みを0〜10の数値で表すスケールです。
「今の痛みは10段階でどのくらい?」と聞かれたことがある方もいるかもしれませんね。
数値 痛みの目安
0 痛みなし
1〜3 軽い(気になる程度)
4〜6 中くらい(我慢はできるがつらい)
7〜10 強い痛み(鎮痛薬が必要・生活に支障)

【Day 0:抜歯当日】

NRS:4〜5(自然な反応)
麻酔が切れるころにズーンとした痛みが出てきます。
この時期の痛みは「治るためのサイン」です。
ポイント
* 強いうがい・喫煙・飲酒は控えましょう。
* しっかり血が溜まることでかさぶた(血餅)ができます。

【Day 1〜2:炎症のピーク】

NRS:3〜5(自然)
腫れや開けづらさが出てくる時期です。
冷やしすぎず、できるだけ安静に。
ポイント
* 冷やすのは20分を目安に。
* 柔らかい食事を反対側で。
* 歯磨きは避けず、やさしく清掃を。

【Day 3〜4:痛みが落ち着いてくるはずの時期】

通常経過:NRS 2〜3(軽い違和感)
注意ライン:NRS 3以上に再上昇した場合
「少し痛みが戻ってきたかも?」という場合は、ドライソケットの始まりかもしれません。
これは、抜歯後にできる血のフタ(血餅)が取れて、骨がむき出しになる状態です。
注意すべきサイン
* 鎮痛薬が効かない
* 痛みが耳やこめかみに広がる
* 傷口に黒い膜・白い骨が見える
このような場合は、無理せず早めに歯科医院へ。

【Day 5〜7:通常なら落ち着く時期】

通常経過:NRS 1〜2(違和感程度)
異常ライン:NRS 4以上(ドライソケットの可能性)
多くの方はこの頃には落ち着いてきます。
それでも痛みが続いたり、悪臭や味の変化を感じたら、
傷口がうまく治っていないサインです。
ポイント
* 「まだ痛い」は治っていないではなく、治りが止まっている可能性。
* 適切な処置で1〜2週間で改善します。

NRSで見る回復チェック表

日数 正常経過 注意ライン コメント
Day0 NRS4〜5 NRS7以上 麻酔後に激痛は異常
Day1〜2 NRS3〜5 NRS6以上 鎮痛薬が効かない場合は注意
Day3〜4 NRS2〜3 NRS3以上 再上昇したら要注意
Day5〜7 NRS1〜2 NRS4以上 長引く痛みはドライソケット疑い

まとめ:数字で見る安心ライン

抜歯後の痛みは、時間とともにゆっくりと落ち着いていくのが自然な経過です。
ただし、「一度下がった痛みがまた強くなった」場合は、
治りの流れが逆行しているサイン。
我慢せず、NRS3を超えたら早めにご相談ください。
小嶋デンタルクリニックでは、
抜歯後の経過観察やドライソケット予防にも力を入れています。
痛みを我慢するより、数値で見る安心を。
どうぞお気軽にご相談ください。

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抜歯のあと、出血はいつまで続くの?

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「歯を抜いたあと、なかなか血が止まらない」
「唾に血が混じるけど大丈夫?」
そんなご質問をよくいただきます。

抜歯後に血が混じるのは自然なことです

抜歯後の穴には「血餅(けっぺい)」という血のかたまりができます。
これはかさぶたのようなもので、傷を守り、治りを助けるとても大切なものです。
ただし、口の中は常に湿っているため、
完全に止血していても数日は唾液に少し血が混ざることがあります。
鉄のような味がすることもありますが、これは異常ではありません。

出血の長さには個人差があります

出血の程度や続く期間は、人によって異なります。
たとえば以下のような要因があります。
* 抜歯の難易度(歯ぐきの深さや炎症の有無)
* 年齢や体質
* 高血圧や糖尿病などの持病
* 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)の服用
* 喫煙・飲酒の習慣
一般的には、1〜2日は少量の出血が見られることが多く、
3日ほどで落ち着くケースがほとんどです。

「ドクドク出る」ようなら注意が必要

次のような場合は、異常出血の可能性があります。
* 拍動に合わせてドクドクと血が出る
* ガーゼを当てても10分以上止まらない
* 口の中が血でいっぱいになる
このような時は、清潔なガーゼを軽く噛んで10〜15分圧迫止血してください。
それでも止まらない場合は、すぐに歯科医院へご連絡ください。

出血を早く落ち着かせるために気をつけること

* 強いうがいは控える(血餅が取れてしまうため)
* 熱いお風呂や激しい運動、飲酒は避ける
* ストローで吸う行為はしない
* 喫煙は24時間以上控える
これらを守ることで、血餅がしっかり定着し、治りが早くなります。

まとめ

抜歯後の出血は、ほとんどの場合自然な治りの過程です。
ただし、出血が多い・長引く・脈打つように出る場合は、
早めに受診することが大切です。
小嶋デンタルクリニックでは、
抜歯後の出血や痛みなど、治癒の経過についても丁寧にサポートしています。
不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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