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上顎洞に「丸い影」?典型的な粘液貯留嚢胞について

2025/11/21

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

今日は久しぶりに来院された患者さんの定期検診。
パノラマレントゲンを撮影したところ、左側の上顎洞内にドーム状の不透過像が映り込みました。

患者さん自身はとてもお元気で、
「特に症状はありません。鼻詰まりが少しあるくらいです」
とのこと。
レントゲン像の形、境界、位置関係から判断し、今回の所見は 典型的な 上顎洞粘液貯留嚢胞(Retention Cyst) と診断しました。

■ 上顎洞粘液貯留嚢胞とは?

上顎洞の粘膜の一部が腫れて、
丸くふくらんだ風船のように見える嚢胞のことです。
* 原因の多くは、粘液腺の出口が一時的につまること
* 虫歯や親知らず、根尖病変とは無関係
* 腫瘍ではなく、悪性化のリスクも極めて低い
* 自然に小さくなったり消えることもある良性病変
レントゲンやCTで偶然見つかることが最も多く、
自覚症状がほとんどない のが特徴です。
鼻づまり・季節性アレルギーなどの影響で出現することもあります。

■ 今回の治療方針:経過観察で問題なし

嚢胞の大きさや形態から、
治療介入の必要性はなし と判断しました。
* 痛みなし
* 膿や炎症所見なし
* 歯根との関連なし
* 上顎洞炎の兆候なし
このような場合は、
定期検診でのモニタリングが最適な治療 になります。
上顎洞粘液貯留嚢胞は、一般的に予後が良く、
耳鼻科での処置が必要になるケースもごく稀です。

■ 放置して大丈夫?よくある質問

Q. 自然に治る?
→ はい。自然消失することも多く、そのまま経過観察で問題ありません。
Q. 歯の治療に影響はある?
→ ありません。虫歯・根尖病変・親知らずとは関連のない病変です。
Q. 鼻詰まりとの関係は?
→ アレルギー性鼻炎や副鼻腔粘膜のむくみが背景にあることがあります。
 気になる場合は耳鼻科と連携して診ることも可能です。

■ まとめ

久しぶりの検診で偶然見つかった 上顎洞粘液貯留嚢胞。
良性で経過良好な病変のため、今回の治療は介入なし、経過観察となりました。
レントゲンは、こうした「自覚症状のない変化」を見つけるためにも大切な検査です。
今後も定期的に経過を追いながら、安心して通っていただければと思います。


コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員