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下口唇の粘液嚢胞は摘出が必要?経過観察でよいケースと判断の目安

2026/02/06

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

下口唇の内側に、
「ぷくっとした膨らみができた」
「噛んだ覚えはないけど、なかなか治らない」
このようなご相談で来院される方がいます。
その多くが 粘液嚢胞と呼ばれる病変です。

粘液嚢胞とは?

粘液嚢胞は、唾液腺(主に小唾液腺)から分泌される唾液が、うまく排出されず周囲に漏れ出すことで生じる嚢胞性の病変です。
特に 下口唇 に多くみられます。
見た目の特徴としては
* 透明感〜やや青みを帯びた膨らみ
* 痛みはほとんどない
* 大きさが変動することがある
といった点が挙げられます。

原因は「無意識の刺激」が多い

はっきりとした原因が分からないケースもありますが、臨床的には以下が関与していることが多いです。
* 食事中や会話中の 軽い咬傷
* 無意識の 唇を噛む癖
* 歯並びや被せ物の形態による慢性的な刺激
一度できると、
「潰れたように小さくなる → また膨らむ」
を繰り返すことも珍しくありません。

経過観察でよいケース

すべての粘液嚢胞が、すぐに摘出対象になるわけではありません。
以下のような場合は、まず経過観察を選択することがあります。
* 出現して間もない
* サイズが小さい
* 生活上ほとんど支障がない
* 自然に縮小する傾向がみられる
特に、刺激が原因と考えられる場合は、
「噛まない」「触らない」だけで消失することもあります。

摘出を検討するライン

一方で、次のような場合は 外科的摘出を検討します。
* 数週間〜数か月経過しても改善しない
* 繰り返し同じ場所にできる
* 食事や会話で邪魔になる
* 大きさが徐々に増している
ここで重要なのは、
嚢胞だけでなく原因となっている唾液腺組織も含めて摘出することです。
表面だけを処理すると、再発する可能性が高くなります。

摘出のタイミングについて

粘液嚢胞は
「しぼんでいる時」よりも
ある程度膨らみが確認できるタイミングで摘出する方が、
病変の境界が分かりやすく、取り残しのリスクを下げられます。
一方で、強い炎症や自壊直後の場合は、
少し落ち着いてから行う方が安全なケースもあります。
そのため、状態を見極めたうえでタイミングを判断することが重要です。

外科的摘出後の注意事項

摘出は比較的侵襲の小さい処置ですが、術後にはいくつか注意点があります。
* 当日は強く触らない
* 刺激の強い食事(熱い・辛いもの)は控える
* 数日は軽い腫れや違和感が出ることがある
* 指示がある場合は縫合部を清潔に保つ
多くの場合、日常生活に大きな制限はありません。

最後に

下口唇の粘液嚢胞は、良性の病変であることがほとんどです。
ただし、
「様子を見てよいもの」と
「処置した方がよいもの」
の境界は、自己判断が難しいのも事実です。
気になる膨らみが続く場合は、
一度状態を確認し、
経過観察か摘出かを整理することが安心につながります。
小さな違和感でも、お気軽にご相談ください。


コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

→ https://ameblo.jp/kojima-dental
インプラント専門サイトはこちら
→ https://ryu-implant.net

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員