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口の中にぷくっとした膨らみ…それ、口唇粘液嚢胞(こうしんねんえきのうほう)かもしれません

2026/01/07

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「下唇の内側に、透明っぽい膨らみができた」
「痛くはないけど、気づいたら大きくなったり小さくなったりする」
「何か悪い病気では…?」
このような症状で来院される方が時々いらっしゃいます。
今回ご紹介するのは、比較的よくみられる口唇粘液嚢胞(こうしんねんえきのうほう)についてです。
結論から言うと、口唇粘液嚢胞は多くの場合悪いもの(がん等)ではありません。
ただし、繰り返す場合や長く残る場合には、適切な診断と治療が必要になります。

口唇粘液嚢胞とは?

口唇粘液嚢胞は、唾液腺(小唾液腺)から出る唾液が、周囲の組織に漏れ出して溜まってしまうことでできる、袋状のふくらみです。
特に多いのは下唇の内側で、見た目は以下のような特徴があります。
* 下唇の内側にできやすい
* 透明〜青っぽい、または粘膜色の“ぷくっとした膨らみ”
* 痛みは少ないことが多い
* 大きくなったり、小さくなったりを繰り返すことがある
* 食事や会話で邪魔になる、噛んでしまうことがある

発生の仕組み(発生機序):なぜできるの?

口唇粘液嚢胞のきっかけで多いのが、「噛んでしまう」「ぶつける」などの軽い外傷です。
口唇の内側には小さな唾液腺が多数あり、そこから唾液が分泌されています。
ところが、
* 口唇を噛む癖
* 食事中に噛んだ
* スポーツや転倒などでぶつけた
* 歯の尖りや詰め物の形態で擦れる
などを契機に、唾液の通り道(導管)が傷つくと、唾液がうまく排出されずに漏れ出し、粘液(唾液)がたまって膨らみとして現れます。
ここがポイントで、
腫瘍というより唾液の漏れがつくる袋に近いイメージです。

悪いものではない?がんとの違いは?

口唇粘液嚢胞は、典型的な経過・見た目であれば多くの場合良性です。
ただし、口の中のふくらみには他にも原因があるため、次のような場合は診察をおすすめします。
受診の目安:
* 2週間以上変化がない、または徐々に大きくなる
* しこりのように硬い
* 潰瘍(ただれ)が続く、出血しやすい
* 強い痛みがある
* 下唇以外(舌・口底・頬など)にできた
* 何度も繰り返して生活の邪魔になる
「悪いものではないことが多い」からこそ、
安心の根拠を取るために一度診断するのが合理的です。

自然に治ることはある?

小さな粘液嚢胞は、自然に破れて内容物が出て、一時的にしぼむことがあります。
ただし、原因となっている導管の障害が残っていると、また溜まって再発します。
よくあるパターンは、
* ぷくっと膨らむ
* 気づくと小さくなる(破れた)
* しばらくしてまた膨らむ
という繰り返しです。
この反復が続く場合、自然治癒だけに頼ると長引くことがあります。

治療の考え方:繰り返す場合は「摘出」が基本

症状の程度や頻度にもよりますが、繰り返す粘液嚢胞の標準的な対応は以下です。
1)経過観察(小さく症状が軽い場合)
* 刺激(噛む癖、尖った歯の当たり)を減らす
* 自然に落ち着くか様子を見る
* 必要があれば形態修正や保護も検討
2)外科的摘出(再発を繰り返す/大きい/気になる場合)
再発を繰り返す場合は、嚢胞だけでなく、原因となっている周囲の小唾液腺も含めて摘出することで再発率を下げます。
局所麻酔で行うことが多く、日帰りで対応可能です。

自分で潰してもいい?

結論としては、おすすめしません。
一時的に小さくなることはありますが、
* 傷が大きくなりやすい
* 感染のリスク
* 瘢痕(きずあと)が残る
* かえって再発を助長する可能性
があるためです。
勝手に治ったように見えることがある疾患ほど、自己処置でこじらせやすいのが現実です。

まとめ:多くは良性、でも「繰り返すなら相談」が正解

口唇粘液嚢胞は多くの場合、悪い病気ではありません。
ただし、
* 繰り返す
* 大きくなって邪魔
* 長く残る
* 診断がはっきりしない
こういった場合は、適切に診断し、必要なら摘出という選択が、結果的に早く安心につながります。
「これって大丈夫?」の段階で構いません。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。


コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員