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奥歯の高さが守るもの ─ 前歯の美しさは奥歯から生まれる

2025/11/26

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「最近、上の前歯が少し前に出てきた感じがする。補綴で整えたい」
というご相談をいただきました。
鏡を見たとき、たった数ミリの“ズレ”でも気になるのが前歯。
ただ、その原因を読み解いていくと──
前歯そのものではなく、奥歯側に問題が潜んでいることがあります。

■ 前歯がズレてきた本当の理由

精査すると、今回のケースでは
奥歯が複数欠損している状態が判明しました。
奥歯には、咬合(噛み合わせ)における
**“垂直的なストッパー”**という重大な役割があります。
このストッパーが失われるとどうなるか。
* 噛む力が前歯に流れ込む
* 垂直方向の力に弱い前歯が負ける
* 前歯が傾く・ズレる・浮き上がる
* 見た目の変化だけでなく、歯周組織にも負担が増大
つまり、
前歯が動いたのは「前歯のせい」ではなく「奥歯の不在」による連鎖です。

■ 前歯だけ治しても、また数ヶ月でズレてくる

前歯の補綴をやり直せば、一時的には美しく整います。
しかし、奥歯の高さが補われないままでは──
また数ヶ月で同じズレが再現されます。
これは前歯の補綴の上手・下手の話ではなく、
噛み合わせの構造上、避けられない現象です。
美容のために前歯を治したはずなのに、
土台(奥歯)の不備によって美しさがもたない。
とてももったいないことです。

■ 長期的に前歯の美しさを守るために

まず整えるべきは「奥歯の高さ」
患者さんにもお伝えしたのは、次の一点です。
“前歯の治療より先に、奥歯のストッパーを回復させましょう。”
奥歯に高さが戻れば、
前歯に余計な負担がかからなくなり、
補綴後の前歯が長く安定してくれます。
咬合はドミノのように全体がつながっていて、
前歯は奥歯の健康の上にこそ、美しく立つことができます。

■ 奥歯は「噛むための歯」ではなく「歯並びを守る要」の歯

奥歯の欠損補綴は、
単に噛めるようにするだけではありません。
* 顔貌の変化を防ぐ
* 前歯の審美を保つ
* 顎関節への負担軽減
* 将来の歯の移動や咬耗の予防
* 全体の噛み合わせを守る
歯科医の視点から見ると、
**奥歯を失った状態は“建物の柱を抜いた状態”**と同じです。
だからこそ、
奥歯の欠損補綴は必ず行うべき治療のひとつです。

■ まとめ

前歯は顔の印象をつくる大切なパーツ。
でもその美しさは、
見えない奥歯が支えています。
奥歯の高さが整えば、
前歯は自然とそこに“いるべき場所”に落ち着き、
長く美しい状態を保つことができます。
もし
「前歯だけがズレてきた気がする」
「何となく噛み合わせが変わった」
と感じている方は、
まず奥歯の状態を確認することをおすすめします。
小嶋デンタルクリニックでは、
全体のバランスを見ながら最適な補綴計画をご提案しています。
お気軽にご相談ください。


コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

→ https://ameblo.jp/kojima-dental
インプラント専門サイトはこちら
→ https://ryu-implant.net

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員