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歯を失ったまま放置するとどうなる?
――「歯の挺出」にご注意を

2025/10/22

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

抜歯をしたあと、
「とりあえず痛くないからこのままでいいや」と思っていませんか?
実は、歯を失ったまま長期間放置してしまうと、
お口の中では静かに“歯の移動”が起きていきます。
特に多いのが「挺出(ていしゅつ)」と呼ばれる現象。
欠損した部分とかみ合っていた反対側の歯が、ゆっくりと下がって(または伸びて)くる状態です。

この写真は抜歯される前の状態。
左下に注目です。
この後、左上の咬んでいる歯が保存困難となり、抜歯となりました。
しかし欠損後そのままにしておくと

このように下の歯が上に向かって大きく挺出してきました。
挺出というのは歯が伸びることではなく、歯が移動により飛び出てくるということなので、このままいくと自然に抜け落ちてしまいます。
今回も挺出した歯に大きな動揺が出現したため抜歯となりました。

今回は挺出により抜歯となったわけですが、この挺出が進むと、次のような問題が起こります。
* 噛み合わせがずれて顎関節に負担がかかる
* かみ合わせが高低差になり、歯ブラシが当たりにくく虫歯や歯周病リスクが上がる
* 将来的に入れ歯やインプラントを入れるスペースがなくなる
とくに、時間が経つほど戻すことが難しくなります。
インプラントやブリッジを検討しても、
「まず挺出した歯を削って高さを調整しなければならない」
といった二次的な治療が必要になるケースも少なくありません。

欠損は放置しないがいちばんの予防

歯を失った場合は、
「見た目」や「食べにくさ」だけでなく、全体のバランスに影響が出ます。
そのため、
* インプラント
* ブリッジ
* 入れ歯(部分義歯)
などの欠損補綴をできるだけ早く行うことが大切です。

まとめ

歯は一本単位で存在しているように見えて、
実は全体で噛み合わせというチームを作っているもの。
一つのポジションが欠けると、
他の歯が無意識にフォローしようとして動いてしまう。
まるで野球チームで一人欠けたポジションを他の選手が無理にカバーするようなものです。
お口の中でも「チームバランス」を保つために、
歯を失った際は早めのご相談をおすすめします。

コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

→ https://ameblo.jp/kojima-dental
インプラント専門サイトはこちら
→ https://ryu-implant.net

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員