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フィステルとは?放置しても大丈夫?できる原因と対処法

2024/07/30

フィステルとは、歯や歯周組織に感染が広がり、膿が排出される通り道が形成される状態です。症状が出て不快感などを感じる時には、できるだけ早期の対応をおすすめします。

症状が出る原因はさまざまで、虫歯や歯周病、外傷など多くの要素があり、口腔内の健康を守ることが予防につながります。

また、放置すると意外な悪影響が出ることがあり、やはり予防や早期対応は欠かせないでしょう。そのためには、フィステルの基本的な特徴や対処法を知っておくと役立ちます。

この記事では、フィステルの概要や治療法、効果的な予防法などについて詳しく紹介します。

フィステルとは?

フィステル

フィステルとは、歯や歯周組織に感染が広がり、膿が排出される通り道が形成されてできた膿の袋です。「瘻孔」「内歯瘻」「サイナストラクト」と呼ばれることもあります。

主に以下のような症状です。

  • 歯根の先端や歯茎に小さな膿の袋ができる
  • 虫歯や歯周病が進行すると出やすい
  • 虫歯や歯周病などの原因を治療しなければ再発しやすい
  • 抵抗力が落ちていると痛みを感じることもある

フィステルは口内炎に似た見た目をしていますが、口内炎のように自然治癒することはありません。放置するとさらに深刻な状態になってしまう可能性があります。

そのため、フィステルができた場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診して、適切な治療を受けたほうがよいでしょう。

フィステルができる原因

フィステル

フィステルができる原因は複数あり、虫歯の進行、歯周病由来などさまざまです。ここでは、フィステルができる代表的な6つの原因について紹介します。

虫歯の進行

虫歯が進行して歯の根元や歯ぐきにまで感染が広がり、膿が発生することによってフィステルが現れます。

虫歯は歯の表面から内部にかけて進行し、治療しないまま放置すると最終的には歯の神経や歯根に達します。その過程で歯のエナメル質や象牙質が破壊され、細菌が歯の内部に侵入します。

細菌が発生すると膿ができてしまい、それが溜まった袋がフィステルになるということです。

「虫歯なら多少放っておいても大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、進行するとこのようなトラブルが起きてしまいます。

進行した虫歯は治療に時間がかかることも少なくないため、気づいたら早めに治療を始めましょう。また、日頃からの虫歯予防も大切です。

歯周病由来

歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に深いポケットができ、そこに細菌が繁殖して膿が溜まります。多くの場合は歯周ポケットの隙間から膿が出てきますが、歯周ポケットが閉じている場合はフィステルが形成されることがあります。

歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨などの周囲組織が細菌感染により炎症を起こす病気です。進行すると歯ぐきが腫れ、出血しやすくなり、歯がぐらぐらすることもあります。

最悪の場合は歯を失うこともあるため、気づいたら早めの治療することや、日頃から予防することなどを心がけてみてください。

歯周病の予防と治療には、正しいブラッシングや歯科医院での定期的なクリーニングが効果的です。

定期検診などで予防法についてアドバイスを受けることも、予防効果を高めるでしょう。

小嶋デンタルクリニックでも歯周病予防や口腔内の清潔を守るためのアドバイスをしております。お気軽にご相談ください。

→小嶋デンタルクリニックの歯周病治療はこちら

虫歯の根管治療が不足していた

虫歯の根管治療が不十分である場合も歯の根元や歯ぐきに膿が溜まり、フィステルができる原因になります。

根管治療とは、虫歯が歯の神経にまで達した場合に行われる治療法です。

歯の内部にある神経や血管を除去し、内部を清掃して消毒することで感染の拡大を防ぐのですが、治療が不十分だと歯の内部に細菌が残り、再び感染を引き起こす可能性があります。

その結果、歯の根元や歯ぐきに膿が溜まってしまうのです。

歯ぎしり・食いしばりなどによる歯根破折

歯ぎしりや食いしばりによって、歯に過度な負担をかけることもフィステルの原因です。

歯ぎしりや食いしばりは、歯の表面や歯根に小さなヒビや割れなどを引き起こすことがあります。そのヒビや割れから歯の内部に細菌が侵入し、感染が広がってしまうのです。

歯根が割れてしまうと、歯の根元や歯ぐきに膿が溜まり、フィステルが形成されやすくなります。

歯ぎしりや食いしばりは無意識であることも多く、対策としてはナイトガードの使用やストレス管理が効果的です。

特にナイトガードは、歯科医院で作成し、歯科医師の指導を受けながら利用できるため、歯ぎしりや食いしばりの悩みを改善したい患者さんにはおすすめでの選択肢です。

事故・転倒などによる外傷

事故や転倒による外傷も、フィステルの原因です。外傷によって神経が死んでしまうと、フィステルが形成されることがあります。

歯が折れたり、歯茎が裂けたりした場合は、歯や歯周組織に感染が広がりやすくなっている状態です。速やかに歯科医を受診し、適切な処置を受けてみてください。

事故や転倒のほか、スポーツで外傷を負う可能性がある患者さんは、スポーツ中でも邪魔にならないスポーツ用マウスピースの装着などもおすすめです。

例えばラグビーやサッカーなどでは、プロの選手もマウスピースを使用していることが少なくありません。

フィステル予防だけではなく、身体の安全を守るためにも、必要な場合はぜひ検討してみてください。

フィステルの放置で生まれる悪影響

フィステル

フィステルは放置していても自然に治癒することはありません。むしろ、放置することによって悪化する可能性もあります。

ここでは、フィステルを放置するとどのような悪影響が出るかについて紹介します。

再発を繰り返す可能性がある

フィステルを放置すると、再発を繰り返す可能性があります。フィステルを潰すことなどで膿の袋が消え、見た目は治ったと思うかもしれませんが、実際は多くが以下のような状態です。

  • 感染が完全に取り除かれていない
  • そのため膿が再び溜まり、再発する

再発を防ぐためには、早期に適切な治療を受ける必要があります。治療を受けないまま放置していると、慢性的な感染状態が続き、口腔内の健康がさらに悪化する恐れもあるためです。

フィステルに気づいたら早めに歯科医院へ行き、適切な治療で完治させましょう。

周囲の骨や組織がダメージを受ける

フィステルを放置すると、膿が周囲の骨や組織に広がり、ダメージを与えてしまいます。そのダメージによって以下のような状態になるケースもあるため、注意が必要です。

  • 歯を支える骨が徐々に破壊され、歯が安定しなくなる
  • 歯ぐきなどの口腔内組織が炎症を起こし、痛みや腫れを感じる

このような状態が続くと、日常生活に支障をきたしやすくなります。やはりフィステルは放置せず、早めに治療しましょう。

歯を喪失する可能性がある

フィステルを治療せずに放置した場合、歯を喪失する可能性もあります。感染が歯の根元や歯周組織に広がり、歯を支える骨が破壊されると、歯が抜け落ちてしまうこともあるためです。

歯を失えば噛む機能や発音に影響が出るだけでなく、見た目にも影響を及ぼし、自信を失う原因になりかねません。

そのようなことにならないよう、歯の喪失を防ぐためには、フィステルの早期発見と治療が不可欠です。

フィステルの治療法は?

フィステル

歯科医院で適切な治療を受ければ、フィステルはしっかり治せる症状です。ここでは、フィステルの治療法について紹介します。

根管治療

根管治療は、虫歯が進行して歯の神経にまで達した場合に行われる治療法です。根管治療が適切に行われれば、フィステルの原因となる感染を根本的に取り除けるでしょう。

根管治療は以下の流れになります。

  • 歯の内部にある神経や血管を取り除く
  • 内部を清掃して消毒し、感染の拡大を防ぐ

この治療法は決して簡単ではなく、時間もかかります。できれば根管治療をしなくてもいいように、フィステルを放置せず、日頃から歯を大切にして生活しましょう。

歯根端切除

歯根端切除は、根管治療では解決できない場合に行われる外科的処置です。以下のような手順で行われます。

  • 感染が広がっている歯の根の先端部分を切除する
  • 切断面に充填剤を詰めて再感染を防止する

根管治療と同様に技術も時間も必要な治療になるため、この治療を受けるよりは、フィステルを早めに治療しておくことをおすすめします。

抜歯

フィステルが発生している歯が保存不可能な場合や、感染が広範囲に及んでいる場合には、抜歯が選択されることもあります。

抜歯後にインプラントやブリッジなどの治療をすることも可能なため、歯が抜けた状態を避けたい患者さんは、抜歯後の治療についても相談してみてください。

歯周病の治療

歯周病が原因でフィステルが発生している場合、歯周病の治療が必要です。歯周病治療は以下の流れで行われます。

  • 歯石の除去
  • 深い歯周ポケットの清掃

歯周病由来でフィステルができている状態は、まだ骨や神経などに悪影響がでていることが少ないのですが、放置していてはいつまでもフィステルが治りません。

歯周病もフィステルと同様、可能な限り早めに治療したほうがよい症状です。悪化すれば歯を失ったり、認知症の発症確率を上げる原因になったりするため、しっかりと治療していきましょう。

【注意】フィステルは潰さないで!

フィステルを発見した場合、自己判断で潰さないようにしましょう。潰すことによって感染がさらに広がる可能性があるためです。

また、潰して膿が出たからと言っても根本的な原因は解決されておらず、再発を繰り返すことになります。

フィステルを発見したら、適切な治療を受けることが最善の対策です。

フィステルの効果的な予防法

フィステル

フィステルは口腔内のトラブルが原因で発生することが多い症状です。予防するためには口腔内の清潔維持や定期検診などが効果的です。

ここでは、フィステルの効果的な予防法について紹介します。

口腔内の清潔維持

口腔内の清潔維持は、虫歯や歯周病の発生を防ぎ、フィステルの原因となる細菌の繁殖を抑える効果があります。以下のようなことを心がけましょう。

  • 食後は必ず歯磨きをする
  • フロスや歯間ブラシで歯と歯の間もきれいにする
  • 殺菌作用のあるマウスウオッシュなども活用する

食後に歯磨きをする時間がない時などもあるかもしれませんが、そのような場合はうがいだけでもするようにしてみてください。

歯科医院での定期検診

歯科医院での定期検診は、虫歯や歯周病を初期段階で発見し、早期治療につながるため、フィステルの発生を抑えます。

また、歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングが受けられるため、セルフケアでは行き届かない部分の汚れもきれいに取り除けるでしょう。

免疫力や抵抗力の向上

フィステルは免疫力や抵抗力が落ちると大きくなることがあるため、免疫力や抵抗力の向上を試みることも効果的です。以下のような方法で高めていきましょう。

  • 栄養バランスの取れた食事
  • 十分な睡眠
  • 適度な運動が重要です
  • ストレス管理

このように健康的な生活習慣を心がけることで、免疫力や抵抗力を強化し、感染症に対する防御力を高めやすくなります。

まとめ

フィステルは、虫歯や歯周病、外傷などが原因で発生し、放置すると再発や深刻なトラブルを引き起こす可能性がある症状です。

早期発見と適切な治療が重要になり、そのためには定期的な歯科検診や口腔内の清潔維持が役立ちます。また、免疫力の向上や生活習慣の改善も効果的です。

悪化すると根管治療や歯根端切除、抜歯など、負担の大きな治療が必要になる可能性もあるため、発見したら放置せず、早めに治療を始めましょう。

小嶋デンタルクリニックでは、フィステルの治療や、その原因である虫歯や歯周病などの治療・予防にも力を入れています。フィステルでお悩みの患者さんはぜひお早めにご相談ください。

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員