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テトラサイクリン歯:特徴、治療法

2023/11/04

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 
テトラサイクリン歯(Tetracycline teeth)は、過去にテトラサイクリンという抗生物質を投与されたことにより、歯の発育に影響を及ぼし、特有の特徴を示す歯の状態を指します。
 
この歯の形成期である0-12歳頃に、こお抗生剤を服用することにより副作用として歯の変色が起きます。
 
現在は、小児期のテトラサイクリン系抗生剤の使用は原則禁忌とされていますが、抗生剤の種類が少なかった昔はこの抗生剤を服用していた時期がありました。
 
日本では昭和40年代に多量に使われていたとされており、この年代の方でテトラサイクリンで変色した歯が多く見られる傾向があります。
 
テトラサイクリン歯の特徴として
 
1. 変色: テトラサイクリンを使用することで、永久歯のエナメル質に変色が生じることがあります。変色の程度は、テトラサイクリンの使用期間や濃度、個人差に依存します。歯が灰色や褐色に変色することが一般的です。
2. ストライプ状の変色: テトラサイクリン歯では、歯の表面にストライプ状の変色が見られることがあります。これは歯の成長と発育において、異常な変化が生じた結果とされています。
3. 歯の透明度: テトラサイクリン歯の歯のエナメル質は通常よりも透明度が高く、他の歯の部分よりも薄く見えることがあります。
4. 噛むと欠けやすい: テトラサイクリン歯の歯は通常の歯よりも脆く、噛むと欠けやすいことがあります。
5. 影響を受ける歯: テトラサイクリン歯は通常、永久歯(成人歯)に影響を及ぼします。乳歯には影響を及ぼさないことが多いです。
 
審美的な改善を求めなくても機能的には歯として機能できるためしっかりと虫歯にならないように予防していけば全く問題ありませんが、やはり審美的に気になる場合が多いです。
 
テトラサイクリンの変色歯分類というものがあり、それによると第一度から第四度まで分けられます。
 
四度に上がるにつれて変色が強くなります。
 
治療法としては
 
– ・ホワイトニング
– ・ラミネートベニア
– ・クラウン
 
となります。
 
ただホワイトニングでの改善が変色歯分類において第一度かそれより軽度のケースに限られ、それ以上の場合の改善がかなり難しい傾向にあります。
 
ラミネートベニアなどの場合、形成量をある程度増やしてセラミックの厚みを確保しなければセラミックの材質の特徴である「透過性」の影響により内面の歯の色が透けて黒く見えてしまうこともあります。
 
テトラサイクリン歯は、表面でだけでなく、象牙質から変色しているため削っても削っても中は黒くなっていることがほとんどです。
 
そのため遮光性を高くしなければいけません。
 
今回テトラサイクリン歯のラミネートベニアを行ったけれど遮光性が低く透けてしまったため再製へ。
 
e-maxなどの素材は非常に透過性が高く自然な形となりますが、テトラサイクリンの場合は自然な出来上がりは得てして改善につながらないことも。。
 
装着した状態での口腔内写真を行い、技工部門へ送りました。
 
遮光性を高くすれば、不自然な白さになるので難しいところです。今回色が透けてきた部分のみ少し色の変更を行っていければベストです。
 

 
 
 

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