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インプラントの寿命は何年?長く使うために知っておくべきポイント
2025/09/24

インプラントは天然の歯に近い機能と見た目を取り戻せる治療法ですが、永遠に使い続けられるわけではありません。適切なメンテナンスを行わなければ、予想よりも早く寿命を迎えてしまう可能性があります。
一方、きちんとしたメンテナンスを続けていれば、想定以上に長く使えるケースも少なくありません。長く使い続けるためには、メンテナンス方法や劣化が考えられる際の対応方法などについて知っておくと役立つでしょう。
この記事では、インプラントの平均寿命やブリッジ・入れ歯との違い、寿命に影響を及ぼす原因、劣化のサインとその対応方法などについて紹介します。インプラントを長く快適に使い続けたい方は、ぜひ参考になさってください。
インプラントの平均寿命とほかの治療との違い

インプラントは適切なメンテナンスをすれば、自分の歯のように長期間使える治療法です。ここではインプラントの平均寿命や、ブリッジ・入れ歯などほかの治療との違いについて紹介します。
インプラントの平均寿命は何年?
インプラントの平均寿命は、一般的に10年から15年とされていますが、条件が良い場合には20年以上使用できるケースもあり、長期的な耐久性に優れた治療法だといえるでしょう。
実際に、10年後の残存率が90%以上、20年後でも80%前後というデータが報告されています。このような数字は、ほかの補綴治療(ブリッジ、入れ歯など)と比較しても高水準です。ただし、これはあくまで適切なメンテナンスが行われていることを前提として考えなくてはいけません。
日々のメンテナンスが足りていない場合、平均寿命より短い段階で使えなくなってしまう恐れもあります。インプラント手術の際、歯科医師からメンテナンス方法について指導が行われるため、ぜひ毎日の中で実践し、インプラントの寿命を延ばしましょう。
ブリッジや入れ歯と比べた寿命の差
インプラントは、ブリッジや入れ歯などのほかの治療法と比べても耐久性に優れています。ブリッジの寿命は通常6~8年、入れ歯は5年程度とされており、インプラントの平均寿命10年以上と比べると長期的な安定性に違いが見られます。
ブリッジは支えとなる健康な歯を削る必要があるため、周囲の歯に負担がかかりやすいというデメリットがあります。入れ歯の場合も、装着時の違和感やずれが生じやすく、自然な使い心地を求めている場合には不満を感じやすいです。
その点、インプラントは単独で固定されるため、周囲の歯に負担をかけず、より自然な噛み心地を保ちやすい点が大きな利点といえるでしょう。
インプラントの寿命に影響する主な原因

インプラントは長期間の使用が期待できる治療法ですが、いくつかの要因が寿命を短くする可能性があります。ここでは、インプラントの寿命に悪影響を及ぼす代表的な原因を取り上げ、注意点や対策について紹介します。
インプラント周囲炎のリスクと影響
インプラントの寿命を縮める原因のひとつがインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は歯周病に似た症状で、歯茎の炎症から始まり、進行すると顎の骨にまで影響を及ぼします。
進行するとインプラントが支えを失って脱落する恐れもあるため、違和感を感じた際にはすぐに歯科医院で診察と治療を受けるようにしましょう。ただ、インプラントは天然歯とは異なり神経がないため、初期段階では痛みが出にくく、自覚症状に乏しい一面があります。
そのため歯科医院での定期的なチェックやクリーニングを怠ると、発見が遅れて状態が悪化しやすくなる点には注意が必要です。毎日の正しいブラッシングやフロスの使用に加え、数か月ごとのメンテナンスを受けることで、インプラント周囲炎の予防につながります。
歯ぎしり・くいしばりによるダメージ
歯ぎしりやくいしばりの習慣も、インプラントの寿命に影響します。これらは通常の咀嚼とは異なり、とても強い力がかかるため、インプラントや人工歯の破損、さらには骨への過度な負担につながる恐れがあります。特に就寝中に起こる歯ぎしりは自覚できないことが多く、気付かないうちにインプラントにダメージを蓄積させてしまっているケースも少なくありません。
歯科医院では、歯ぎしりの兆候を早期に発見し、必要に応じてナイトガード(マウスピース)装着などの対策を提案しています。また、ストレスが原因のひとつとされているため、生活習慣の見直しやリラクゼーションの実践もおすすめです。
メンテナンスやセルフケアの不足
インプラントは、治療後のセルフケアやメンテナンスが不十分だと寿命が短くなりやすいです。
天然歯と違って虫歯にはなりませんが、歯垢や歯石がたまればインプラント周囲炎などのトラブルにつながります。丁寧なブラッシングやフロスの使用は欠かせません。自宅でのブラッシングやフロスによる清掃だけでは完全なケアは難しいため、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
セルフケアだけでは届きにくい部分の汚れも、プロフェッショナルケアならしっかりカバーできます。日々のケアとあわせて、プロによるメンテナンスを定期的に受けることが、インプラントを長く使う秘訣のひとつになるでしょう。
喫煙習慣や生活習慣による悪影響
喫煙はインプラントの寿命を短くする生活習慣です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、以下のような影響を与えます。
- 血流を悪化させ、歯茎や骨の回復を妨げる
- 免疫力を低下させることで細菌感染のリスクを高める
その結果、インプラントと骨の結合がうまく進まなかったり、インプラント周囲炎を引き起こしたりする可能性が高くなってしまうことは否定できません。また、食生活の乱れや睡眠不足といった生活習慣の乱れも、免疫力を低下させ、インプラント周囲炎を引き起こす恐れにつながります。
インプラントを長持ちさせるためには、禁煙を視野に入れた口腔ケアだけでなく、日々の生活を見直すことも欠かせません。
寿命のインプラントに現れるサインと対応法

インプラントは長期間の使用が期待できる治療法ですが、経年劣化が起きたり、トラブルの兆候が現れたりすることがあります。ここでは、寿命が近づいたインプラントに現れるサインや、それに対する適切な対応方法について紹介します。
ぐらつきや痛みなどの兆候
寿命が近づいたインプラントには、いくつかの分かりやすい兆候が現れる場合があります。以下が代表的な兆候です。
- インプラント部分のぐらつき
- 違和感
- 噛んだ時に痛みを感じる など
このような症状は、インプラントと顎の骨の結合部分に問題が生じている可能性があるため、早めの受診が必要です。特にインプラント周囲炎が進行している場合には、歯茎の腫れや出血、膿が出るといった症状も見られることがあります。
このような兆候を見逃さず、小さな違和感であっても楽観視するのはやめて、早めにかかりつけの歯科医院に相談しましょう。
そのまま放置するリスク
インプラントにぐらつきや痛みといった異常が見られたにもかかわらず、何もせずに放置するのは危険です。
インプラント周囲炎が進行すると、支えている顎の骨が吸収されてしまい、インプラント自体を支えきれなくなってしまう恐れがあります。最終的にはインプラントが脱落するケースも少なくありません。さらに炎症が周囲の組織に広がると、ほかの健康な歯に悪影響を及ぼす可能性が高くなります
このようなリスクを避けるためには、異常を感じた時点で歯科医院を受診し、原因を突き止めたうえで適切な治療を受けることが不可欠です。早期発見と早期対応で、健康的な状態でインプラントを長く使いましょう。
再治療や再埋入も検討を
もしインプラントが寿命を迎えてしまった場合、再治療や再埋入が必要です。再治療では、まずインプラント周囲炎の進行度合いや骨の状態を詳しく調べたうえで、必要に応じて除去や骨再生治療を行うことになります。その後、条件が整えば新たなインプラントを埋め込む再埋入が可能です。ただし、骨の吸収が多すぎた場合や、全身的な健康状態に問題がある場合には、別の補綴治療を提案されることもあります。
再治療には通常よりも時間と費用がかかるため、インプラントが短命で終わらないように、寿命を延ばすための予防意識が重要です。
インプラントの保証について

インプラント治療には、一定期間の保証が付帯している場合があります。一般的な歯科医院では5年から10年程度の保証期間を設けており、保証期間中にインプラントが破損した場合や脱落した場合には、無償または一部負担で再治療が受けられることが多いです。ただし、すべてのトラブルが保証対象になるわけではありません。例えば、以下のような場合は対象外になります。
- 患者さん自身によるメンテナンス不足
- 定期検診を怠っていた
- 歯科医師の指示を守らなかった など
このような場合は保証されないため、日頃からのケアがいかに大切かが分かるのではないでしょうか。また、事故や外傷による破損についても保証が適用されないケースがあります。治療前に保証内容を十分に確認し、条件や範囲を把握しておくとよいでしょう。
インプラントを長持ちさせるためにできること

インプラントは適切な管理とケアを続けることで、より長く快適に使える可能性が高くなります。ここでは、インプラントを長持ちさせるために実践したいポイントについて紹介します。
正しいブラッシング方法とセルフケアをする
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアが重要です。天然歯と違い、人工物であるインプラント自体は虫歯にはなりませんが、周囲に汚れがたまるとインプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まります。
インプラント専用の歯ブラシやフロスを使用し、インプラントと歯茎の境目を意識して丁寧に磨くようにしましょう。また、定期的にセルフケアの方法を見直し、歯科医院でブラッシング指導を受けるのもおすすめです。
定期的な検診とメンテナンスを受ける
インプラントを長持ちさせるためには、定期的な検診と専門的なメンテナンスが欠かせません。インプラントは天然歯と違って神経がないため、トラブルが起きても痛みなどの自覚症状が出にくい性質です。そのためトラブルがあっても気付かず、症状が進むまで放置してしまうことも少なくありません。
歯科医師による定期的なチェックを受ければ、早期発見・早期治療につなげやすくなるでしょう。また、インプラント周囲のプラークや歯石を専門の器具で除去することにより、インプラント周囲炎のリスクを軽減できます。
このほか、定期検診では日常のセルフケアでは届きにくい部分の清掃や、噛み合わせの確認も行われます。いずれもインプラントの寿命を延ばす効果が期待できるため、ぜひ定期検診を受けるようにしてください。
噛み合わせを管理しナイトガードを活用する
噛み合わせの管理も、インプラントを長持ちさせるために大切です。特に、就寝中の歯ぎしりやくいしばりは、インプラントに過剰な負担をかけ、破損や骨吸収のリスクを高める原因となります。このようなリスクを軽減するために、歯科医院ではナイトガード(マウスピース)の使用をすすめる場合があります。
ナイトガードは歯ぎしりやくいしばりの力を分散し、インプラントや周囲の骨へのダメージを和らげることが多いです。さらに、噛み合わせの調整を定期的に行い、負担の偏りがないか確認すれば、異変があってもすぐに対処できるでしょう。
信頼できる歯科医院を選ぶ
信頼できる歯科医院での治療とメンテナンスも、インプラントを長く使い続ける秘訣のひとつです。
技術力の高い歯科医師による適切な埋入手術はもちろん、治療後の定期管理やトラブル時の対応が整っているかどうかも考慮して選びましょう。また、患者さん一人ひとりの口腔内環境に応じたメンテナンスプランを提案できる歯科医院であれば、きめ細やかな対応が期待できます。このほか、インプラント保証制度の内容や、長期的なサポート体制についても事前に確認しておくと、いざという時も対応しやすくなるでしょう。
まとめ
インプラントは適切なケアやメンテナンスを行えば長期間使用できる治療法ですが、油断してケアやメンテナンスの手を抜くと寿命が短くなる恐れもあります。インプラント周囲炎の予防や歯ぎしり対策、セルフケアと定期的なメンテナンスの継続など、インプラントの寿命を延ばす習慣を取り入れていきましょう。
小嶋デンタルクリニックでは、インプラントのカウンセリングから埋入手術、アフターケアまで、患者さんの負担を軽減しながらできる治療やケアを取り入れています。
インプラントを長く使うために必須の定期検診やメンテナンスも、患者さんが無理をしない範囲で進められるよう、きめ細やかな対応が可能です。インプラント治療を検討中の方やインプラントの寿命、保証などが気になる方は、一度お気軽にご相談ください。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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