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顎関節症は歯科と口腔外科どっちを受診?選び方と迷った時の考え方
2025/09/26

顎関節症は、顎の痛みや口の開けづらさなど日常生活に支障をきたす症状が現れるため、早めの受診がおすすめです。しかし、口に関係する症状のため、受診先として「一般歯科」と「口腔外科」のどちらを選ぶべきか迷う人も多いのではないでしょうか。適切な診療科を選ぶためには、症状の程度や経過、治療の専門性などを踏まえて考える必要があります。
顎関節症の症状や対象の診療科を知っておけば、受診の際に戸惑わずにすむでしょう。この記事では、顎関節症に多い症状や原因、一般歯科と口腔外科の違い、受診の目安などを紹介します。顎関節症で悩んでいる人や、顎関節症は一般歯科と口腔外科のどちらを受診するべきか迷っている人はぜひ参考になさってください。
顎関節症とは?特徴と原因

顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じることで痛みや違和感が出る症状です。近年では、顎関節の異常だけでなく、咬み合わせや生活習慣、心理的要因など多岐にわたる要素との関連にも注目されるようになりました。ここでは、顎関節症の代表的な症状と主な原因などについて紹介します。
顎関節症に多い症状の例
顎関節症で多く見られる症状として、口を開けた時の痛みや関節の音、開口のしづらさなどが挙げられます。具体的には以下のような症状です。
- 顎を動かすたびに「カクカク」と音が鳴る
- 食事の際に違和感や不快感を覚える
- 口が大きく開けられない
顎関節以外にも肩や首のこり、頭痛を訴える人もいますが、顎関節症に気づかず歯科医院での検診で指摘される人も少なくありません。顎関節症は日本人にも多く見られる症状で、中でも女性が多いとされており、医療機関で適切なケアをすれば改善が見込めます。日常的に口の開閉や咀嚼に違和感がある場合は、顎関節症の可能性を視野に入れ、専門的な判断を受けましょう。
原因は複数考えられる
顎関節症の原因はひとつだけではなく、複数の原因が重なっていることが少なくありません。例えば、以下のような原因が絡み合うケースもあります。
- 咬み合わせが悪い
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 姿勢の悪さ
- 頬杖をつく癖 など
このように口腔内の要素のほか、日常生活での負担も影響します。また、歯並びや詰め物の高さといった歯科的な要素が関係する場合も多いです。このような原因が複雑に絡み合い、結果的に顎関節や周囲の筋肉に過剰なストレスがかかることで症状が現れます。
生活習慣やストレスにも注目
顎関節症は口腔内の問題だけでなく、生活習慣や心理的なストレスも発症に関係すると考えられています。
例えば、無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、顎の筋肉に負担をかけ、関節に悪影響を及ぼす原因です。また、長時間のスマートフォン使用やデスクワークによる前かがみの姿勢も、首から顎にかけてのバランスを崩し、症状を悪化させる可能性があります。さらに、ストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、筋肉が緊張しやすくなるため、顎関節や周囲の筋肉にも影響が出やすいです。
顎関節症の改善を目指すためには、単に顎の治療を行うだけでなく、生活リズムの見直しやストレスマネジメントにも目を向ける必要があります。
まず受診するなら一般歯科?口腔外科?

顎関節症の症状が現れて受診を考えたとき、診療科に迷うかもしれませんが、まずは一般歯科の受診をおすすめします。
ここでは、最初の相談先として一般歯科が適している理由や、専門性の高い処置が必要な場合に口腔外科が選ばれる背景、紹介制度を活用した連携体制などについて紹介します。
最初の相談は一般歯科で
顎関節症の初期対応としては、まず一般歯科の受診をおすすめします。多くの一般歯科では、顎の違和感や関節の音など、比較的軽度な症状に対応しているためです。
咬み合わせの確認や口腔内の状態をチェックすることで、症状の原因を明らかにして、一般歯科で対応できる内容であれば継続的に治療が行われます。必要に応じて歯ぎしり・食いしばり対策のマウスピース治療や、顎関節症の予防・緩和のための生活指導を行うことも可能です。また、普段通っているかかりつけ歯科であれば、患者さんが相談しやすいという点でも安心感があります。
専門性が求められる場合は口腔外科へ
顎関節症の症状が重かったり、一般歯科での対応だけでは十分な診断や処置が難しいと判断されたりした場合には、口腔外科の受診が必要になります。特に、顎の開閉障害が顕著である場合や、痛みが強く生活に支障をきたしていたりする場合、一般歯科では対応が難しくなることが多く、より専門性の高い検査や外科的アプローチが求められます。
口腔外科では顎関節の画像診断やスプリント療法の選択など、専門的な診療が受けられる体制が整っており、重度の顎関節症に対しても適切な対応が可能です。
紹介制度のある一般歯科も多い
近年では一般歯科と専門医療機関との連携が進んでおり、紹介制度を設けている歯科医院も多いです。
一般歯科で診察を受けた後、症状の程度に応じて適切な医療機関を紹介を受ける流れは、患者さんにとって負担の少ない対応が可能になるという点でメリットがあります。紹介制度を活用することにより、患者さん自身が最初から専門機関を探す手間を省けるだけでなく、情報連携がスムーズに行われ、継続的な治療計画も立てやすくなります。
一般歯科でも可能な治療内容

顎関節症は専門的な治療が必要な印象を持つかもしれませんが、実際には多くのケースで一般歯科での治療が可能です。
初期の症状や軽度の異常であれば、日常生活への支障を抑えながら治療を進められます。ここでは、一般歯科で行われる代表的な治療内容について紹介します。
咬み合わせの調整・マウスピース治療
顎関節症の治療として一般歯科で多く行われているのが、咬み合わせの調整とマウスピースの装着です。
咬み合わせにズレがあると、顎の筋肉や関節に不自然な負荷がかかり、痛みや開閉障害につながります。このようなケースでは、歯の高さや咬み合わせの状態を丁寧に確認し、必要に応じて軽微な修正を施すことが効果的です。
また、就寝時に使用するマウスピース(ナイトガード)は、食いしばりや歯ぎしりによる関節への負担を軽減する目的で広く用いられています。透明な樹脂製で違和感も少なく、継続して使用することで顎の状態が安定しやすくなる効果が期待できます。これらは基本的に保険適用で行えるケースが多いため、多くの一般歯科で取り入れられている治療です。
生活指導やストレスマネジメント
顎関節症の発症や悪化には、日常生活での癖や精神的なストレスも関係しているケースが少なくありません。一般歯科ではそのような原因を軽減できるよう、生活指導を行うこともあります。例えば、片側でばかり咀嚼する習慣、姿勢の乱れ、頬杖をつく癖などがあれば、それらを改善する指導が必要です。
また、強い食いしばりや歯ぎしりがみられる場合には、ストレスとの関連性が高いとされるため、日常的なリラックスの工夫や睡眠環境の調整といった助言も含まれます。
こうした生活指導は、顎関節に負担をかけない生活を送るための基本となるものであり、長期的な安定を目指す上で大切です。取り入れやすいものから実践して、顎関節症に影響する癖やストレスを改善していきましょう。
一般歯科単独では難しいケースとは
一方で、一般歯科での治療だけでは十分に対応しきれないケースもあります。例えば、以下のような状態は対応が難しいケースです。
- 顎の開閉がほとんどできない(重度の開口障害)
- 強い痛みが長期間続いている など
このように、生活が難しくなるほど重度の症状が出ている場合は、より高度な診断と専門的な治療が求められます。
また、マウスピースや咬合調整を行っても症状が改善しない時には、関節内部の異常や筋肉の緊張が深刻化している可能性もあるため、詳細な外科的検査や対応が可能な口腔外科への紹介が検討されます。重度や慢性化が疑われるケースでは、連携先の専門医療機関での診療が適切です。最初は一般歯科で診てもらい、必要に応じて専門的な口腔外科へ行きましょう。
口腔外科で扱う顎関節症の範囲

顎関節症の治療において、一般歯科では対処が難しいと判断された場合、口腔外科の判断と技術が必要とされます。
ここでは、口腔外科で対応する主な検査・治療内容や、慢性化・重症化した顎関節症への対応などについて紹介します。
画像検査や咬合の高度な評価
口腔外科では、顎関節症の診断に際して画像検査が活用されています。X線だけでなく、関節内の詳細な構造を把握するためにCTやMRIが用いられることも多いです。
このような検査により、骨の変形や関節の異常、炎症の有無などが確認できます。また、咬み合わせの状態も精密に観察され、日常的な咀嚼や顎の動きがどのように関節に影響しているかを多角的に判断することが可能です。こうした検査に基づく正確な診断は、的確な治療計画の立案につながります。
スプリント療法や外科的処置の判断
口腔外科では、顎関節症の治療としてスプリント療法が導入されています。上下の歯の間にマウスピース状の装置をつけ、顎関節や周囲の筋肉への負担を軽減し、関節の安定を向上させる治療です。
一般歯科でもマウスピースは使われますが、スプリントはより専門的な設計と調整を要するため、口腔外科での治療が望ましいです。また、スプリント療法だけでは改善が見られない重症例では、外科的処置を含めた対応が検討されることもあります。こうした処置は高い専門性を要するため、顎関節の状態が複雑な場合には口腔外科の受診が適しています。
慢性的・重度なケースでの対応
顎関節症が長期間にわたり継続している場合や、痛みや運動障害が著しい重症例では、口腔外科での対応が必要です。
慢性的な顎関節症は、単なる筋肉疲労や一時的な噛み合わせのズレではなく、関節構造そのものの損傷や機能不全を伴っているケースが少なくありません。そのため、咬み合わせの再構築や関節機能のリハビリ、場合によっては手術を含めた総合的なアプローチが求められます。また、顎の痛みが全身に影響を及ぼしている場合には、他科との連携も視野に入れた治療計画が必要になります。
顎関節症で受診科選びに迷ったときの考え方

顎関節症の症状が現れた場合、一般歯科と口腔外科のどちらを受診すべきか迷うことがあるかもしれません。ここでは、受診先選びの際に参考になる3つのポイントを紹介します。
痛みの程度や経過から考える
最初に注目したいのは、痛みの強さや違和感の続く期間です。軽い違和感や関節の音だけで、痛みや開口障害がない場合には、まず一般歯科での診察を検討しましょう。
一方、すでに顎の動きに支障が出ていたり、日常生活に影響を及ぼすほどの痛みがあるようなら、より専門的な診断と治療が受けられる口腔外科が適しています。判断に迷った場合には、先に一般歯科で相談してください。必要に応じて専門医療機関への紹介を受けられます。
通いやすさ・設備
顎関節症は1回の通院で完結するものではなく、経過観察や生活指導などを含めて、複数回の受診が必要になることもあります。ストレスを軽減しながら継続治療を進めるためにも、通いやすい範囲にある歯科や口腔外科を選びましょう。
顎関節症の治療に対応した設備が整っているか、一般歯科であれば口腔外科との連携はどうなっているかなどの条件も調べておくと、いざという時に役立ちます。
他の医療機関との連携
顎関節症の診療では、必要に応じてほかの医療機関と連携をとる場面があります。たとえば、整形外科的な要素が関係している場合や、精神的ストレスの影響が強く疑われる時には、専門領域との連携が不可欠です。
このような体制が整っている医療機関であれば、顎関節だけでなく、背景にある要因まで踏まえた包括的な対応が期待できます。受診先を選ぶ際は、そうした医療連携の有無にも目を向けて検討しましょう。
まとめ
顎関節症の診療は、症状の程度や経過、生活環境などを踏まえて一般歯科か口腔外科のいずれかを選ぶ必要があります。
軽度であれば一般歯科で対応可能ですが、重度や慢性化したケースでは専門的な検査や治療が行える口腔外科での対応が必要です。咬み合わせの調整や生活習慣の見直し、必要に応じた医療機関の連携体制も含めた上で選択しましょう。
小嶋デンタルクリニックでは、顎関節症のお悩みをご相談いただけます。CT・レントゲン撮影による検査をはじめ、適切な検査により、一般歯科・口腔外科の観点から症状へアプローチ可能です。他医療機関との連携も行っているため、顎関節症の受診先をお探しなら、まずは小嶋デンタルクリニックへお気軽にご連絡ください。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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