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口腔外科と一般歯科の違いは?それぞれの治療内容と選び方を解説

2025/09/26


歯の痛みや口腔内の違和感に気付いた時、多くの人が歯科医院を受診しようと考えるでしょう。

口腔関連の病院には一般歯科と口腔外科があり、どちらを選ぶべきか判断に迷うかもしれません。実際、どちらも口腔内の医療を対象にしていますが、治療の専門性や対応する症例には違いがあります。適切な診療科を選ぶことで、より正確な診断と効果的な治療を受けやすくなるでしょう。そのためには、一般歯科と口腔外科の診療内容を知り、いざという時にどちらを選べばよいのか知っておくと便利です。

この記事では、一般歯科と口腔外科の特徴や違い、受診の際に意識しておきたいことなどについて紹介します。

一般歯科と口腔外科の違いとは?


歯や口のトラブルで歯科医院を探す際、「一般歯科」と「口腔外科」という診療科の違いに戸惑う人も少なくありません。

どちらも口腔内を診る診療科ですが、対象になる症状や治療の専門性に差があります。ここでは、一般歯科と口腔外科それぞれの特徴と治療内容、そして両者の違いや共通点について紹介します。

一般歯科とは:特徴と主な治療内容

一般歯科は、虫歯や歯周病の治療、予防処置を中心に行う診療科です。口腔内に痛みや違和感がある場合、まず一般歯科を受診するケースが多いでしょう。定期的な検診やクリーニング、フッ素塗布なども一般歯科の範囲に含まれます。

また、虫歯の治療では詰め物や被せ物を行い、歯周病の進行を防ぐために歯石除去や歯周ポケットの清掃も実施します。子どもから高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんに対応している点も特徴のひとつです。なお、虫歯や歯周病だけでなく、義歯(入れ歯)の作製や調整、噛み合わせのチェックなども一般歯科の役割に含まれています。

口腔外科とは:特徴と主な治療内容

口腔外科は、口の中や顎、顔面周囲の病気やけがの治療を専門とする診療科です。

一般歯科で対応が難しい症例(親知らずの難抜歯、顎関節症、口腔内の腫瘍や外傷など)を専門的に診察します。重症度が高い疾患では入院が必要になる場合もあり、全身管理を行いながら治療を進めるケースも多いです。専門性の高い医療機関では、悪性腫瘍や先天異常(口唇裂・口蓋裂)などの高度な手術にも対応しています。

それぞれの治療内容の違いや共通点

一般歯科と口腔外科は対応する症例に違いがありますが、一部では共通するものもあります。

一般歯科は虫歯や歯周病といった比較的軽度のトラブルや予防ケアを中心に行う一方で、口腔外科は外科的な処置が必要な症例や、より専門的な判断が求められる病気を扱います。

例えば通常の虫歯治療やクリーニングは一般歯科が対応しますが、親知らずが骨に埋まっているような難症例は口腔外科の領域です。ただし、軽度な親知らずの抜歯や簡単な外科処置であれば一般歯科でも対応できるケースがあり、症状や治療の難易度によって診療科を使い分けることが求められます。

口腔外科で対応する具体的な症例


口腔外科は、一般的な歯科治療では対応が難しい専門的な症例に幅広く対応しています。ここでは、口腔外科で対応する代表的な症例を紹介します。

親知らずの難症例や顎の骨に関わる抜歯

親知らずはまっすぐ生えていれば問題にならないことが多いですが、顎の骨に埋まっている場合や横向きに生えている場合は抜歯が難しく、口腔外科での対応が必要になります。

特に神経に近い位置にある場合や、歯の根が複雑に曲がっているケースでは高度な技術が求められるため、一般歯科ではなく専門的な処置を行う口腔外科が適しています。また、通常の抜歯と違い、切開や骨を削るといった処置を伴うこともあるため、感染や術後の腫れ、痛みに対する全身管理が重要です。

口腔外科ではレントゲンやCTを用いた精密な診断と、外科的な経験に基づいた安全な処置が行われます。

顎関節症

顎関節症は、顎の関節や筋肉に痛みや違和感が出る症状で、口が開きにくくなったり、開閉時に音がすることもあります。

軽度であれば生活指導やマウスピースなどの保存療法で改善が見込めますが、重度の場合は精密な診断と外科的治療が必要です。口腔外科では、画像検査や触診を通じて顎関節や筋肉の状態を把握し、患者さんの症状や生活背景に合わせた治療を行います。薬物療法や理学療法に加え、症状によっては手術を伴う治療が選択されることもあります。

顎関節症は食事や会話にも支障が出る可能性があるため、違和感やつらさを覚えるようなことがあれば、早めに相談するとよいでしょう。

口腔内の腫瘍・外傷治療

口腔内にできた腫瘍切除や、事故などで追った外傷の治療も口腔外科の領域です。口腔内にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があります。

良性腫瘍であっても、成長が早かったり、位置によっては日常生活に影響を及ぼしたりする場合があるため、外科的な切除が必要になることも多いです。また、交通事故や転倒などで生じた口腔内や顔面の外傷も口腔外科が担当します。

歯の脱臼、顎の骨折、口唇や舌の裂傷といった複雑な症状にも対応し、機能回復と審美面の両方を考慮した治療が行われます。速やかな診断と適切な処置を行うことで、後遺症を防ぎながら回復を促せるのが口腔外科の利点です。

口臭症・ドライマウス・味覚障害

口臭、ドライマウス、味覚障害といった症状は、口腔外科で対応が可能です。このような症状は口腔内だけでなく、全身の病気や薬の副作用など、多くの原因が関係している可能性が否定できないため、専門的な診断が必要になります。

口腔外科では唾液の分泌量や味覚の検査を行い、原因に応じた治療を行います。例えば、ドライマウスには唾液腺のマッサージや薬物療法、口臭症には歯周病治療や生活指導が代表的な治療です。味覚障害についても栄養や薬の影響を総合的に見て対処します。口臭やドライマウスなどは多くの人が感じる悩みですが、中には口腔外科での治療が必要な場合もあるかもしれません。気になる人は相談してみることをおすすめします。

日帰り手術や入院管理が必要な治療

口腔外科では、外来で対応可能な比較的小さな手術から、入院を伴う大きな手術まで幅広く扱っています。

例えば、小さな嚢胞の摘出のような内容であれば、日帰り手術として対応可能なことも多いですが、大きな顎骨の手術や悪性腫瘍の切除など、全身麻酔下での治療が必要な場合は入院管理のもとで実施されます。

このような症例では、麻酔科や内科と連携しながら、全身状態を管理しながら手術を進める体制が一般的です。特に持病のある患者さんや高齢の方の場合はリスクが心配されるため、術前から術後までの管理がより重要になります。

一般歯科と口腔外科の使い分けと連携の考え方


一般歯科は虫歯や歯周病などの治療や予防に対応し、口腔外科は外科的処置や重症の口腔疾患を担当します。それぞれの役割を踏まえて受診先を選ぶことで、診断や治療が円滑に進みやすくなるでしょう。ここでは、一般歯科と口腔外科の使い分けや、それぞれの科が連携する可能性や状況について紹介します。

どちらを受診すればよいのか

歯や口の中に違和感がある場合、まず一般歯科を受診しましょう。虫歯や歯周病、定期的なメンテナンスなど、多くの問題は一般歯科で対応できます。

しかし、親知らずが骨に埋まっている場合や、顎関節の異常、口腔内の腫瘍のように専門的な診断や外科処置が必要と判断されたときには、口腔外科へ紹介されます。自分で判断すると適切ではない場合もあるため、まずは一般歯科で相談し、必要に応じて口腔外科のある医療機関の紹介を求めましょう。

紹介状が必要になるケースとは

口腔外科を受診する際、大学病院や大規模な医療機関では紹介状の提出を求められる場合が一般的です。特に、難易度の高い手術や全身麻酔を伴う手術、持病による全身管理が必要なケースでは、かかりつけの一般歯科から紹介状をもらうことが前提になります。

紹介状にはこれまでの治療経過や検査結果、投薬情報など、一般歯科で確認された内容が記載されるため、繰り返しの検査を省き、診療をスムーズに進める助けになります。また、紹介状があれば医療機関側は事前にリスク管理を行いやすくなり、患者さんにとっては不安を軽減できる治療環境が整う点もメリットです。紹介状が必要かどうか分からない場合は、受診予定の医療機関に事前確認するとよいでしょう。

一般歯科と口腔外科の連携

一般歯科と口腔外科は、診療範囲の違いを補完し合う形で連携しています。

一般歯科で症状を診察し、口腔外科の対応が適切と判断された場合は、前述の通り紹介という形で治療が引き継がれます。引き継いだ口腔外科では、事前に撮影されたレントゲンや紹介状をもとに詳細な検査と処置を実施し、患者さんの悩みを改善するでしょう。また、口腔外科での治療後、一般歯科に再び戻して経過観察や予防管理などを継続するケースもあります。

情報の共有や役割分担がなされていることで、患者さんは無駄なく質の高い治療を受けられるようになっています。

診療科の選択や受診の際に知っておきたいこと

歯科治療に関して相談する様子

口腔内にトラブルが発生した際、一般歯科と口腔外科のどちらを受診するか迷う場合があります。

適切な診療科を自己判断で選ぶのは難しいですが、事前にある程度準備しておくことで、診察や治療をよりスムーズに受けやすくなるでしょう。ここでは、受診前に知っておきたいポイントについて紹介します。

事前相談の重要性

受診前には、かかりつけの一般歯科や受診したい医療機関に事前相談しましょう。症状や治療歴、服用中の薬について事前に伝えることにより、診療科の選択や受診の流れをより正確に理解できるためです。一般的な虫歯や歯周病であれば一般歯科が対応しますが、親知らずの難抜歯や顎の異常が疑われる場合は口腔外科が適切なケースもあります。

受診先に迷った時には、まず一般歯科に相談し、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらうとよいでしょう。事前に相談を行うことで、無駄な待ち時間や検査を避け、迅速に治療をスタートしやすくなります。

受診前に準備しておくとよいこと

スムーズに診察を受けるためには、受診前の準備も大切です。以下のものを用意しておくとよいでしょう。

  • 保険証
  • 医療証
  • 現在服用している薬の一覧 など

また、他の病院で治療を受けている場合はこれまでの治療歴が分かる資料や、気になる症状をまとめたメモを用意しておくと問診がスムーズに進むためおすすめです。さらに、問診票に記入する際には、症状の発症時期や変化の経過、痛みの程度などを具体的に記載することが重要です。診断の正確さが高まり、治療方針の決定もスムーズになります。

このほか、受診にあたって疑問や不安がある場合には、医師に質問しやすいようにメモを用意しておくと便利です。

子どもや高齢者が受診する場合の注意点

負担の少ない診療を受けるためにも、子どもや高齢の方は細かい準備と配慮をおすすめします。

子どもの場合、診察や治療に対して強い不安や恐怖を感じやすいため、受診前に親子で簡単な説明を行い、安心できる環境を整えてあげましょう。また、高齢の方の場合は持病があり薬を服用している方が多いため、現在の状況(持病・服用中の情報)を正確に伝えてください

まとめ

一般歯科と口腔外科は、対応できる治療内容に違いがあるため、症状に応じた適切な診療科の選択が重要です。

虫歯や歯周病など、歯そのものの疾患は一般歯科、親知らずの難抜歯や顎関節症、口腔内の腫瘍などは口腔外科が対応します。迷った際にはまず一般歯科を受診し、必要に応じて口腔外科への紹介を受けるとよいでしょう。どちらの診療科でも、受診前には症状や治療歴、飲んでいる薬などを整理し、必要であれば事前相談も活用してください。

小嶋デンタルクリニックでは、一般歯科か口腔外科かで悩む症状をお持ちの方にご相談いただける体制を整えています。ご相談の結果、必要であれば口腔外科への紹介状もご用意いたします。「こんな症状はどちらか」「もしかすると重大な疾患かも…」など、疑問や不安がある際には、お一人で悩みすぎず、当院・小嶋デンタルクリニックへお気軽にご連絡ください。

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員