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年収400万円だと還付金はいくら戻る?インプラント治療と医療費控除について
2025/09/24

インプラント治療は、見た目の回復や食事のしやすさを向上させる反面、基本的に自由診療となるため、費用が高額になりやすい一面があります。経済的負担を考えると「ほかの治療にしたほうがよいのでは…」と心配になる人もいるでしょう。
そこで活用したいのが医療費控除です。自由診療のインプラントでも医療費控除の対象になるため、費用面の負担を軽減しやすくなります。
この記事では、インプラント治療が医療費控除の対象となる条件や、申請に必要な手続きなどについて紹介します。具体例として年収400万円の人が見込める還付金についても取り上げていますので、インプラント治療を検討している人はぜひ参考になさってください。
インプラント治療と医療費控除の基本

インプラント治療は、見た目や機能の回復を目指す自由診療のひとつです。自由診療となるため費用は高額になりがちですが、一定の条件を満たせば医療費控除の対象となり、還付金を受け取れる可能性があります。
ここでは、インプラント治療と医療費控除の関係や申請時に必要な情報や注意点について紹介します。
医療費控除の適用条件や対象範囲
医療費控除とは、納税者本人や家族が支払った医療費のうち、一定額を超える部分について所得控除を受けられる制度です。すべての医療費ではなく、以下の条件を満たすものが対象になります。
- 納税者本人または生計を同一にする配偶者や親族のために支払った医療費であること
- 1年間の医療費総額が10万円または所得金額の5%を超えていること
- 病気やけがの治療を目的とした支出であること(美容目的は除く)
また、対象になる医療費は病気やけがの治療費だけではなく、通院のための公共交通機関の交通費も含まれるため、申請時に忘れないようにしましょう。
控除額は、支払った医療費総額から保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円または所得金額の5%を引いた額になります。ただし、医療費控除は自動的に受けられるものではありません。確定申告で申請することにより、所得税や住民税が軽減される仕組みです。
インプラント治療は医療費控除の対象
インプラント治療は、治療目的であれば自由診療でも医療費控除の対象になります。歯の欠損により咀嚼機能が低下した状態を回復させ、日常生活に支障をきたさないようにするための治療と認められているためです。
対象になる費用には、インプラント体やアバットメント、人工歯の製作費用に加え、診察料、検査費用、手術時の麻酔代、治療後のメンテナンス費用などが含まれます。ただし、見た目を美しく整えるための審美目的の施術の場合は対象になりません。
インプラント治療が医療費控除の対象になるためには、治療目的が医療上必要であることが前提になります。もしも「自分の治療は対象になるのかどうか分からない」という場合には、歯科医院のスタッフやお住まいの税務署などに質問してみましょう。
医療費控除の申請に必要な書類や手続きの流れ
医療費控除を申請するには、必要な書類を揃えた上で確定申告を行う必要があります。申請時に必要な書類は次の通りです。
- 医療機関が発行した領収書(提出不要だが5年間保存義務あり)
- 医療費通知(健康保険組合などから送付されるもの)
- 源泉徴収票
- 医療費控除の明細書(支払金額や補填金額を記載)
- マイナンバー確認書類および本人確認書類
確定申告の方法は次のいずれかから選択します。
- 税務署に持参
-
- 必要書類をそろえて直接税務署に提出する
- 税務署に郵送
-
- 必要書類を郵送で提出する
- e-Taxで電子申告
-
- オンライン申告で還付が早まる可能性がある
医療費の金額や種類に関わらず、領収書や通知書の整理に時間がかかることが多いため、早めに準備を進めておくとよいでしょう。
年収400万円の場合の医療費控除の還付額はいくら戻る?

インプラント治療にかかる医療費の控除申請で、還付金がどれくらい戻るのか気になるのではないでしょうか。実際に還付される金額は年収や課税所得、医療費の総額によって異なります。ここでは、年収400万円の方がどのように還付金を計算し、どれくらいの金額が戻るのかをシミュレーションします。
医療費控除額の計算方法と具体例
医療費控除額は、年間に支払った医療費総額から保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円または所得金額の5%のいずれか少ない方を引いた金額になります。
医療費控除額の計算式は以下の通りです。
【(その年に支払った医療費の総額 - 保険金などの補填金額) - 10万円(または総所得金額等の5%)】
例えば、インプラント治療に40万円支払った場合、補填がなければ40万円から10万円(または所得金額の5%)を引いた30万円が控除対象額です。
さらに住民税の負担軽減効果もあるため、結果的に税負担全体が下がることも考えられます。ただし、家族構成や他の控除の有無によって最終的な還付額は変わるため、詳細は税務署や専門家に確認しましょう。
年収400万円の還付金額シミュレーション
年収400万円の場合、課税所得がいくらになるかによっても変わりますが、ここでは所得税率10%と仮定して還付金額のシミュレーションをしてみましょう。
還付金額は医療費控除額に所得税率をかけた額になるため、インプラント治療に40万円払った場合は以下が還付金の目安です。(保険金などで補填がない場合)
【(40万円ー10万円または総所得金額の5%の少ない方)×10%(所得税率)=3万円(還付金の目安)】
このシミュレーションはあくまで基本の計算方法です。前述の通り、保険などで補填があった場合には金額が変わるため、その金額で計算しなくてはいけません。
ほかの医療費と合算する場合の注意点
インプラント治療以外にも支払った医療費がある場合、合算して医療費控除を申請することが可能です。ただし、対象となるのは治療目的の医療費のみであり、美容目的や予防目的の場合は含まれません。
交通費については、通院に必要な公共交通機関(電車、バスなど)の費用が対象です。タクシー代は原則認められていませんが、タクシーを使わなければならない身体的・医療的な理由があればその限りではありません。
複数の医療機関や薬局の領収書がある場合は、支払先や支払内容ごとに整理し、明細書に正確に記載することが求められます。
医療費控除を受ける際の注意点やポイント

適切な申請を行うことで医療費を軽減することができますが、間違った申請をすると還付金を受けられない可能性もあります。医療費控除を正しく受けるためには、控除対象となる費用を確認した上で申告を行いましょう。
ここでは、医療費控除の対象外となる費用や、申請時に気をつけるべきことについて説明します。
医療費控除の対象外になる費用がある
医療費控除を受けるためには、対象になる費用とならない費用を正確に把握しておくとミスなく申請手続きを進められます。
医療費控除の対象となるのは、病気やけがの治療を目的とした費用ですが、美容や健康維持を目的とした治療は対象外です。具体的には以下が対象外になっています。
- 審美目的の治療
- 予防接種
- 健康診断にかかる費用 など
このような費用は控除の対象外です。また、治療に関係ない部分での支出も控除の対象になりません。
例えば、インプラント治療そのものは控除対象になったとしても、治療後の審美的な目的で行う処置は対象外です。
さらに交通費や宿泊費においても、治療と直接関係ない場合は控除対象外となるため、領収書を適切に整理し、支出の明細を整理しておくとよいでしょう。
申請時に気をつけるべきこと
医療費控除の申請時には、領収書や明細書の記載内容についても気を付けておきましょう。領収書の記載内容が不明瞭な場合、申請時に不備とされる可能性があるため、領収書をもらう際には内容を確認し、必要な情報が記載されているか確認しましょう。
このほか、申請には医療費控除の明細書も必要です。自由診療でかかった費用は医療通知書には記載されていないため、領収書をもとに医療費控除の明細書を作成する必要があります。申請の際に不備がないよう十分確認しながら作成しましょう。
領収書や証明書は必ず保管を
医療費控除を受けるためには、医療費に関する領収書や証明書を必ず保管しておく必要があります。領収書は医療機関ごとに発行され、保険適用外の治療を受けた場合でも、その金額が記載された領収書が必要です。
領収書は申告書に添付する必要はありませんが、税務署からの確認を受けた場合や不明な点があった場合に備えて5年間保存する義務があるため、確定申告が終わったからといって処分しないようにしましょう。提出後も必要に応じて再度確認できるように保管してください。
医療費控除を活用するコツ

医療費の把握や家族全体での合算、申請可能な期間、類似の制度について理解しておくことで、より活用しやすくなるでしょう。ここでは、医療費控除をより効果的に使うためのポイントについて紹介します。
家族の医療費と合算可能
医療費控除は、本人だけでなく、生計を同一にする家族の医療費も合算して申請できます。
例えば、配偶者や子ども、扶養している親などの医療費も合算できるため、控除対象額が増え、還付金が高くなる可能性があります。特に個々の医療費がそれぞれ10万円に満たない場合でも、合算することで所得の5%を超える金額に達するケースも少なくありません。申請する際には、誰の医療費かを明確に記載し、領収書も整理しておくと分かりやすいです。
5年前までさかのぼって申請可能
医療費控除は、過去5年間までさかのぼって申請手続きが可能です。例えば、インプラント治療で高額な医療費を支払った年に申請を忘れてしまった場合でも、領収書や医療費通知の明細書などの証拠書類を保管していれば、翌年以降、改めて申請手続きができます。
ただし還付申告には期限があり、5年を過ぎると権利が消滅してしまうため注意が必要です。特に医療費が高額だった年については、必ず領収書を整理し、申告漏れがないか確認することが重要です。適切に申請すれば、大きな還付金を受け取れるチャンスを逃すことなく活用できます。
高額医療費制度との違い・併用の可否
医療費控除と高額療養費制度は、似ているようで内容が異なります。具体的には高額療養費制度は「払い戻し」、医療費控除は「還付」という点で違っています。
高額療養費制度は、1か月の医療機関ごとの自己負担額が一定金額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。一方、医療費控除は年間を通じた医療費に対して所得控除を受ける制度であり、還付されるのは支払った税金の一部です。
このふたつの制度は趣旨が異なり、両方を併用することも可能になっています。つまり、高額療養費制度で補填された金額を差し引いた後の自己負担分について、医療費控除を受けられるということです。
医療費控除を見越した治療計画を立てることも大切
インプラント治療のように高額な治療を受ける場合は、医療費控除を見越した計画を立てることも大切です。
例えば治療を複数年に分けるよりも、1年にまとめて支払った方が控除額が大きくなりやすい場合があります。医療費控除は年間の支払額に基づくため、支払いのタイミングを調整することで、控除の効果を高めやすくなるということです。
また、家族全体の医療費を合算できる制度を踏まえて、同じ年に必要な治療をまとめて受ける計画を立てると、さらに還付金を増やせる可能性もあります。
まとめ
インプラント治療は自由診療で高額になりやすいですが、医療費控除を活用することで支払った費用の一部が還付金として戻ってくる可能性があります。
医療費控除の対象になる費用や申請方法を理解して、必要な書類を適切に保管することが重要です。さらに、家族の医療費と合算したり、過去5年分までさかのぼって申請できる制度を活用すれば、還付金額を増やせる場合もあります。計画的に医療費控除を利用して、負担を軽減しましょう。
小嶋デンタルクリニックでは、医療費控除の対象になるインプラント治療も行っております。費用面でインプラント治療の選択を迷っている方も、医療費控除制度で負担を軽減できる可能性があります。「どの範囲までの治療が医療費控除の対象か」など、不明な点があればお気軽にお問い合わせください。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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