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歯周病の治し方は?原因・治療法・予防法を知って日頃からのケアを
2025/09/19

歯周病は多くの人が実感することの多い口腔トラブルのひとつですが、早期発見と適切な治療によって進行を防ぎやすい症状でもあります。ただ、自然に治るものではないため、初期のうちに歯科医院で対処することを強くおすすめします。
歯周病の治療では、歯科医院での専門的な処置と、日常生活でのセルフケアの両方が重要です。歯周病の特徴や治療法、予防について知っておけば、いざという時も受診やセルフケアを実践しやすくなるでしょう。
この記事では、歯周病の原因や治療法、予防のために意識したい日常ケアについて紹介します。歯周病の症状に悩んでいる人や、予防に興味のある人は、ぜひ参考になさってください。
歯周病の治し方は?状態や進行度も重要

歯周病は初期の段階であれば適切なケアで改善を目指しやすいですが、進行すると外科的治療が必要になる場合もあります。
ここでは、歯周病の治し方や注意したいポイントなどについて紹介します。
歯周病は自然に治らない
歯周病は自然治癒するものではなく、初期段階の歯肉炎であっても、原因となる歯垢や歯石を取り除かなければ悪化する進行性の疾患です。進行するにつれて以下のような症状が出てきます。
| 進行度 | 主な症状 | 備考 |
|---|---|---|
| 軽度(歯肉炎) |
|
歯槽骨への影響はなく、プラークコントロールで改善が期待できる |
| 中度(歯周炎) |
|
歯槽骨や歯根膜の破壊が始まり、歯茎が下がるようになる 外科治療が必要な場合もある |
| 重度 |
|
噛む機能が低下してしまい、歯を失うリスクがある 外科治療が必要な場合もある |
適切な治療と継続的なケアがなければ、歯槽骨の破壊が進み、最終的には歯の喪失につながるリスクもあります。
初期は痛みや出血のような自覚症状が少ないため放置されることも多いですが、症状が軽いうちに歯科医院で治療を受けることが大切です。自己判断で様子を見るのではなく、異変を感じたら早めに専門家による診断と処置を受けましょう。
初期・中期・重度で治療法は異なる
歯周病の治療は、進行度によって内容が異なります。
初期段階では、歯垢や歯石の除去と正しいブラッシング指導が中心となり、比較的短期間で改善を目指せます。
中期に進行すると、歯周ポケットが深くなり、スケーリングやルートプレーニングなど専門的な処置が必要です。
重度まで進行した場合は、外科的な処置や、場合によっては歯を抜かなければならないケースもあります。
治療と日常のケアを両立させる
歯周病の治療には、歯科医院での専門的な処置と日常生活でのセルフケアの両立が必要です。歯石除去や歯周ポケットの清掃といった専門治療に加えて、自宅での適切な歯磨き、歯間ブラシやデンタルフロスの活用が効果を発揮します。
また、生活習慣の見直しも大切であるため、食生活の改善や禁煙、ストレス管理など、できる範囲で実践していきましょう。
歯科医院での治療も大切ですが、自分自身のケアを丁寧に続けることが、歯周病の改善と再発防止につながります。
早期対処が歯を残すための重要ポイント
歯周病は進行するほど治療が難しくなり、歯や骨を喪失する可能性が高くなってしまいます。放置してしまうと外科的治療や抜歯のリスクが高まりますが、初期の段階であれば、比較的軽度の処置と日常ケアで症状の改善が見込めます。
違和感を覚えた時点で早めに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが、自分の歯を守るために欠かせない選択になるでしょう。痛みがないからといって油断せず、違和感や出血などのサインに敏感になり、気付いたら早めに歯科医院で受診してください。
歯科医院で受けられる主な歯周病治療

歯周病は状態や進行度に応じて適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、歯の寿命を延ばすことにつながります。
ここでは、歯科医院で受けられる代表的な歯周病治療について紹介します。
スケーリングとルートプレーニング
スケーリングとルートプレーニングは、歯周病治療の基本になる処置で、進行や炎症を抑える効果があります。以下がそれぞれの内容です。
- スケーリング
-
- 歯の表面、歯周ポケット内に付着した歯垢や歯石を除去する
- ルートプレーニング
-
- 歯の根面を滑らかに整え、歯垢や歯石が再付着しにくい状態にする
スケーリング、ルートプレーニングのいずれも、スケーラーと呼ばれる器具を使用します。処置中には痛みを感じることがありますが、場合によっては痛み止めの併用も可能なため、痛みが不安な人は相談してみるとよいでしょう。
歯周ポケットの検査とメンテナンス
歯周ポケットの検査は、歯周病の進行度を正確に把握し、適切な治療計画を立てるために必要です。専用のプローブを用いて歯と歯茎の間にできた隙間(歯周ポケット)の深さを測定し、炎症の程度や骨の吸収状況を確認します。
治療後も定期的なメンテナンスによって歯周ポケットの状態を管理し、再発防止を心がけましょう。メンテナンスではスケーリングや歯周ポケット内の洗浄などが行われ、良好な状態の維持を目指します。
進行度に応じた外科的治療
歯周病が進行して通常のクリーニングでは改善が難しい場合や、顎の骨・歯根膜などの再生が必要な場合には、外科的治療が検討されます。特に以下の外科的治療が代表的です。
| 治療法 | 治療内容 | 適応例 |
|---|---|---|
| フラップ手術 | 歯茎を切開し、歯周ポケットの奥深くにたまった歯石や感染組織を除去する | 歯周ポケットが深く、通常の処置では改善できない場合 |
| エムドゲイン | 骨の成長に関わるタンパク質の一種を利用して歯周組織の再生を促す | 骨や歯根膜の再生が必要な場合 |
歯槽骨が失われている場合には、エムドゲインのほかに骨再生療法(GTR法)という外科的治療が行われることもあります。
噛み合わせの調整
歯周病の進行によって歯がぐらつくようになると、噛み合わせが乱れ、特定の歯に過剰な力が加わり、歯周組織や口腔環境に負担が生じる恐れがあります。そのため、治療の一環として噛み合わせの調整が必要です。
噛み合わせのバランスを整えることによって負担を軽減し、歯周病の進行を抑えながら、適切な治療を進めます。
保険の適用範囲は?
歯周病治療の多くは健康保険の適用対象です。
基本的なスケーリングやルートプレーニング、歯周ポケットの検査、進行度に応じた外科的処置なども保険診療で対応できる範囲に含まれます。ただし、骨再生療法や高度な再生治療、特別な材料を用いる治療については、保険適用外となり自由診療扱いとなる場合も多いです。
治療を開始する前に、どこまでが保険適用となるか、費用がどの程度かかるのかを確認しておきましょう。
歯周病のセルフケアと注意したい生活習慣

歯科医院での治療に加え、毎日のセルフケアを積み重ねることで歯周病の進行を抑えやすくなり、治療後の再発防止にもつながります。ここでは、具体的なセルフケアの方法と意識したい生活習慣について紹介します。
正しい歯磨きの方法とタイミング
歯周病予防には、正しい歯磨きが欠かせません。
ポイントは歯と歯茎の境目にブラシの毛先を45度の角度で当て、軽い力で細かく振動させながら磨くことです。強く磨きすぎると歯茎を傷つける恐れがあるため、やさしく丁寧なブラッシングを心がけましょう。
また、磨くタイミングは食後できるだけ早めが望ましいです。
日々のブラッシングを丁寧に行うことで、歯垢の蓄積を防ぎ、歯周病リスクを抑えやすくなるでしょう。
歯間ブラシやフロスの活用
歯ブラシだけでは除去しきれない歯と歯の間の汚れを落とすためには、歯間ブラシやデンタルフロスの活用が効果的です。それぞれの使い分けは以下がおすすめです。
- 歯間ブラシ
-
- 広い隙間の汚れ除去
- フロス
-
- 狭い隙間の汚れ除去
歯周病は歯と歯の間に溜まった汚れも進行の原因になるため、歯間のクリーニングはとても大切になります。使用する際は、歯茎を傷つけないように注意しながら、丁寧に清掃しましょう。選び方や使い方に迷った場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
口腔ケアグッズを取り入れる
歯磨き粉や洗口液など、歯周病予防に効果的な口腔ケアグッズを活用することも、日常のセルフケアの効果を高めるポイントです。例えば、以下のようなものが代表的です。
- 歯周病予防効果が期待できる歯磨き粉
- 洗口液(マウスウオッシュ)
- 電動歯ブラシ
- 超音波ブラシ など
歯周病予防専用の歯磨き粉には、抗菌成分や歯肉を引き締める成分が配合されているものもあります。また、洗口液を併用することで、ブラッシングでは届きにくい場所の汚れや細菌にもアプローチできます。
電動歯ブラシや超音波ブラシなどのグッズを取り入れることで、効率的なプラーク除去も可能になるでしょう。
禁煙や食生活など生活習慣の見直し
歯周病の予防には、口腔ケアだけでなく、喫煙や食生活などの生活習慣を見直すこともおすすめです。特に喫煙は歯周病の大きなリスク要因とされており、禁煙することで治療効果が高まり、歯周組織の健康回復が促進されます。
また、食生活の見直しも重要で、栄養バランスの取れた食事を心がけることが歯茎の健康維持に役立ちます。ビタミンCやカルシウムを豊富に含む食品を積極的に取り入れ、体の内側からも歯周病予防に取り組みましょう。
このほか、ストレスの軽減や十分な睡眠も免疫力向上に好影響を与える可能性が高く、口腔内の健康維持に効果が期待できます。
歯周病は再発予防を心がけることが大切

歯周病は治療が終わっても再発しやすいため、日常的なケアと定期的なチェックで予防していきましょう。ここでは、歯周病の再発を防ぐために意識したいポイントについて紹介します。
歯周病は再発しやすい
歯周病は治療で症状が改善しても、ケアを怠れば再発してしまいます。特に、歯周ポケットが深いまま残っている場合や、セルフケアが不十分な場合は再発リスクが高まりやすいです。
歯周病菌は完全に除去することが難しく、コントロールし続けることが基本となるため、治療後も気を緩めず、継続的な対策を取る必要があります。
治療後は定期検診を習慣化
歯周病の再発を防ぐために、治療後も定期的に歯科医院で検診を受けましょう。歯科医師による定期的なチェックを受けていれば、再発兆候が見られた場合も早めに対処でき、重症化を防ぎやすくなります。
検診では歯周ポケットの深さのチェックやプラーク・歯石の除去、セルフケアのアドバイスが行われます。3か月から6か月ごとにメンテナンスを行うことが一般的ですが、個人の状態によって異なる場合もあるため、歯科医師と相談の上でスケジュールを決めるとよいでしょう。
専門家のサポートで長期的な管理を
歯科医師や歯科衛生士のような専門家のサポートも、歯周病の再発防止に欠かせません。プロフェッショナルケアによって、セルフケアだけでは行き届かない部分のクリーニングなど、歯の健康状態の管理を行いましょう。
また、日常のケアに関する適切な指導を受けることで、自宅でのブラッシングやフロス使用もより効果的に行えるようになります。
自分に合った予防習慣を継続しよう
歯周病の再発を防ぐためには、自分自身に合った予防習慣を見つけ、継続することが重要です。無理をして合わない方法を取り入れても続かず、再発リスクが上がってしまいかねません。
自分のライフスタイルに無理なく取り入れられる予防策を選び、習慣化することで、長期的に歯周病のリスクを抑えやすくなります。
まとめ
歯周病は自然に治ることがなく、進行に応じた適切な治療と日常的なケアの両方が大切です。歯科医院で治療を受けるだけではなく、正しい歯磨きや歯間清掃、生活習慣の見直しを習慣づけることが、再発予防には欠かせません。
治療後も定期検診を継続し、専門家のサポートを受けながら長期的に管理していくことも、再発予防につながるでしょう。
小嶋デンタルクリニックでは、軽度から重度の歯周病まで、進行度に合わせた治療を行っています。
スケーリング、ルートプレーニングはもちろん、フラップ手術やエムドゲインも必要に応じて実施可能なため、歯周病の幅広いお悩みに対応可能です。歯周病でお悩みの方は、ぜひお早めにご来院ください。
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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