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含歯性嚢胞

2022/07/14

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 
右下が腫脹してきて痛むと訴えて来院された患者様。
噛むと痛むというよりかは腫脹してきて押さえると痛むとのこと。
レントゲンを撮影すると、

 

 
このような状態。
右下は親知らずが埋伏しており、その親知らずを取り囲むように嚢胞が後ろの顎骨にかけて存在しているのがわかります。

 
実は2018年にもレントゲンを撮影しこの嚢胞が確認できて経過を見ていましたが大きくなってきました。

 

 
含歯性嚢胞と呼びます。

 
歯の原基(歯が発生する組織)の上皮から生じる嚢胞で、その嚢胞腔内に埋伏歯の歯冠を含んでいます。無症状に経過し、エックス線写真撮影で偶然に発見される場合が多くみられます。(口腔外科学会より)

 
鑑別診断として歯原性角化嚢胞が存在しますが共に歯胚が原因となっています。

 
親知らずの位置ですが、右側の第2大臼歯の真下に入り込む状態。
嚢胞摘出を当日行いましたが、親知らずが第2大臼歯直下に存在しているため、親知らずを抜去することで、第2大臼歯が保存不可能となる可能性が高いことが十分考えられましたので、患者様と相談し本日は嚢胞摘出のみ行いました。

 
含歯性嚢胞の基本的な処置としては嚢胞摘出と同時に原因歯の抜去ですが、今回の場合原因歯である親知らずを抜去することにより、第2大臼歯は骨の支えを失い、親知らず抜歯及び嚢胞摘出後の骨の回復まで咬合時に圧下してしまうリスクがありました。

 
そうなると第2大臼歯の抜歯もせざるを得ない状態になります。

 
今回は親知らずは保存した方が手前の歯を残せる可能性が高かったため、保存という形をとっていますが、非常に珍しいケースでした。

 
 
 
 
 
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