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抜歯後に縫合するかしないかの判断とは
2021/08/04
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
親知らず抜歯後に縫合することがあります。
多くの方が親知らず抜歯後は縫合すると思われる傾向にありますが、全てにおいて縫合することはありません。
縫合するという意図としては、
・離開した創を閉鎖する
・裂開した創を閉鎖する
・中に入れた薬などが露出しないようにする
・最大限の感染防止
などが挙げられます。
親知らず抜歯に関しては、主に埋伏している親知らずの抜歯で切開を伴う処置の場合はほぼ縫合します。
一方、歯が萌出しており抜歯後に粘膜の裂開や抜歯窩が極端に大きくなければ縫合はしない傾向にあります。
萌出している歯の抜歯の場合は、歯槽骨が既に周りにあるため粘膜同士をつなげることが物理的に不可能です。
もし粘膜同士を完全に封鎖するならば、縫合のために切開を行い骨膜より一旦剥がして、減張切開を行い合わせる必要があり、縫合だけのために外科的侵襲が増えるということとなります。
これはナンセンスですよね。
もちろん残根の抜歯や、抜歯時に伴い粘膜が裂開した場合などは切開しなくても縫合が可能です。
しかし萌出している歯の抜歯において縫合する場合があります。
それは、治癒をよくするために抜歯窩にコラーゲン含め設置したジェルが漏出しないようにするためです。
抜歯窩治癒不全として最もあげられるのが「ドライソケット」
抜歯窩が開放されることで、血餅と呼ばれる血の塊が出てしまい骨が露出することで痛みが強く出てしまう。
ドライソケットの防止に、縫合は一定の効果を発揮します。
この場合は完全な粘膜の閉鎖を目的ではなく、血餅漏出防止のため粘膜を多少寄せてあげる。切開が必要ない程度に。
ただ切開して抜歯した場合や、抜歯した粘膜が一部裂開している場合などは縫合したほうが確実に治癒としては良いです。
縫合すると腫脹してくるリスクはありますが治癒が早いのでリスクベネフィットをよく歯科医師と相談して進めていきましょう。
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