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垂直的歯根破折への対応

2021/02/06

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

親知らず以外で抜歯適応となる状態の歯とは

 

・重度の歯周病により動揺が著しい
・虫歯の進行により残根状態となっている
・根尖病巣の拡大
・保存困難な穿孔状態
・歯根破折の状態
・歯周疾患以外での疾患による影響 など

 

様々認めます。
その中でも頻度が高いのが、歯周病による抜歯。次に虫歯により残根となった歯の抜歯。
そして、歯根破折と続きます。

 

歯根破折した歯に関しては、リペアで予後良好なもの、リペアしても予後不良なもの。リペア不可能なものと分かれます。

 

今回前歯をよく腫脹すると訴えてこられていた方。
明確に歯根破折を認める状態でしたが、抜歯はせずにギリギリまで使いたいという希望。

 

根管治療は不可能であったため、腫脹部位から破折の確認及び不良肉芽の除去を行うこととしました。

 

実際腫脹部位にかけて切開し状態を確認すると、このように明確に垂直破折を認めました。

 

口蓋側まで完全に垂直破折を認め、根尖病巣を認め根尖は開大してしまっています。

 

保存がかなり難しいことがわかります。
歯根も短く、歯冠歯根長比が明らかに悪いので固定しても再度破折、動揺、腫脹が予後として考えられます。

 

保存希望もあることから炎症減退のため、不良肉芽の除去及び、破折部の固定を行いました。

 

最後に歯肉を戻して終了。
終了後に、写真を見せながら状態を確認してもらったところ、確かに厳しいな・・・と。

 

口腔内で使っている感覚だと、腫れる程度でそこまで大きなトラブルはないので残したいと思っていたけど、こんな状態だったとはということを仰っていました。

 

今回の治療はあくまで姑息的治療の一つ。
姑息的な治療というのは対症療法であり、原因を根本から解決する治療ではありません。

 

垂直歯根破折の根本的な解決のための治療は、ここまでの破折であれば抜歯となってきます。

 

この歯が今回の処置でどの程度延命されるか。
今後もしばらく経過を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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