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口の中がえぐれている
2020/09/26
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
口の中が少しえぐれて荒れている感じがあるので診て欲しいと訴えて来院された患者さま。
えぐれているという表現は非常に難しいのですが、歯科的には、
粘膜がえぐれる=粘膜上皮がなくなっている状態を示します。
これを正式名称では「潰瘍」と言います。
「潰瘍」と聞くとすごく大変な問題であると、感じる方も多いかもしれませんが潰瘍には様々存在します。
例えばいわゆる「口内炎」もアフタの一部であり潰瘍に分類されます。
ウィルス感染により水泡ができ、それが破れることにより潰瘍は形成されます。細菌感染でも起きることはありますし、悪性腫瘍いわゆる、がんにより形成されることもよく知られています。
口腔内で一般的な「潰瘍」の一つとして「口内炎」があります。
口内炎の原因には、ウイルス、真菌、自己免疫疾患、刺激や裂傷によるもの、貧血、薬の副作用などがあります。
ウイルス性の口内炎には、いわゆるヘルペスで知られている単純疱疹があり、他には帯状疱疹、夏風邪で代表的なウイルスであるコクサッキーウイルスによるヘルパンギーナ、幼児や小児に多い手足口病があります。
また、麻疹により頬に特徴的なコプリック斑という灰白色の斑点ができることもあります。
さらに、自己免疫疾患であり口腔乾燥症状を伴うシェーグレン症候群で口内炎が生じることもあります。
刺激や裂傷によるものとしては、火傷による粘膜の裂傷、頬粘膜や舌を噛んでしまった、塩気の強いものを食べた、義歯や歯により粘膜が傷ついたなどにより起こります。
その他には、原因は不明であるアフタ性口内炎や、HIV感染症による口内炎、薬剤による薬疹や多形滲出性紅斑などがあります。
口内炎だけでも、これだけの疑われる原因があります。
今回は口蓋にできていた症例
矢印の通り発赤が出現しています。
発赤しやや盛り上がっている部分と、潰れてアフタ形成しているのが混在しています。
症状としては軽度の接触痛と、舌で触れると「えぐれている」感覚とのこと。
発熱などを伴わないため、ウイルス性口内炎の可能性は低いですが確定に至らずなんとも。
完全な診断を下すには、採血したりして全身疾患の有無をチェックする必要があります。
接触痛があったためステロイド軟膏と、こまめな含嗽を指示して4日後に完全消失。
アフタ性口内炎で大丈夫だと思いますが、原因はわかりません。
口腔内は、全身の体調を映し出すところもありますので、免疫低下に伴う反応であることもあるし、複合的な要素が重なって起きることもあります。
しかし口腔内に何かしらできると不安ですよね。
自分も不安です。
大丈夫だろと思わず、気になったらすぐ歯科医院に相談しましょう。
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