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顎関節症の治療

2020/05/13

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

 

今日は、顎関節症のお話を。
しかし、顎関節症の方は非常に多いですね。

 

顎関節症は、虫歯や、歯周病に並び第3の歯科疾患とも呼ばれており、学校歯科検診でも取り入れられている一つです。

 

最近は、一般の方においても顎関節症というワードが定着し、顎が痛ければ歯科医院に行くという流れも確立されました。

 

 

 

顎関節症は非常に複雑であり、歯科治療において様々な問題に関わっています。

 

 

顎関節症というのは、いわゆる顎関節や、顎関節周辺の筋肉の痛み、関節の雑音、開口障害や、運動異常などをすべて引っくるめて顎関節症と言います。

 

 

そのため4つに分類されます。

 

 

I型:咀嚼筋痛障害
Ⅱ型:顎関節痛障害
Ⅲ型:顎関節円板障害
Ⅳ型:変形性顎関節症

 

 

どれかに分類される場合もあれば、I型とⅡ型など重複する場合もあります。

 

 

I型とは、いわゆる周辺筋肉特に咀嚼(噛み砕く)に関わる筋肉の痛みです。

 

筋痛の原因は不明であることが多いですが、食いしばりなどが一つ筋肉の拘縮を助長してしまい発症されることも考えられます。

 

 

Ⅱ型とは、顎関節痛障害ですので、顎関節への直接的な外傷(ぶつける、殴られる)や、内在性外傷といって、硬いものを無理に噛んでしまったり、大あくびをしたり、咬合が悪い場合などを起因として、出現してきます。

 

 

Ⅲ型とは、顎関節円板障害といい、関節周囲に存在する関節円板の位置異常のことを示します。

 

これはMRIにて確定診断ができる障害であり、顎関節症の中でも最も発症頻度が高くなり、顎関節症と診断を受けた6-7割の方がこのⅢ型に分類されます。円板障害はまた2つに分類されます。

 

 

Ⅳ型とは、変形性顎関節症とのことで、医科的疾患では、変形性膝関節症が有名ですが同様に、退行性病変の一つになります。

 

 

 

このように、顎関節症には様々な種類があります。まずご自身がどの型に当てはまるのか、またどの型とどの型が合併しているのかを歯科医院で確認する必要があります。

 

 

よく顎関節症があるから、マウスピースを作るというセットのように考えている方もいますが、これは大きく間違っており、しっかりと顎関節症のフェーズを考慮した上で、マウスピースなどの設計、素材含めて治療すべきであります。

 

 

マウスピースを入れることで、顎関節症が悪化する場合も症例によってはありますのでね。

 

 

ちなみに近年の顎関節症の治療においては、外科的な対応を取ることは非常に稀になります。

 

顎関節内部の関節円板や顎の骨の変形が大きい場合や、その他の指導、理学療法を行なっても痛みがすごく強い場合、口が一切開かない場合には、稀ですが、外科的処置を行います。

 

話はそれますが、口腔がんなどにより顎関節を含めて摘出した方のための、人工顎関節というのも存在します。

 

人工股関節は、一般的ですが人工顎関節もあります。

 

 

顎関節症の進め方としては、出来るだけ保存的で可逆的な治療を行うようにしましょう。

 

というのも、顎関節症の自然経過を調べた研究によると、顎関節症の多くは時間経過とともに改善され、治癒していく疾患であることが示されています。

 

 

顎関節症がひどいからといってむやみに歯を削ったり抜いたりしてしまうと元には戻れませんので、しっかりと歯科医師と相談して治療を受けるようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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