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歯根破折での保存不可能な歯
2020/04/24
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
さて先日行ったインプラント治療。
定期的に来院されていた患者様。
以前より左下が腫脹することが多く、口腔内においても破折している所見が得られる状態。
抜歯の必要性を以前より説明していましたが、ギリギリまで残したいということで、月1回のSPTで管理していましたが、いよいよ今回、動揺も認めてきており食事でも不便になってきたため抜歯を希望されました。
抜歯前のレントゲン。

このように破折した根が浮遊してしまっている状態。炎症も認めるためこのままの状態では感染が一気に広がってしまいます。
特に下の臼歯部は神経が走行していることと、顎下
リンパ節が存在することから炎症が波及することで全身的な影響も様々出現してしまうことがあります。
予定通り、抜歯し不良肉芽組織をしっかり掻爬。
かなり大きく膿が溜まっており、骨吸収も顕著に確認できました。
骨造成を一部行い閉鎖し、期間を空けます。

CT撮影を行いインプラント。
歯根破折で観戦した骨の回復も徐々に認めてきているのがわかります。白い部分が骨です。順調に回復傾向。
レントゲンにてインプラントの手前の歯の歯根部に黒くなってきていますね。
インプラントの予後にも関わるところなので、今後根管治療を行っていきます。
歯根破折による、感染の広がりは非常に速いと言われます。そのため、対応が遅れることで抜歯後に骨造成が必須になってくることもあります。
ちなみに骨造成はインプラントを行わないのであれば必須ではありません。
もちろん、ブリッジを作るにしても骨造成ができて骨を作ることができた方が、最終的なブリッジの清掃性だったり予後は良くなります。
骨造成の話はまた今度にしておきます。
しかし、破折し腫脹を繰り返す歯を残しておくことは全身的にも非常にマイナスです。
ずっとそこで炎症反応が起き続けてしまうからです。
慢性炎症というものは、人間の寿命を短くしてしまう要因であることが近年のアンチエイジング医学でわかってきています。
残したい気持ちもわかりますが、保存がどうしてもできない歯に関しては、早期に抜歯を行い他の歯や、全身臓器へのダメージを最小限に止めるようにしましょう!
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監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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