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骨粗鬆症の方の抜歯について

2020/04/22

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

 

今日は、骨粗鬆症の話題を。

骨粗鬆症とは、骨粗鬆症は骨強度の低下を生じる、特に閉経後の日本人女性に多い病気です。

 

背骨や手首、股関節の骨折の原因となり、場合によっては生命の危機をもたらすこともあるので、予防や治療が重要です。

 

 

 

骨は古くなると壊され(骨吸収)、新たに形成された骨と入れ替わるようになっています。この骨吸収と骨形成のバランスが骨吸収側に傾き、骨がスカスカの状態になるのが骨粗鬆症と言います。

 

骨折をきっかけに整形外科で検査して、骨粗鬆症と診断され内服を始める方が非常に多いです。

 

 

骨粗鬆症の診断を受けた場合に、投薬される薬は「ビスフォスフォネート製剤」と呼ばれるものと「デノスマブ系(ヒト型抗RANKLモノクロナール抗体製剤)」が多い様子です。

 

 

ちなみにこれ以外にも、女性ホルモン系や、カルシウム系など様々な薬剤があります。

 

 

なぜ、「ビスフォスフォネート製剤」と「デノスマブ系」を取り上げたかと言うと実は歯科治療を受ける上で非常に要注意な薬だからです。

 

 

これらの薬を一定期間以上服用中に、抜歯やインプラントなどの外科的な治療を行うと、顎の骨が露出して膿んでしまったり(顎骨壊死)、腫れたり、炎症がひどくなると言う副作用があります。

 

 

 

 

専門用語では、広く薬物関連顎骨壊死(MRONJ)と呼ばれ、ビスフォスフォネート製剤による顎骨壊死をBRONJ、デノスマブによる顎骨壊死をDRONJと言い、BRONJとDRONJを合わせてARONJと呼ばれています。

 

 

あまりにも顎骨壊死の進行がひどい場合は、顎骨切除という外科的な処置を行わなければならない場合もあります。

 

 

一度顎骨壊死が起こると、自然治癒は困難か、あるいはかなりの長期間を要することがあります。

 

 

最近では、骨粗鬆症の内服や注射が始まるとカードをもらうことが多く、歯科に通院していたら必ず見せるようにと指示されるようです。

 

 

最近は、ARONJの患者さんが非常に増えています。痛みなどの症状を伴わない場合もあるので、抜歯後ずっと膿が出ているんだよねって初診で来られる患者さんもいらっしゃいます。

 

 

で、どうすれば良いかというと、
①基本的に骨吸収抑制薬を服用する前に歯科治療を開始することが一番大事です。

 

 

しかし、そうもいかず服用が始まっている状態であれば、
②累積投与量が少ないうちに治療を行う=なるべく早めに。
③薬の変更や休薬をお願いする。

 

 

しかし、③については現段階ではほとんど行いません。というのも、休薬や一度骨吸収抑制薬を服用した後での変更は、ARONJ発生を予防するか否かは不明であるためです。

 

 

また、ARONJの発生リスクよりも骨折予防のベネフィットが優っていることから、最近ではほとんど休薬などをすることはありません。

 

 

ですので、顎骨壊死をある程度見越して抜歯するか、そこまで抜歯をするベネフィットを考慮した上で治療を行う必要があります。

 

もちろん、内服していてもARONJを発症することがない場合もありますからね。

 

 

でも一番は、内服開始する前に歯科でしっかり見てもらうこと。ということは、定期的に歯科で検診を受けておくことが何よりも大切となります。

 

 

内服される前に、歯科でしっかりと口腔内のチェックを受けましょう!

 

 

 

 

 

 

 

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