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永久歯の先天性欠如

2019/12/14


 
先日、永久歯の欠損の疑いがありレントゲンを撮った際に永久歯が先天的に3本欠損している子供がおられました
永久歯が先天的に欠損するのはそこまで珍しいことではありませんが、患者さんは不安に思うことも多いと思いますので
今回は、先天欠如があった場合によく聞く不安とその後の対応についてお話ししたいと思います。
 
・乳歯が脱落する年齢になったけれどまだ萌出してきていない
・乳歯の歯並びが気になる
・乳歯をこのまま残しておいて良いか不安
 
乳歯列と呼ばれる乳歯だけの時期の完成がおおよそ3歳くらいになります。
すべての乳歯が萌出すると、通常口腔内には20本の歯が存在します。
そして、6歳前後より、まず下の前歯から永久歯が萌出してきます。そして小学校を卒業する12歳くらいになると、すべての歯が永久歯に変わります。
簡単に覚えると、小学校に入る前までに乳歯列が完成し、小学校の6年間で永久歯に移行されるということです。
 
もちろんこの年齢というのはあくまで目安になります。
個体差はありますので、他の子とペースが違ってくると不安になるかと思いますが、1.2年程度の差であれば、早くても遅くても問題はありません。
逆に問題があるのは、いつまでたっても乳歯が残っている子供です。
 
乳歯がいつまでも抜けないということは、乳歯の下に永久歯が無い可能性があります。
永久歯が「無い」場合はいつまで待っても当然永久歯は生えてきません。
このように、そもそも永久歯が生まれながらに無いことを「先天性欠如」と言います。
実はこのように、もともと歯がない子供は近年増加の傾向にあります。
 
小児歯科学会が2007年に行った調査では、歯科を受診した子どもの10.1%は、永久歯の先天性欠如があったという結果が出ています。
100人子供がいたら10人以上は歯が生まれながらにして少ない子供がいるのです。
 

 
かなりの確率で先天性欠如を認めるわけですが、先天性欠如を認めることで起こる弊害があります。
 
・歯並び
歯というものは隣同士の歯があることでその位置を維持しています。隣にある歯の形や大きさ、角度も非常に歯並びには大切な要素となります。
乳歯が脱落し、先天性欠如で歯がない場合は永久歯は欠損している方へ、傾いていきます。
また乳歯が残っている場合でも、永久歯より小さい場合や、逆に永久歯より大きい場合歯並びを悪くする原因となっていまします。
そして永久歯がない場合の乳歯は、抜歯せずに出来るだけ大切にするべきですが、どうしても自然に20歳前後で抜けてしまうことが多いです。
しかし、コジデンの患者さんの中には70歳を超えても乳歯が存在し、しっかりと使用できている方もおられます。
 
まず今できることとしては、お子様に先天性欠如の疑いがあると思ったらすぐに受診しましょう。
 
先天性欠如に対する処置方法としては、
1.ブリッジやインプラント
2.歯並びの矯正治療を行い、隙間を埋める
の2パターンがあります。
 
欠損により治療内容は異なってきます。乳歯でも早めに治療に介入することで長期間保存することも可能な場合があります。
 
小学生に入ったら一度、全体的なレントゲンで歯の本数を必ず確認しましょう!
 
 
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