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残根どこまで残すか

2023/06/17

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 
ご高齢の方で義歯の下に残根として歯がある方は比較的多くいらっしゃいます。
 
高齢になると服薬も増えるほか、全身的な影響や体力を鑑みて抜歯を選択せずに、残根とする選択することも多々あります。
 
感染のない残根は残すことのメリットとして、義歯でも噛んでいる感覚を得ることができるということです。歯というのは神経をとってもとらなくても、歯の感覚というものが存在します。
 
歯がある限り歯根膜という組織は保存されるため、この歯根膜はいわゆる感覚受容器。
 
歯がそこにある、物が詰まっている、噛むと痛む。このような感覚を得ています。
 
よって例え義歯にしても、下にもし歯があると噛んでいる感覚を不思議と得ることができます。
 
残根の状態で義歯を作成することのデメリットもあります。
 
残根であるため清掃不良になりやすい。残根はとても小さく奥歯になってくると磨くのがかなり難しいです。ほとんどの方は残根部を磨くことはありません。よって虫歯に罹患しやすかったり、残根周辺の歯肉が顕著に腫脹しています。
 
デメリットのもう一つが義歯が割れやすくなるということです。
 
義歯は咬合の時に沈下、いわゆる沈み込みが起きます。
 
歯がないところは粘膜に沈み込み、残根があるところは沈み込まずに止まる。被圧偏位量の差と専門的に言いますが、その差により義歯が残根の真上で割れてしまうことがあります。
 

 
メリットとデメリットで言ったらデメリットの方が多いけれども、服薬や体力で抜けないという方は残根部の処置を含め行っていますのでお声掛けください。
 
 
 

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