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認知症と入れ歯
2021/05/19
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
当院では毎日訪問診療に出ています。
そのためご高齢で歯科医院に通院できなくなった方や、身体が不自由な方などご自宅や施設などに行き治療やケアをしています。
今日はその中で気になったことがありました。
入れ歯を上下で使っていた方。
入院をきっかけに外している期間が2-3ヶ月ほどあったとのこと。
口からの食事に戻したいので、ご家族の方から合わせてほしいと依頼がありみてきました。
口腔内拝見すると確かに粘膜は痩せ義歯が不適合になっている状態。
義歯は利用できそうでしたので、新製せずに修理することに。
床適合といって、既存の義歯の内面に材料を入れて現在の粘膜と合わせる。義歯の大きさ、噛み合わせも変えずに修理が可能な方法です。
実際、修理を行い適合は良好、外れにくくなりました。
噛み合わせの高さも変化なく、今まで通り使用できる仕様にしましたが患者さんは
「義歯が大きく口がいっぱいではめられない」
義歯のサイズは変わらず、高さも変えていない。適合だけぴったりと合わせた状態ですがこのような感想でした。
軽度の認知症がある方ですが、おそらく考えられる原因として外している期間が2-3ヶ月あった事による口腔内粘膜や筋組織の退行性変化によるもの。
口腔周囲は数多くの筋肉により構成されていますが、義歯を外している期間が長かったり口からの摂取をしていなかった場合口腔内周囲の組織及び筋肉が衰えてしまい口腔内が狭くなったり、義歯が異物として感じやすくなることがあります。
口腔内に限らず、高齢者以外でも例えば脚を骨折してしばらく入院や松葉杖で生活していると、その後外してもすぐ前と同じように歩いたり走ったりすることはできませんよね。よく脚の太さが変わるということが言われますがリハビリが必要になったりします。
口腔内も同じです。
口腔内は食事を摂るために毎日動き、義歯が入っていれば周辺組織に刺激を加えて義歯を安定させます。
外している期間が長く、口腔内から食事を摂っていない期間が長ければ長いほど義歯は異物として感じやすく、飲み込みもうまく行かなくなります。
今回は、義歯装着後から口腔のリハビリをスタートしました。
口腔周囲筋のマッサージや、口腔体操含め介護士と家族とともに日々トレーニングしてもらい口腔組織の復活に向けての取り組みを行いました。
義歯も出来るだけ口腔内に装着しておくことと、以前の形より少し小さくしたりなどして現在では使用できる状態まで来ました。
どんなに良い義歯を作っても使用する個体側の状態が整っていなければ成立しません。
せっかく義歯があるのに使っていない方がいればご相談ください。
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