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歯根湾曲した親知らず
2020/07/31
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
親知らず抜歯において、抜歯の難易度というのがあります。
どんなに埋まっていても、根が細かったり、単根という一つだけの根のみの場合は分割抜歯でも意外と簡単に抜けます。
抜歯の難易度を決める要素は様々ありますが、本日は歯の形態による難易度の解説をしたいと思います。
1・単根
2・複根
3・歯根開大
4・歯根肥大
5・湾曲歯根
6・歯根の骨癒着
思いつく限りあげていきましたが、6に近づくにつれて難易度は上がります。
まず単根。
実際は2根ありますが、単根に近い形をとっています。
複根であっても、根の先端にかけて閉じていくこのようなタイプは、埋伏していても難易度は比較的低いです。ツルんと抜けてきます。
次に複根。
明らかに2根認めます。
単根に比べれば、がっちりしているのでツルんとは抜けてこないことが多いです。
しかし、分割せずゆっくり取り出すことができます。
次に歯根開大
複根であり、歯根が外を向いて末広がりを見せるのが歯根開大の特徴です。
この場合は、開大しているため一塊にして抜けないことがあります。
真ん中で分割して、根を別々にして抜歯する分割抜歯が必要となります。
次に歯根肥大
このレントゲンは肥大っぽくはないのですが、やや根の先端付近で肥大していました。肥大している根の場合は、なかなか抜歯できません。
周辺の骨を削合していく必要があります。
次に歯根湾曲
根が一見短いように見えますが、実際は裏側にグニャっと曲がっています。
湾曲している場合は、いくら力を加えても抜歯されません。
力をかけすぎることで、歯が折れてしまったり、最悪下顎骨の骨折に繋がってしまいます。このような場合は、地道に根を短く分割していくしかありません。最終的な湾曲した根は、細い器具で取り出します。
最後に歯根の骨癒着。
写真はありません。
基本癒着している親知らずは当院では抜歯をしていません。
というより、必要性がないことが多いです。
骨癒着とは、その名の通り、根が周辺の骨とくっついてしまう状態です。
この状態だと、歯は抜けてきませんので、癒着している部分を削っていきとるしかありません。
基本的にこのように歯の形態によって抜歯の難易度は変わってきますが、さらにここに神経との距離の問題や、骨質の問題など様々な要素が絡み合うことでさらに難易度が上がる場合もあります。
ちなみに、今回湾曲歯根の抜歯を行いましたが非常に大変でした。神経と距離がかなり近接しており、神経周辺で湾曲していました。
逆の親知らずを別の医院で抜歯した際は、神経麻痺が半年続いたとのこと・・・。まだあるけど慣れてしまったというが。
今回も十分に、神経麻痺のリスクを説明して無事に終了しております。
親知らずにおいても、個体差がありますので人それぞれ違います。
友達や家族から抜歯はすごく大変だって聞いたということで、躊躇される方も非常に多いです。
しかし根によっては簡単に抜けてしまう場合もあります。
これらは歯科でしっかりとレントゲン撮影を行い状態を把握すればわかります。
気になる方は、一度歯科でチェックしてもらいましょう。
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