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抜歯後の腫脹と疼痛の出現について
2020/07/27
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
当院においても、親知らずなどを含めた抜歯を行う方は非常に多くいらっしゃいます。
抜歯前に必ず抜歯後の注意事項などを説明はしておりますが、今回は改めて抜歯後に起こる可能性があることを解説していきたいと思います。
抜歯において、
「どのような状態の歯をどのように抜歯するのか」
によって治癒経過というのも異なってきます。
・親知らず抜歯
・保存不可能な残根の抜歯
・歯周病の進行による動揺歯の抜歯
・埋伏している歯の抜歯
・矯正治療に伴う便宜抜歯
以前ブログで、骨の質と抜歯について話をしました。
結論から先に言うと、下の歯の抜歯の方が上の歯の抜歯に比べて術後痛くなりやすいです。
これは、骨の特徴でもある皮質骨と海綿骨のバランスの違いというのがあります。
下のアゴの骨は奥に行けばいくほど、いわゆる親知らずの位置に近づくにつれて骨は強固になっていき皮質骨も厚くなってきます。
そのために下の親知らずは抜歯する際に苦労することが多いのですが、術後の痛みも非常に強く出現しやすいです。
そして、骨が厚い、いわゆる皮質骨が厚いとその分血流量は減少し術後のドライソケットのリスクが高まります。
骨質にも分類が存在し、CTをとることで明確に骨の硬さの分類ができます。
D1〜D4という分類があり、特にインプラント治療などにおいてインプラント体と骨がしっかりと結合できるかどうかの判断基準にすることがあります。
上の骨は非常に血流量が豊富であり出血しやすいですが、痛みはほとんど出現しない、もしくは痛みが出現しにくいのが特徴です。
ここまでは、組織的な観点でのお話。
では、日常生活ではどのようなことに注意すべきでしょうか。
上記で挙げた痛みというのは、ある程度避けられない点ではありますが、日常生活において気をつけておかないと、痛みを助長させてしまったりすることがあります。
・抜歯後の飲酒、喫煙
・抜歯後の激しい運動や長風呂
・強くうがいをしてしまう行為
・不規則な生活習慣
抜歯という行為は、違う観点で捉えると口腔内に大きな傷を作ることとなります。もちろん、必要であるから抜歯するのですが・・・
そのため、他のケガの時と同じような対応が求められます。
抜歯した部位には、血液が集まりそれが固まることで組織に変わります。
しかし、治すための血液が過剰に集まることで腫れてしまったり、逆に血液が少な過ぎると、治す力が弱くなり痛みが出現してしまうことがあります。
また最も怖いのが感染です。
口腔内には、多数の口腔内細菌が存在します。
出血などを伴う処置を行った場合、そこから細菌が侵入し全身的な悪影響を及ぼすこともあります。菌血症とも言います。
また細菌が抜歯部位に入り溜まることで膿んでしまうことがあります。
こうならないためにも、術後は絶対的に安静にすることが基本的な原則。
そして、処方された抗生剤の服用をすることが大切となります。
痛くないから大丈夫。
少しぐらいの痛みであれば、気合いで大丈夫。
と油断していると、全身的な影響が出現することが稀にありますので要注意です。
抜歯後の痛みに関しては、
・内服薬による処置
・ドライソケットの場合は、パックなどによる治療
・洗浄
このようになってきます。
抜歯後1週間経っているけど、痛み止めを数時間おきに飲まなくてはいけないという状態は、何かしら炎症が出現してきている可能性が高いです。
無理せず我慢せず早めに受診するようにしましょう。
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