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下歯槽神経麻痺への早期の対応

2020/07/04

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

埋まっている親知らずの抜歯において考慮すべき項目はいくつかありますが、その中でも神経へのフォローは非常に重要なフェーズであると考えています。

 

本日は、神経麻痺についてのお話です。

 

以前麻痺の相談でもあったのですが、下の親知らず抜歯において埋伏しているケースや、神経に近いケースは、術後神経麻痺が出現することがあります。

神経に触れている親知らず

 

 

以前のブログでも、書きましたが抜歯に伴う神経の麻痺のリスクというのは必ずあります。

 

歯自体が神経に触れていれば、抜歯後にほぼ間違いなく麻痺が出現しますし、神経に触れていなくても、神経に近い位置の抜歯を行えば、骨内での骨伝導などの刺激により、術後一時的な麻痺が出現することがあります。

 

このように触れている場合は、術後麻痺が出現します。このケースも抜歯後に知覚麻痺が出現しました。

 

事前に、CT撮影にて神経に触れていることを患者さんと確認し、術後の麻痺についても説明していました。

 

術後麻痺は2週間で消失し、現在はなんともない状態です。

 

抜歯後の神経麻痺のポイントは、麻痺発症後に出来るだけ速やかに、投薬を含めた治療を行うことです。

 

多くの口腔外科の先生も共通して、神経麻痺に対しての治療は発症後2-3ヶ月の治療介入が最大のポイントであると言っています。

 

逆にそれ以上であると、特に一年以上経過してしまうと症状が固定されてしまい、自然治癒を期待するほかなくなり、治療という治療が無くなります。

 

対症療法としての、神経ブロックや東洋医学による治療はあるかもしれませんが、明確なエビデンスがありません。

抜歯後の痛みというのは、ドライソケットにならなかったり、痛みに対して強い方は、抜歯後の来院回数として2回程度で終わってしまいます。

 

神経麻痺が出ていても、これぐらいは抜歯後の違和感だろうということで放置してしまう方もいると言います。

 

神経麻痺が出現するかどうかは、CTなどにより確実に触れていると診断できた以外は、抜いてみないとわからないということが多いです。

 

事前に、全て説明して行っておりますが、全ての患者さんでCT撮影をするのも被曝量に対するベネフィットを考慮すべきですので、現実的ではありません。

 

もちろん希望あれば行いますが、必要ないケースも多々あります。

 

抜歯後の痛みに隠れて麻痺がある場合もあります。
何か抜歯後変だな?と思ったらすぐ歯科医に相談しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員