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神経に触れている親知らず

2020/02/20

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

「親知らず」

 

成人してから萌出するため、親が知らない(親元を離れてから)ことからその名前がついたとも言われ、正式名称は

 

「第3大臼歯」

 

しかしほとんどの日本人は顎骨が小さいためしっかりと萌出することができずに引っかかってしまうか、埋まってしまうか。

 

大人になるとそんな引っかかっている親知らずに痛みが出現したり、腫れたりなど起きますよね?

 

ほとんどの方が経験されると思います。

 

そのような炎症をきたす親知らずは極力抜歯した方が良いと考えます。

 

逆を言うと、炎症をきたさない親知らずは抜歯する必要はあまりないとも考えられます。移植ドナーにできたりする場合もありますしね。

 

炎症というのは、歯肉が腫れることがあったり顎が腫れることがあったり、隣の歯に虫歯ができてしまったり、歯並びに影響が出てしまったり様々あります。

 

親知らずを抜歯したくても、
「横に萌出しているから抜歯が難しい」「神経が近いから抜歯が難しい」「術後麻痺の可能性がある」
そういったことで長年放置してしまい、結果手前の歯や本来大切にすべき歯が壊れていることもあります。

 

コジデンでは、親知らずは必要があれば抜歯を行っています。

 

今日はそんな長年放置してしまい手前の歯に影響を与えてしまった親知らずの紹介。

 

右下の親知らずの状態を見てみると、かなり深い位置に埋まっていることがわかります。

 

 

このレントゲンはパノラマ撮影ですので確定診断できませんが、顎の下に走行する下歯槽神経に接している可能性が高いことがわかります。

 

この親知らずが埋まっていることで、手前の歯との間にスペースが生まれ細菌が侵入。

 

かなり深いですので、ブラシや器具が届くのは不可能。

 

このまま置いておくことで、手前の歯が動揺して抜歯が必要になってしまうことも将来考えられます。

 

 

今まで歯医者さんでは、神経に接しているから口腔外科に紹介となる、抜くのは大変だからうちでは無理だと言われていたそうです。

 

 

全然話が変わりますが、神経に接している状態であれば口腔外科で抜こうと、どんな名医が抜こうと神経麻痺は出現します。これは物理的な話です。

 

先日、口腔外科の先生と飲んでいた時に「開業医の先生から抜歯依頼されるけど、神経に触れてたら術後の程度は変わるかもしれないけど、根本的に麻痺は必ず出るよね。けど

 

開業医の先生は、口腔外科なら大丈夫って暗示を患者さんにかけてから口腔外科にくるから辛い・・・」ってww

 

話は逸れましたが、神経とどのように絡んでいるかを精査しなくてはということでCT撮影をすぐ実施。

コロナル像

うん、触れている。

アキシャル像

 

ギリギリ触れている感じ。

 

 

ということで、患者さんには抜歯するけれど確実に麻痺が出ることを説明し抜歯の承諾を得ました。

 

 

下歯槽神経というものは、感覚神経と呼ばれいわゆる粘膜や組織の感覚を司る神経です。

 

筋肉が引っ張られて顔の形に影響を与える顔面神経とは異なり(運動神経と感覚神経)、筋肉の運動に作用することはありません。

 

 

そのため、たとえ下歯槽神経が障害されても、顔が歪んだり筋肉が動かなくなることはありません。

 

それに顔面神経は、顎関節の方に位置していますからね。

 

 

さて術後の麻痺に対しては、どのような治療法があるかというと、薬物療法や星状神経ブロックやレーザーなどが使われます。

 

薬物としては、ビタミンB12やATPと言う薬が使われますが、神経が切断されていなければ時間の経過を待つしか無いような印象です。

 

最近では、マイヤーズカクテルなどのビタミンB群やミネラルを中心とした点滴が術後すぐ開始することで効くという報告があります。

 

当院でも行っておりますが、点滴に関しては保険外診療になりますので・・・それに複数回行わないと効果がどうなのか。

 

 

親知らずの抜歯に伴う、神経麻痺の頻度は、文献によると、3.4から6パーセントです。

 

私の開業してからの経験では、今まで4症例親知らずの抜歯での麻痺経験があります。

 

全て治癒済みです!

 

先日どれぐらいの親知らずを抜歯しているのか調べると、年間で約240本抜歯していました。

 

一日一本以上はある計算ですね。

 

開業して7年ですから単純な比例計算で麻痺と出会う確率は0.2%。

 

コジデンでは、年齢が50歳ぐらいまでなら埋まっている親知らずは基本全て紹介せずに行っています。

 

もちろん希望があれば紹介しますが。

 

50歳以降になると骨癒着のリスクが出てくるので、骨癒着や全身疾患がありコントロールが難しい方は紹介しています。

 

今回の方は、抜歯後やはり軽度の麻痺が出現しましたが一週間で麻痺の症状は消失傾向。

 

1ヶ月かけて違和感程度。3ヶ月で完全消失しました。

 

もう腫脹もしなくなり、歯ブラシもしやすくなり快適に生活できているようで何よりです!

 

 

親知らずは基本抜歯した方が、予防歯科的には良い場合が非常に多いですが、どうしてもしたくない方はしっかりと定期検診しながらチェックして残せるようにコントロールしています。

 

 

ただ抜歯希望しなくても、状況とリスクだけは知ってそれに対してコントロールした方が良いです。

 

 

親知らずで悩んでいる方は、お待ちしております!

 

 

 

 

 

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