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妊娠性歯肉炎とは?

2020/02/06

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

女性の皆さん、妊娠中に歯肉から出血しやすいって知っていますか?

「歯周病と妊娠では何の関係があるの?」と思われるかもしれませんが、一般的に妊娠中は歯周病が悪化しやすいといわれており、妊婦さんが歯周病を患っている場合、低体重児出産や早産のリスクが高まるというデータが多くあります。

歯周病とは、プラーク(歯垢)の中に棲む細菌によって歯茎に炎症が起きる病気です。

そして症状は、2段階に分けられており、まず第一段階にあたる「歯肉炎」では、歯茎が炎症を起こして腫れたり、出血したりします。さらに、症状が進むと、第二段階である歯を支える歯槽骨にまで炎症が及ぶ「歯周炎」と呼ばれる状態になり、歯を支える骨が徐々に溶かされて、グラグラしてきてしまい最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

このように、歯周病は最終的には歯を失う可能性もある怖い病気ですが、歯周病を引き起こす細菌は1種類ではなく、複数種類いることがわかっています。
最近コジデンで導入したサリバテストでは歯周病菌が特定できるのですが、その中のひとつに「P.i.菌(Prevotella intermedia)」という菌がいます。

これは女性ホルモンの一種である「卵胞ホルモン(エストロゲン)」を栄養源=餌として増殖するのが特徴です。

男性よりも女性のほうが歯周病にかかりやすいのは、この歯周病菌が増えやすいことが原因であるといわれています。

妊娠期は、これら女性ホルモンの分泌量は増え、なんと普段の10~30倍になるといわれています。
また、エストロゲンと同様に分泌が増えるプロゲステロンには、炎症を誘発するという特徴もあるため、歯周病が悪化しやすい状態となってしまうのです。

妊娠期間中にかかる歯周病は「妊娠性歯肉炎」と呼ばれ、その典型的な症状は、歯茎が赤く腫れ上がったり、出血したりすることです。

さらに、冒頭でもお話ししたように、妊娠中の女性が歯周病にかかっている場合、低体重児の出産や早産のリスクが高まることがわかってきました。

歯周病が、低体重児出産や早産となるリスクは喫煙や飲酒、高齢出産など、ほかの要素に比べて何倍も高く歯周病ではない方の7~8倍リスクが高いといわれています。

また、妊娠性歯肉炎とは別に「妊娠性エプーリス」という良性腫瘍ができる場合もあります。歯茎や口腔内粘膜にできるニキビのようなできものができます。

これも女性ホルモンの影響によるもので、分娩後に自然消滅することがほとんどですが、産後に消失していない場合は、切除することもあります。

では、妊娠中の歯周病を予防するためには、いったいどうすれば良いのでしょうか。

妊娠中の歯周病予防には、歯の表面についた歯垢をしっかり除去する「プラークコントロール」が何より大切です。

プラークの除去は毎日のブラッシングが基本ですが、つわりがひどいときは、歯ブラシを口に入れただけで吐き気を感じてしまう場合もありますし、うまく歯磨きができないことも珍しくありません。

そのようなときは、まずはデンタルリンスなどを使ってうがいをし、気分が良くなるのを待ってから磨くといいでしょう。ヘッドの小さい歯ブラシを使うと吐き気を催しにくいので、子供用の小さい歯ブラシを使うのもおすすめです。

最近オススメしているのは電動歯ブラシが効率よく短時間でできます!

妊娠中は、つわりによる胃液の逆流で口の中が酸性になりやすく、虫歯ができやすい時期でもあります。

生まれてくる赤ちゃんのためにも自分のためにも、セルフケアだけでなく、必ず妊婦歯科健診を受診するようにしてくださいね!

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