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食後30分は歯磨きしてはいけない?

2019/12/28

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

さて、今日は最近よくいただく質問を解説していきたいと思います。

Q:「食後30分は歯磨きしてはいけないというのは本当ですか?」

特に、お子さんの歯磨きでお母さん方から質問があります。
基本的には、すぐ磨いて大丈夫です。
その理由としては、虫歯をつくる細菌が多量に含まれる歯垢(プラーク)と食後、口の中に残留する糖質を早く取り除くためです。
しかし、新聞やテレビで食後すぐ歯を磨くと歯が溶けてしまうと伝えることもあります。

これらの報道の元となったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中に戻しその後の歯磨き開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、虫歯とは異なる「酸蝕症」の実験による見解です。

実際の人の口の中では、歯の表面には象牙質ではなく、エナメル質により覆われているため酸性飲料を飲んだとしてもエナメル質への酸の浸透は象牙質よりずっと少なく、さらに唾液には酸を中和してくれる働きと再石灰化の働きがあるため酸性食品を頻繁に摂取しない限り、すぐに歯は溶けないようになっています。
子供における歯磨きの最大の目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことです。

歯磨きをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶け出す脱灰が始まります。

このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできる虫歯と、酸性食品が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。

結論としては、通常の食事の時は早めに歯磨きをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。

歯を磨くチャンスも食後の方がわかりやすくセットで考えられて良いと私は思います。

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