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インプラント治療の費用はどれくらい?高額な理由と1本あたりの値段を解説
2023/06/15
最近よくテレビなどでも耳にするようになってきたインプラント治療ですが、治療内容について分からない方もいるのではないでしょうか。
高額な印象を持っている人もおり、治療に二の足を踏んでいる人も少なくありません。
治療の流れもあまり知られていないのが現状です。
インプラント治療を検討しているのに躊躇している方のために、治療費用など詳しく説明していきます。
歯のインプラント治療とは?
歯のインプラント治療とは、歯を失った場合に行う治療の一つです。
顎の骨に埋め込む人工歯根のことを「インプラント」と呼んでいます。
適応範囲は広く、虫歯や事故などで歯を失った場合だけでなく先天的に歯がない場合にも治療が可能です。
また、一本づつ独立しているため何本でも対応できます。
治療方法は、まず骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋め、そこにアバットメントと言われる人工歯根と義歯を連結させる部品を取り付けます。
そしてそこに義歯が被せられるという構造です。
審美性に優れており、自分の歯と変わらない咀嚼力があるためQOLの観点からもメリットが大きい治療と言えるでしょう。
入れ歯やブリッジにかわる方法として注目されていますが、実は保険適用では無いため治療費が高額となるので注意が必要です。
治療期間は半年程度と長期間に及び、また、麻酔を行う手術となるため麻酔の適応が必要となります。
インプラント治療の相場は30~40万円
インプラント治療はインプラント、アバットメント、上部構造の3箇所の総額が治療費となります。
それぞれにどの素材を用いるかによって価格は大きく変動するのです。
また、インプラントは非常に高度な技術を要する治療であり、事前にしっかりとしたカウンセリングを行うのはもちろん、3DCTの撮影や診察料が必要となります。
保険適用では無いため高額となり、費用相場は1本30万〜40万円です。
極端に顎の小さい方や歯槽膿漏が進んでいる場合など、骨の状態によっては人工的に骨を作ったり強化したりする必要があるため、その費用が別途必要となるので事前カウンセリングをしっかりと行いましょう。
メーカー別 インプラントの値段
インプラントは、国内、海外と様々なメーカーのものがありますが、体内に埋め込むものなので信頼できるブランドのものを選ぶ必要があります。
実はインプラントは各メーカー毎に規格が異なります。
顎の骨の状態や周囲の歯とのバランスを考えて、どのメーカーが最適なのかを選ばなければいけません。
メーカーによって価格に大きな差があるので、適応と価格のバランスを考えて選びましょう。
京セラは16万円~
京セラは日本最大手のインプラントメーカーで、日本人の小さな骨格に適合しやすいのが特徴です。
3種類が展開されており、POIでは1回法・2回法対応、FINESIAでは同一器具で直立でき治療時間が短く低コストが実現しています。
FINESIAはボーンレベル・ティッシュレベル・1ピースタイプの3種類があり、治療部位により選択が可能です。
この3種類は同一器具が使用可能なためコストを抑えることができます。
POI EXの特徴は豊富な人工歯根です。
多様なケースに適切なものを選ぶことができ、自然な仕上がりができます。
EMINEOには27種類のラインナップがあり、表面のブラスト処理により骨結合を促進させます。
価格もリーズナブルで16万円程度となっており国内シェアNO.1のインプラントです。
ストローマンは30万円~
ストローマンインプラントは、長期間の使用が科学的に証明された安心できる製品です。
10年後の抜歯率が0.5%と非常に低く、長い間使用できることが証明されています。
手術が1回で良いSやSPをはじめ、骨移植が必要な時に使用できる BL、オペ当日に歯を入れることのできるBLT、適用幅の広いBLXなど様々な症例に対応したラインナップがあります。
ストローマンのインプラントは2ヶ月で歯を入れることができるのも特徴です。
世界ナンバーワンシェアを誇っていることからも安心して使用できるインプラントと言えるでしょう。
しかし、やはり費用は高額となり、チタンの場合30万円程度、アレルギー対応のジルコニアを使用すると50万程度が必要となります。
ノーベルは35万円~
ノーベルバイオケアの製品は高品質であり、世界的にも高い信頼性があります。
中でも最も信頼性の高いのがブローネマルクシステムです。
50年という長期間機能したケースもあるほどで、臨床実績も歴史も信頼性においても定評があります。
骨が極度に少ない症例においても骨造成無しで対応が可能なのが特徴です。
費用は35万円以上と高額ですが、治療期間の短さ、長期間機能の信頼性は抜群と言えるでしょう。
ブローネマルクシステムに改良を加えたのがボーベルスピーディグルービーシステムでオールオンフォーと呼ばれる治療法に最適な製品です。
この製品を用いることで低コストで総入れ歯をインプラントに入れ替えることが可能となりました。
インプラント治療はなぜ高額なのか
歯がなくなってしまった場合、今まではブリッジか入れ歯を行なってきましたが、場所によっては使いにくいという問題がありました。
そこで第3の方法として、インプラント治療が注目を集めたのです。
しかしインプラントには費用が高額という大きなデメリットがあります。
ここではどうしてインプラントが高額なのか、その理由について解説します。
前衛処置が高額になるから
インプラントが高額な理由は、高度な技術が必要だからです。
ただ単に骨に歯を埋めるというものではありません。
骨のどの部分にどの角度でどれだけの深さに人工歯根を埋めるのか、ミリ単位での測定が必要です。
また、骨はバリアがなく細菌感染には最新の注意を払う必要があります。
手術は全身麻酔にて行われるため、麻酔に対する検査も必要です。
このことから、前衛処置が非常に大事となります。
3DCTでミリ単位で計測を行う必要があり、麻酔のための血液検査や心電図、感染予防のための歯周病検査などを行います。
問題のある場合は、全てにおいて対処を行ってから手術へと進むのです。
確実な手術を行うための前段階での治療が必要なため、結果的に高額となります。
インプラントは保険適用できないから
インプラントはほとんどの場合、保険が適用できません。
事前検査も多く、それらが自由診療となるため必然的に治療費は高くなります。
また、価格をクリニックが独自で設定することができるため、時には10万円以上の大きな差が生じるでしょう。
しかし、ごく稀に保険対象となるケースがあります。
事故や病気により顎の骨を広範囲で失った場合や、先天的な異常で顎の骨の1/3以上を失っている場合です。
治療を受ける機関にも条件があり、一般的な歯科医ではなく大学病院など、規模の大きな病院の歯科・口腔外科でなければいけません。
5年以上の経験および3年以上の経験を有する常勤医師が2名以上配置されていること、当直体制が整っていることなど、条件が全て整わなければ保険対象とはならないのです。
インプラントは医療費控除の対象になる
インプラントは保険適用ではないため高額となりますが、実は医療費控除を受けられます。
このため、申請により治療費の一部が戻ってくるでしょう。
医療費控除の対象額を求めるには、「医療費の総額」ー「保険金などの補填金」ー「総所得金額の5%」です。
還付金の額を求める計算式は「医療費控除額」×「所得税率」となります。
医療費控除とは医療費を所得から差し引くもので、医療費控除を行うことで所得税が節税となり、また翌年の住民税が見直されるという優遇措置を受けられる場合もあります。
同一生計の家族の医療費を合算することができ、市販の薬や通院にかかった費用なども対象となるので領収書を保管しておきましょう。
インプラントの埋込から完成まで
最初にカウンセリングが行われます。
カウンセリングでは、インプラント治療の全体の流れやメリットデメリットが説明されるので、この際に疑問点はしっかりと確認しましょう。
前衛処置として口腔内の歯周病をチェック、3DCTや歯型をとり血液検査も行います。
最初の手術では歯茎を切開し骨に穴を開けインプラントを埋め込みますが、この際に顎の骨が痩せていれば造骨処置を行います。
歯茎を縫い合わせて1回目が終了です。
約2週間後に抜糸を行い、必要であれば仮歯を入れます。
3ヶ月ほどでインプラントが骨に定着したことを確認し2次処置としてアバットメントを取り付けます。
2週間程度で歯茎が整った後、型取りを行い歯となる被せ物を土台に取り付け完了です。
インプラント治療のメリットは?
インプラントは非常に高額な治療です。
また治療には半年近くの時間を要し、全身麻酔を伴う手術にて行われます。
しかし、それだけメリットが大きい治療です。
メリットをしっかりと把握しておくことが、インプラントで後悔しないポイントです。
ここからはインプラントのメリットについて解説します。
審美性が高い
インプラントは、審美性の高さが非常に優れている治療法です。
一般的に、歯が欠損した場合には保険適用のブリッジや入れ歯にて処置を行います。
ブリッジの場合には両側の歯を削り、差し歯が必要です。
保険適用の差し歯の場合、透過性がなく不自然な歯となるため審美的にも問題がありました。
入れ歯では、口を開いた際に金属が見えてしまうケースもあります。
年齢的に入れ歯に抵抗があるという方もいるでしょう。
しかし、インプラントであれば上部構造、人工歯部分にはセラミックやジルコニアが使用されます。
これらの素材は天然の歯と見分けがつかないほど自然なため、審美性が保たれるでしょう。
自分の歯で噛む感覚を取り戻せる
入れ歯の場合、やはり歯茎に歯が密接していないため、物を噛むときに違和感を感じる場合が多くあります。
食べ物が挟まるなど、しっかり噛めないとストレスに感じている方も少なくありません。
また、ブリッジの場合は歯間の歯が欠損しているため浮いた状態です。
欠損した歯に負荷をかけないよう、日常生活を送るうえで注意をしなければいけません。
しかし、インプラントは失った歯根を人工的に作ります。
歯根は骨にしっかりと定着するため、自分の歯と同じ感覚で物を噛めます。
物を噛むということは脳などにも良い影響を与えるため、自分の歯でしっかりと噛むということは非常に重要な要素になるでしょう。
半永久的に使用できる
インプラントは、埋め込んだ人工歯根が顎の骨と外れたときが寿命です。
一般的には10年〜15年と言われていますが、これは口腔内の状態によって大きく左右されます。
インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラントが原因による歯周病などにならないよう、日々のお手入れと定期的なクリニックでのチェックを行うことが大切です。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、インプラントにダイレクトに負荷がかかってしまい破損の原因となります。
予防策として、マウスピースやボトックスなどで対策を行うと良いでしょう。
インプラント治療のデメリットは?
基本的にインプラントを行うことで、QOLの上昇などメリットは大きいと言えます。
しかし、反対にデメリットもあります。
いざインプラント治療をスタートしたのはいいけれど、こんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、インプラントを行う際にはデメリットもしっかりと把握しておきましょう。
ここからはインプラント治療のデメリットを解説します。
治療費が高額になる
デメリットとして、治療費が高額であることが挙げられます。
これはごく一部の治療を除き、インプラント治療には保険が適用されないためです。
自由診療となるためクリニックによって価格にも大きな差がありますが、一般的に1本30万円〜50万円が必要です。
入れ歯や自費診療のブリッジと比べても高額なのは、事前の検査などをしっかりと行う必要があります。
安さを強調しているクリニックもありますが、インプラント治療には高度な技術や設備が必要なため、価格だけで判断して安いクリニックを選ぶのはリスクが高くなるでしょう。
また、使用する材料の価格にも差があるのです。
インプラントを作っている会社は多数ありますが、実績のある信頼できる会社のものを選びましょう。
手術を数回しなければいけない
インプラント治療には手術を数回に渡って行うため、半年程度の長い期間が必要です。
骨にインプラントを植え込み、しっかりと定着する時間や、傷が癒え歯茎が落ち着くのを待つ時間が必要なため、一度で全てを終わらせる事ができません。
大きな手術は1回目に行われる骨にインプラントを埋め込む手術になり、1時間程度かかります。
そのあとの手術は抜糸や小さく歯茎を切開する程度なのですが、何度も通う必要がありその都度麻酔が行われます。
インプラントは手術が必要な治療のため、遠方から通う方には時間と交通費がかかるなど大きなデメリットになるでしょう。
治療後もメンテナンスしなければいけない
インプラントは一度治療が完了したら、それで終わりではありません。
その歯を長く健康に保つためには、しっかりとしたメンテナンスが大切です。
一般的には10年〜15年の寿命があると言われていますが、インプラント歯周病になると骨が痩せてしまいます。
インプラントと骨の結合部が外れてしまい、インプラントが脱落してしまいます。
これを防ぐためにも、毎日のお手入れと定期的なメンテナンスを続けていかなければいけません。
3ヶ月に一度程度の受診を行い、歯茎のチェックと歯周病のチェックをおこなうようにしましょう。
まとめ
インプラントを検討しているけれど、治療費が高額なため、ためらっている方も多いでしょう。
しかし、医療費控除をしっかりと申請することで治療費が返金される場合があります。
インプラントは自分の歯と変わらずしっかりとものを噛むことができ、健康面でも非常にメリットがあります。
また審美的にも優れているためおすすめの治療ではありますが、デメリットもしっかりと踏まえ信頼できるクリニックで行うようにしましょう。