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親知らず抜歯と神経

2021/06/16

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

よく下の親知らずが顎の下の神経に近いよと歯医者さんで言われたことがあるとおっしゃる方は非常に多くいます。

 

下の親知らずの真下には下歯槽神経と呼ばれる、脳神経の一つである三叉神経の枝分かれしている下顎神経の枝の一つになります。

 

下顎孔に入る直前に分かれる顎舌骨筋神経は・・・
→ 下顎骨内面の舌骨舌筋神経溝を前下方に進み、顎舌骨筋と顎二腹筋前腹に運動線維を送ると同時にオトガイ下部と顎下部の皮膚の知覚を支配

 

下歯槽神経は下顎管中で枝を出し…
→ 下歯槽神経叢を作って下歯枝と下歯肉枝をだし、下顎の歯髄と歯肉を支配

 

下歯槽神経は最後にオトガイ神経となって…
→ オトガイ孔から出た後、オトガイ枝と下唇枝に分かれて付近の皮膚と下唇粘膜に分布

 

上記のような形ですのでメインとしては「顎から唇までの知覚」がメインとなってきます。

 

親知らずの根尖周辺は非常に近いことが多く、埋伏しているケースで接していたり一部交通していたりすることがあります。

 

そのような親知らずを抜歯した場合は、一定の確率で術後知覚麻痺が出る可能性があります。

 

 

左下埋伏歯の抜歯希望。
パノラマ写真にて非常に近いことが推測されたため、CTにて状態を精査することとしました。

 

 

 

やはりかなり深い根尖付近で一部接していることがわかり、術後の麻痺のリスクを説明しました。
抜歯は15分弱で終了。

 

翌々日に消毒で来られましたが、麻痺は出現していませんでした。
1週間経過し抜糸しましたが、麻痺は特にない状態。

 

一部接していたり近いケースでも麻痺が出現しないこともあります。

 

逆に、神経までの距離がある程度確認できているが、術後に麻痺が一時的に出現する方もいるので、一概に麻痺が出る出ないとは言えず、確率が高いか低いかの伝達となってきます。

 

ただ事前にCTを撮影することで、抜歯後に神経を完全離断する可能性などもわかるためそのような場合は抜歯のベネフィットを患者さんと一緒に考えたりすることもできるので、神経に近いケースで心配な場合はCT撮影を勧めています。

 

神経麻痺が起きるとどのような症状が出るのかというと、下歯槽神経麻痺の場合の多くは「知覚鈍麻」です。

 

頬や唇を触った感覚が、反対側と少し違う状態。
動かし方や、見た目が変わることはほぼありませんが、知覚が鈍くなるのが特徴です。

 

知覚が存在するかどうかの試験をしながら麻痺の範囲を確認することができます。

 

親知らずの抜歯で神経に近いと言われている方、一度CT撮影を行い歯科医師と抜歯におけるベネフィットを確認していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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