Blog
ブログ

短期間での治療は全て良い訳ではない

2020/12/24

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

他院で抜歯後、欠損部にインプラント希望で来院された患者様。

 

抜歯したのは1ヶ月前であり、年内にインプラントを入れてかめるようにしたいと訴えていました。
初診で来院されたのは11月であり、1ヶ月しかありません。

 

抜歯したのが10月ということで、インプラントをするにしても抜歯後の骨の回復にも期間が短く、インプラントした後に骨と結合するまでもまだ時間が足りない。

 

ひとまず、CT撮影と口腔内スキャナーで診査診断することとしました。

 

このように、抜歯部位に骨がまだ覆われていないことが確認できます。
骨がある部位を追ってインプラントを入れようとするとやや舌側方向からの埋入が必要となります。

 

それでもおそらく埋入後、頬側のスレッドが露出してしまうため場合によっては骨造成の必要性が出てくる可能性がわかります。

 

現状の状態でスレッドが出ないように深めに埋入しようとすると、下歯槽神経が走っていますので神経麻痺のリスクが高まります。

 

患者さんに説明し、インプラントは可能であるが現段階ですぐに行うことは骨造成の可能性があるということと、埋入後すぐに補綴処置はできないことを説明。

 

年内に噛める環境まではいかないことを説明しました。

 

年明けにもう一度精査し、オペを行うこととなりました。

 

早く治したい!早く歯を入れたい!
と誰もがそう思います。

 

しかし、早く入れてしまうことで長期間使えない歯になってしまったり、歯肉から出血したり、腫脹したり日常生活に来すこととなることがあります。

 

歯科医師側としては、確実な環境と状態で入れて長期間機能するということを目標に行っています。

 

見た目だけの回復で早期治療をしてしまうと、将来的に大掛かりな治療となるケースもあります。

 

インプラントなど一度入れたら基本的に半永久的に使用します。

 

1ヶ月、2ヶ月の短縮は、30年使用すると考えれば大したことはありません。

 

それより、短縮した結果3年しか使えなかったという方が再治療せざるを得なくなりますので。。

 

最近、本来歯の位置や歯並びなどの改善には、矯正医による歯列矯正が必須になるのですが、2、3年と期間がかかるため、補綴矯正と呼ばれる被せ物で一気にまとめて歯並びを綺麗にしてしまうという方法があります。

 

回数としては2回で終わると広告し、患者さんを呼び込んでいる。

 

全てを否定する訳ではありませんが、健康的な歯を削ることや、噛み合わせや顎関節などの状態を無視した治療となり、数年後に崩壊していくケースが勉強会などでも挙げられています。

 

短期間による治療というのは非常に魅力的ですが、しっかりと診査診断及び、短縮することによるリスクなども相談し確認した上で実施するようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
https://ameblo.jp/kojima-dental

トライアスロンで健康ライフブログ(趣味のトライアスロンのレース記です)
http://triathlon51.com

インプラント専用サイト
https://ryu-implant.net