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歯周病の治療は何回行うの?

2020/12/19

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

歯科の治療において1回で終えることのできない治療の一つに歯周病の治療があります。

 

歯科治療において、回数がかかる治療というのは基本的に「慢性炎症」に対する治療となりますので、慢性炎症に対する治療は基本的に1回で治すことができません。

 

慢性炎症になるまで、何年も経過し積み重ねてきているためそれを一回で治せるような魔法のような治療は残念ながら存在しません。

 

虫歯など感染が限局している場合は、一回で終わることが可能ですが

 

・歯周病の治療
・感染根管治療

この二つに関しては、どうしても回数がかかります。

 

特に、歯周病の治療においては学術的なエビデンスはもちろんですが、明確に厚生省より保険での算定ルールが決められています。

 

まず最初に歯周病基本検査を行います。
この基本検査においては

 

・歯周ポケット
・歯の動揺
・出血傾向の有無

 

上記に合わせて歯ブラシが当てれているかどうかのチェック、レントゲンによる歯槽骨の状態をチェックしていきます。
そして、その検査結果に応じて治療スタート。

 

まずは「歯周基本治療」と言われるものからスタートします。

 

スケーリングと呼ばれる、歯肉の上についている見える範囲の歯石除去、着色やバイオフィルムの除去がメインとなります。

 

歯石や着色の付着状態にもよりますが、1回で全て取り切ることもできれば、この時点で複数回分けなければ除去できない場合もあります。

 

また上記治療に併せて歯ブラシの当て方やセルフケアの仕方について指導があります。

 

ここまで終了したら、一定の治癒期間(1週間程度)を開けてから再評価を行います。

 

この再評価では、1回目の歯周基本治療でどこまで改善しているのかを評価します。評価方法は1回目に行った歯周基本検査を行います。

 

その結果、歯周ポケットや出血などの炎症所見が減少及び消失していれば歯周治療は終了となります。
しかし、まだ歯周ポケットが深い場合や炎症が強い場合は、継続して歯周治療を行っていく必要があります。

 

次に行うこととしては、深い歯周ポケットや残存しているポケットに限りアプローチします。ポケットや炎症が落ち着いているところには再度アプローチはしません。
これをSRP=スケーリングルートプレーニングといいます。

 

この場合は深いポケットに対してアプローチを行うため必要に応じて麻酔を使用します。

 

深い部位が1箇所であれば1回で終わることもあるのですが、複数箇所あれば何回か必要な処置となります。

 

そしてこのSRPが必要な部位において全て終了したら、再度再評価を行います。
今までの歯周病検査をさらに細かく詳細に、歯周病精密検査を行います。

 

ここまでが歯周病の基本治療となります。
この後、まだ深いポケットが存在する場合は歯周外科治療となったり、継続して見ていく場合は歯周病安定期治療に移行していきます。

 

歯科においては、歯周病の状態というのはとても重要視されます。

 

そのため、歯周病の治療が全て終了しないと再評価まで終了しないと、被せ物などの治療は本来は推奨されていません。

 

しかし、患者さんの都合によりほとんどの場合は、歯周病治療が全て終わらずに被せ物などの治療に移行せざるを得ない場合が多いのが実際です。

 

歯周病は慢性炎症であり、痛みがほとんどなく歯周病で苦しんでいる方は進行し食事などで影響が出ている方がほとんどであるため、被せ物の脱離や、詰め物の修復を優先して欲しくなってしまいます。

 

歯周病治療は、時間がかかりますがとても大切な治療の一つです。
歯科医師、歯科衛生士とよく相談して、治療計画を一緒に立てていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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