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歯の移植とは
2020/12/12
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
先日歯の移植を行ったケースがありましたので今回、移植について解説したいと思います。
自分の歯を極力残したいとは誰しも思うことです。しかし、どんな治療をしても残せない場合や、歯根破折などが起きてしまっている場合などリペアが効かない場合は、抜歯せざるを得ない場合というのが存在します。
抜歯した部位に対しては、一般的には
・ブリッジ
・義歯
・インプラント
という選択肢となります。
しかし、実は条件さえよければ上記の選択以外の方法があります。
それが「歯の移植」です。
歯には再生能力の非常に高い、再生医療でも注目されている「歯根膜」という組織があります。
この歯根膜には再生機能があるため移植した部位で骨再生を誘導することができると言われています。
歯の移植では、この歯根膜がポイントとなってきます。
通常は親知らずを抜歯したのち、抜歯が必要な歯牙へ移植します。
移植ドナーのほとんどは親知らずであることが多いです。
術式としては、まず保存不可能な歯の抜歯を行います。
その後、感染している骨や不良肉芽組織を徹底して除去していきます。
レントゲンの時点で移植する歯の根の大きさや形態をある程度予測しておき、保存不可能な歯を抜歯した際に移植する歯がしっかりと入るように骨の形を必要に応じて整えます。
また移植した歯に血流がしっかりと行き渡るように、抜歯した部位に血流を良くするために内面処置を施します。
その後、移植する歯を愛護的に抜歯します。
抜歯後、出来るだけ乾燥しないよう薬液に浸し、可及的速やかに移植を行います。
ぴったり収まっても、骨に完全に入っているわけではないため咬合してしまうと骨とくっつかない可能性が高まるため噛み合わせを下げていく必要があります。
そして固定が必要となります。
固定は、1回目は縫合にて行います。
懸垂縫合、単純縫合など複数縫合を行い、移植した歯が浮いてこないようにしっかりと縫合します。
抜糸まではおよそ2週間。その後、隣接する歯と固定させたりします。
移植に関しては様々な文献が出ていますが、症例によっては長期的に安定し、良好な結果を得るためにはかなりシビアな条件が必要になってきます。
感染源が大きい場所や、感染して長期間経っている部位などの抜歯後の移植は難しいことが多いのも実際です。
インプラントなどと異なり、予知性の高い治療ではありません。
移植しても生着しない場合もあります。
しかし、保険診療でできる(歯の移植は6000-7000円程度)ため、トライしてみる価値はあると思います。
移植し長期間安定する可能性も十分にあります。
移植が適応されるかどうか、一度診査が必要になってきますので抜歯を検討している方は一度歯科医師に相談してみましょう。
今回は、感染源を大きくかなり厳しいことを説明。
本人の強い希望もあり実施しました。
今後しっかりと固定されてくるかどうか。。。
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