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慢性炎症の恐ろしさ
2020/08/07
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
痛みがないからといって治療が必要な場所を放置していないでしょうか。
歯の痛みは、神経がある歯においては
「冷たいものでしみる」
「熱いものでしみる」
「ズキズキする」
このような症状があり我慢できなくて歯科医院に来ると思います。
もちろん、神経がない状態でも上記の症状を訴える場合もあります。
しかし神経がなくなり、長期間経過すると多くの場合、急性炎症から慢性炎症に変化してしていきます。
慢性炎症のほとんどは普段痛みを伴うことがなく、体調不良時に歯肉が腫脹したり鈍痛が出る程度。
一度痛みが出現してもまた痛みが消えてしまう。
このような繰り返しになります。
左下に残根の状態で抜かなければいけない歯が存在します。
そして、残根部の下には大きく透過像(黒く抜けた円形の像)を認めます。
本来、ここは骨ですので白いはずですが
それを「くり抜く」ように黒くなっています。
これは、「嚢胞」という状態であり骨の中に膿の塊ができてしまった状況です。
なかなか仕事の都合もあり来院できないず数年そのままの状態で・・
今回久しぶりの来院。
すごく広がっているのがわかります。
骨の中に膿ができるというのは、骨を溶かして膿ができます。
そのため膿が溜まっているところは骨がほとんどありません。
このまま放置しさらに拡大していくと、顎の骨折リスクが高まります。
横からボールがぶつかるだけで、骨折してしまう場合があります。
また、顎の下に走行する「下歯槽神経」に接して麻痺が出現することがあります。
患者さんに説明し、早急に抜歯と嚢胞の摘出を行いました。風船のように中で膨らんでいた状態。
慢性炎症の恐ろしさは、この状態でも痛みはほとんどなかったということです。なんとなく違和感がある程度。
しかし、骨の中ではどんどん進行していたわけです。
慢性炎症はあまり痛みはありませんが、身体の中ではずっと細菌と対峙しています。
そのため、そこでずっと炎症反応が起きています。この炎症反応が過剰に行われることで、また新たな疾患というのが生まれてしまいます。
また顎の下にはリンパ節が存在します。
このリンパ節に細菌が侵入すると、胸部リンパ節まで炎症が波及することもあります。
口腔内に存在する炎症は極力排除した方が良いことは間違いありません。
忙しい方も、治療途中の歯がある場合は一度歯科医院へいきましょう。
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