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20代から気をつけたい!歯茎が下がる原因と治療法

2024/06/28

「最近、歯茎が下がっている」。鏡を見てそう感じたのなら、ケアを始めるタイミングになっている可能性があります。

歯茎の下がりは歯のぐらつきをはじめ、見た目の問題や口腔内トラブルなど、さまざまな悪影響が出ることがあるため、気づいたら早めの対策がおすすめです。

歯茎が下がる原因や、このまま放っておくとどうなるか、対処するならどのような方法があるのかなどを知っておくと対策しやすくなるでしょう。

この記事では、歯茎が下がることが気になっている・改善したいと考える方に向けて、歯茎が下がる影響や保険診療が使える治療法、セルフケアなどについて詳しく紹介します。

歯茎が下がるとは?

歯茎

「歯茎が下がる」とは、歯を支える歯肉が歯根部から離れ、歯の根が露出してしまう状態を指しており、「歯肉退縮」と呼ばれます。歯肉退縮になると以下のような影響が現れます。

  • 歯がぐらついてしまう
  • 歯が通常よりも長く見える
  • 歯根が露出してしまう

歯茎が下がるとこのような悪影響が生じやすくなるため、予防や早めの対処が必要です。

通常、歯茎は歯の根元をしっかりと覆い、歯を支える役割を果たしていますが、何らかの原因があると歯茎が下がり始めます。

このような場合、歯周病の進行や不適切なブラッシングなどが原因であることが多く、20代の若い患者さんでも見られることがあります。

見た目の問題だけではなく、歯の感覚過敏や口腔内トラブルのリスクが高まるため、早期の対策が重要です。

20代で歯茎が下がる原因は?

歯茎

「まだ20代で若いのだから、歯茎が下がることなんてないだろう」と思うかもしれませんが、20代でもお口の健康を損なう原因があれば、歯茎が下がってしまうことがあります。

ここでは、20代で歯茎が下がる原因について紹介します。

歯周病の進行

歯周病は歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える骨まで影響を及ぼす病気です。初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことが多く、日頃のケアでの予防が大切です。

歯周病が進行すると歯茎が下がり、重篤な場合は歯が抜け落ちる可能性もあります。

20代ではまだ歯周病に対する意識が低い方も多いかもしれませんが、実際のところ、20歳頃から増える病気です。以下のような症状に気づいたら歯周病を疑ってみてください。

  • 起きた時に口の中がねばつく
  • 歯を磨くと出血する
  • 口臭が気になってきた
  • 硬いものを噛むと違和感がある
  • 歯茎が腫れることがある

このような症状は歯周病のサインです。心当たりがあれば早めに歯科医院で診察と治療を受けてみてください。

不適切なブラッシング

不適切なブラッシングは、歯茎を傷つけ、歯肉退縮を引き起こす原因になります。

特に強い力でのブラッシングは歯茎にダメージを与えやすくなるため、正しい方法と適切な力加減でのブラッシングが重要です。

「ブラッシングが苦手でついつい力が入ってしまう」という方は、歯科医院でブラッシング指導が受けられます。

小嶋デンタルクリニックでも健康な歯と歯茎の維持に役立つブラッシング方法をアドバイスしていますので、ブラッシングについて悩みがある方はぜひご相談ください。

むし歯の進行(根尖病巣)

進行したむし歯による感染が歯根まで及ぶと、根尖病巣が形成され、歯茎が下がる原因になります。以下が根尖病巣の代表的な症状です。

  • 歯根の先に膿が溜まった袋ができる
  • 膿から毒素が出て歯茎が炎症し、歯茎がやせる

この状態になると歯茎が下がりやすくなります。20代であってもむし歯を放置すると深刻な影響を及ぼすことがあるため、年齢に関わらず、早期の治療が重要です。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に過度な負担をかけるため、歯茎が下がる原因になります。

歯ぎしりや食いしばりにはさまざまな原因がありますが、ストレスや不正咬合が原因で起こることが多く、20代の若い患者さんでも珍しくありません。

ストレスコントロールや咬み合わせの治療など、適切な方法で改善を目指しましょう。

咬み合わせの悩みは歯科医院でも対応できることが多いため、気になる方は相談してみてください。小嶋デンタルクリニックでもご相談いただけます。

加齢

歯茎も身体と同様に衰えていくため、加齢そのものが歯茎が下がる原因になることもあります。

20代で加齢が直接的な原因になることは少ないのですが、親御さんやご親戚などに加齢で歯茎が下がっている方がいるのであれば、遺伝の影響に注意が必要です。

まだ若く、歯茎が健康な状態でも、遺伝の影響で将来的に加齢による歯肉退縮が起こる可能性があるため、日頃からできるケアを取り入れて予防しましょう。

喫煙習慣

喫煙も歯茎に悪影響を与えるため、歯茎が下がりやすくなる原因です。おもに以下のような影響があります。

  • 歯茎の血流が悪くなる
  • プラークが溜まりやすくなって歯周病リスクが上がる

健康な歯茎は血流がよい状態ですが、血流が悪い場合は歯茎が痩せやすくなります。また、前述の通り歯周病は歯茎が下がる原因です。

喫煙している方は20代でもこのような状態になる可能性が高いため、節煙や禁煙を検討してみてはいかがでしょうか。

歯列矯正

歯並びを整えるために行われる歯列矯正は、矯正装置が歯茎に負担をかけるため、歯茎が下がるリスクがあります。歯列矯正治療中の方は、歯茎の状態に気を使いながら進めていきましょう。

歯列矯正中の歯茎のケア方法としては以下があります。

  • 歯科医師と小まめに相談する
  • 口腔内や矯正装置を清潔に保ち、むし歯や歯周病を防ぐ
  • 矯正装置に違和感があればすぐに歯科医師へ相談し、調整する

このほか担当の歯科医師がおすすめする方法も取り入れながら、歯肉退縮を防ぎ、歯列矯正を成功させましょう。

歯列矯正中は定期的に歯科医院へ通うようになるため、歯科医師に相談できる機会も多くなります。歯茎や矯正装置に違和感があれば、小さなことでも遠慮なく相談してみてください。

下がった歯茎の放置は危険

歯茎

歯茎が下がると、見た目の印象や口腔内の健康状態などに影響を及ぼす可能性があります。ここでは、下がった歯茎の放置で起きやすいことについて紹介します。

見た目が悪くなってしまう

歯茎が下がると、歯の根元が露出し、歯が長く見えるようになります。この状態は見た目に大きな影響を与え、老けた印象になってしまうことも少なくありません。

特に20代の若い患者さんにとっては、見た目の問題は大きなストレスとなることも多いのではないでしょうか。

口元を気にせずに笑ったり話したりする楽しみをなくさないためにも、早期の対処をおすすめします。

歯が痛む・しみる

歯茎が下がると、冷たいものや熱いものを飲んだときに歯が痛む、しみるといった知覚過敏の症状が現れることがあります。

歯の根元が露出し、外部の刺激に対して敏感になるためです。

このような症状は生活の質を低下させるため、やはり歯肉退縮は早めの治療が望ましいでしょう。

むし歯のリスクが上がる

歯茎が下がった状態が長く続くと、歯根の象牙質が露出されてしまいます。象牙質はもともとエナメルよりもむし歯になりやすい性質のため、むし歯のリスクが高まります。

20代の若い患者さんでも例外ではなく、歯茎が下がるとむし歯のリスクが高まるため、定期的な歯科検診や日常的なケアによる予防が必要です。

歯のぐらつきや脱落が起こる

歯周病が原因で歯茎が下がっている場合、歯を支える骨も減少し、歯のぐらつきや歯の喪失が起こる可能性が高くなります。

年齢を重ねればどうしても歯の喪失は起こりやすくなりますが、まだ20代の方にとって歯の喪失は大きな問題になるため、早期の治療と予防を心がけましょう。

下がった歯茎はセルフで治せる?

歯茎

歯茎が下がった状態をセルフで完全に治すことは難しいのですが、進行を遅らせるためのセルフケアは可能です。日頃から以下のケアを意識してみてください。

  • 適切なブラッシング
  • フロスの使用
  • 歯科医院での定期的な検診

また、生活習慣の見直しやストレスの管理も歯茎の健康を保つ秘訣です。

すでに下がった歯茎を元に戻すためには、専門的な治療が必要になります。次から詳しく解説しますので、ぜひ参考になさってください。

保険適用で下がった歯茎を治療する方法

歯茎

下がった歯茎は保険適用で治療できることがあります。ここでは、医療保険を使い、費用を抑えながら下がった歯茎を治療する方法と費用の目安について紹介します。

なお、一部保険適用外の治療も紹介していますが、効果が期待できるため、必要であれば歯科医師に相談してみてください。

歯周病の基本的な治療

歯茎が下がる原因のひとつである歯周病の治療は、歯茎の健康を回復させるために重要です。基本的な治療では以下が行われます。

  • スケーリング:見える部分の歯石を除去
  • SRP(スケーリングとルートプレーニング):隠れた部分の歯石を除去
  • 費用は保険適用約5,000~1万円

このような方法で治療を進めることにより、歯茎の炎症を抑え、健康な状態に戻していくことになるでしょう。

しかし、歯周病が中等度以上に進行している場合、これだけでは不十分に終わる可能性も高く、その際には次から紹介する方法から治療法を選択する可能性もあります。

フラップ手術

フラップ手術は、進行した歯周病の治療に用いられる手術です。以下の手順で行われます。

  • 歯茎を切開する
  • 歯の根元や骨に付着している歯石や炎症組織を除去する
  • 歯茎を元の位置に戻し、縫合する
  • 保険適用で約6,000円強

切開手術のため大がかりな印象があり、ためらう方もいるかもしれませんが、中等度に進行した歯周病に対して効果が期待できる治療法です。

エムドゲイン再生法

エムドゲイン再生法は、歯周組織の再生を促す治療法です。治療の手順や内容は以下になります。

  • 歯の根元に再生促進剤(エムドゲイン)を塗布する
  • エムドゲインの効果によって歯茎や骨の再生を促す
  • 保険適用外になり、全額自費で約5~15万円

この治療によって失われた歯周組織を再生し、歯茎を元の位置に戻す効果が期待できます。

保険適用外の治療になりますが、安全性が高く効果が期待できる治療法です。小嶋デンタルクリニックでもご相談いただけるため、ご希望の方は一度当院へ足をご連絡ください。

遊離歯肉移植術

遊離歯肉移植術は、患者さん自身の口腔内から健康な歯肉を採取し、歯茎が下がった部分に移植する手術で、以下のような効果があります。

  • 移植された歯肉が周囲の組織と融合する
  • 健康な歯茎として機能する
  • 保険適用の場合は1歯につき約10,000円

見た目も機能も回復させる効果が高く、進行した歯周病で重要視される治療法のひとつです。

歯周組織再生誘導法

歯周組織再生誘導法は、歯茎や骨の再生を促す治療法です。内容と効果は以下になります。

  • 骨が失われた部分を特殊な人工膜で覆い失われた組織の再生を促す
  • 保険適用の場合は1歯につき約15,000円

歯茎だけではなく骨まで重大な影響が出ており、歯の脱落・喪失が考えられる際に選択されることが一般的です。

治療後はセルフケアで予防を!

歯茎

歯茎が下がる原因を治療しても、再発してしまってはまた同じ悩みが繰り返されてしまいます。治療後はセルフケアで予防し、健康な歯茎を保ちましょう。

ここでは、治療後におすすめのセルフケアを紹介します。

適切なブラッシング

適切なブラッシングは、歯茎の健康を維持するための基本です。歯ブラシの選び方やブラッシングの方法を見直し、歯茎に優しいブラッシングを心がけましょう。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間のプラークも除去しやすくなります。

歯科医院での定期検診

歯科医院での定期検診は、歯茎の健康を維持し、口腔内トラブルの早期発見・早期治療を可能にします。

歯科医師による専門的なクリーニングやトラブルチェック、ブラッシング指導などを受け、健康的な口腔内環境を維持しましょう。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直しも、歯茎の健康に大きく影響する可能性があります。以下のことに気を配ってみましょう。

  • 節煙・禁煙
  • バランスの取れた食事
  • ストレスコントロール
  • 十分な睡眠

心身の健康は歯茎の健康をサポートするだけではなく、明るく健康的な日々を送るためにも欠かせません。生活の質を高めるためにも、ぜひ生活習慣を見直してみてください。

まとめ

20代で歯茎が下がる原因は複数考えられますが、歯周病やブラッシングの問題、進行したむし歯、喫煙習慣、歯列矯正などが多くのケースで該当します。

歯肉退縮を放置するとさまざまな悪影響があるため、歯茎の下がり方が気になった際には早めに歯科医院での治療をスタートさせましょう。

治療法は保険適用・保険適用外などさまざまなものがあり、歯科医院の方針や患者さんの希望などで選択していくことになります。

小嶋デンタルクリニックでは20代で歯肉退縮を起こし、歯茎が下がる方の治療にも力を入れています。

見た目や歯の喪失なども考えられる症状を長引かせず、早期に改善するためにも、ぜひ一度当院でご相談ください。