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上顎前歯の裏側が腫れている…その原因は歯だけとは限りません ~鼻口蓋管嚢胞の症例~
2026/06/19
こんにちは、静岡市駿河区の小嶋デンタルクリニックです。
本日は、上顎前歯の裏側(口蓋側)が腫れてきた患者さんの症例をご紹介します。
上顎前歯の裏側が腫れている
患者さんは、
* 上顎前歯の裏側が腫れている
* 違和感がある
* 時々圧迫感を感じる
とのことで来院されました。
まず一般的に、前歯の近くに腫れがある場合は、
* 歯の神経が死んでいる
* 根尖病変(根の先の膿)
* 歯周病による感染
などを疑います。
しかし今回のケースでは、前歯の生活反応は正常であり、レントゲン上も歯そのものに異常は認められませんでした。
そこでCT検査を行ったところ、上顎前歯の中央部に嚢胞性病変を認めました。



診断は、鼻口蓋管嚢胞(Nasopalatine Duct Cyst)でした。
鼻口蓋管嚢胞とは?
鼻口蓋管嚢胞は、口の中に発生する嚢胞の中でも比較的よく見られる非歯原性嚢胞です。
発生部位は、上顎前歯のちょうど中央付近、左右の前歯の間のさらに奥側です。
胎生期に存在していた「鼻口蓋管」の上皮組織が残存し、何らかの刺激によって増殖することで発生すると考えられています。
つまり、歯が原因ではなく、生まれつき存在する組織の遺残から発生する病変です。
どのくらいの頻度で発生する?
鼻口蓋管嚢胞は顎骨内に発生する非歯原性嚢胞の中では最も多く、
人口の約1%前後に認められるとも報告されています。
30〜60歳代に多く見られ、男性にやや多い傾向があります。
歯の病気との違い
鼻口蓋管嚢胞で重要なのは、「歯の感染」と間違えないことです。
レントゲンでは前歯の根の先に病変があるように見えることもあり、
* 根尖病変
* 歯根嚢胞
* 歯周病由来の感染
と誤認されることがあります。
しかし、
* 歯の神経が生きている
* 虫歯がない
* 原因となる歯が存在しない
という場合には、鼻口蓋管嚢胞を疑う必要があります。
当院ではCT撮影を行い、病変の位置や広がりを三次元的に確認した上で診断しています。
一度摘出しても再発することがある
今回の患者さんは、10年以上前に病院口腔外科で摘出手術を受けた既往がありました。
鼻口蓋管嚢胞は摘出後の再発率は高くありませんが、まれに再発することがあります。
長期間経過してから再び腫脹として発見されるケースもあります。
そのため、
「昔取ったからもう大丈夫」
とは必ずしも言い切れません。
違和感や腫れが再度出現した場合には再評価が必要です。
今回の治療方針
今回の病変はCT上で局所に限局しており、全身状態も良好であったため、
当院にて局所麻酔下で摘出術を行う方針となりました。
摘出した組織は病理組織検査へ提出し、
* 鼻口蓋管嚢胞で間違いないか
* 他の病変が隠れていないか
について最終診断を行います。
まとめ
上顎前歯の裏側が腫れている場合、必ずしも歯が原因とは限りません。
特に、
* 前歯に異常が見当たらない
* 神経が生きている
* 口蓋側だけが腫れている
という場合には、鼻口蓋管嚢胞の可能性があります。
当院ではCTによる精査から外科的摘出、病理組織検査まで対応しております。
「前歯の裏側が腫れている」
「以前摘出した病変が再発したかもしれない」
という方は、お気軽にご相談ください。
小嶋デンタルクリニック
口腔外科・インプラント・親知らず抜歯・嚢胞摘出手術に対応しております。
コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
→ https://ameblo.jp/kojima-dental
インプラント専門サイトはこちら
→ https://ryu-implant.net
監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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