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この歯は残せる?残せない? 「歯冠歯根長比」から考える歯の寿命
2026/05/22
こんにちは、静岡市駿河区の小嶋デンタルクリニックです。
本日は「この歯は残せるのか、残せないのか?」というテーマについてお話します。
歯科医院で説明を受けた際に、
「この歯は厳しいですね」
「抜歯の可能性があります」
と言われた経験がある方もいるかもしれません。
もちろん虫歯の大きさや歯周病の進行度など、様々な要素で判断しますが、その中でも非常に重要な考え方の一つが、
“歯冠歯根長比(しかんしこんちょうひ)”
というものです。
少し難しい言葉ですが、簡単に言えば、
「歯ぐきの上に見えている部分」と
「骨の中で支えている根っこの部分」
このバランスのことです。

例えば建物でも、地面の上に高い塔を建てるなら、それを支える基礎部分がしっかりしていないと倒れてしまいます。
歯も同じです。
見えている歯の部分(歯冠)が長く、骨の中の根(歯根)が短くなると、噛む力に耐えられなくなります。
特に、
・大きな虫歯で歯が崩壊している
・歯周病で骨が減っている
・歯が割れている
・何度も治療を繰り返している
このようなケースでは、歯冠歯根長比が悪化していることが多くなります。
例えば、歯周病で骨が下がると、本来骨の中に埋まっていた根が露出してきます。
すると支える土台が減り、歯はグラグラしてきます。
これは木に例えるとわかりやすく、地面の中にしっかり根を張っていた木が、徐々に土が削られて不安定になる状態です。
どれだけ上の枝葉が立派でも、土台が失われれば倒れてしまう。
歯も同じで、“残っている”ことと、“機能できる”ことは別問題です。
一方で、
「神経を取ってあるからダメ」
「被せ物が入っているからダメ」
というわけではありません。
実際には、
・根の長さ
・骨の支え
・噛み合わせ
・周囲の炎症
・割れているかどうか
・患者さん自身が清掃管理できるか
などを総合的に判断していきます。
そのため、見た目だけでは判断できず、レントゲンやCTで確認することが非常に重要になります。
また、歯を残すという言葉は、時に非常に魅力的に聞こえます。
もちろん私たちも、可能な限り歯は残したいと考えています。
ただ、無理に残すことで、
・周囲の骨をさらに失う
・隣の歯へ悪影響を及ぼす
・感染を繰り返す
・結果として治療期間と費用が増える
というケースも少なくありません。
「残すこと」が目的になってしまうと、本来守るべき全体のバランスを崩してしまうこともあります。
歯科治療は、一本の歯だけを見る競技ではなく、口全体というチーム戦です。
短期的な感情だけでなく、5年後、10年後を見据えた判断が大切になります。
もし「この歯は残せますか?」と言われた時は、ぜひ
なぜ残せるのか
なぜ厳しいのか
その理由まで聞いてみてください。
そこには、単なるテクニックではなく、長期的に噛める状態をどう作るかという歯科医師の考え方が現れます。
歯は、ただ存在しているだけではなく、安定して機能してこそ価値がある。
本日はそんなお話でした。
コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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監修歯科医師
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医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長
小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA〔院長略歴〕
静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。
〔所属学会・所属団体〕
歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員 


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