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前歯が出てきた?上顎前歯部のフレアアウトの原因とは

2025/10/30

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

鏡を見たとき、「前歯が少し前に出てきた気がする」「すき間が目立ってきた」——
そんな変化を感じたことはありませんか?
それは、歯のフレアアウト(Flare out)と呼ばれる現象かもしれません。
今日はこの上顎前歯部のフレアアウトについて、原因と対策をわかりやすくお話しします。

フレアアウトとは?

「フレア(flare)」=広がる、「アウト(out)」=外に出る。
つまり、前歯が唇側方向に傾いて前に出てしまう状態を指します。
歯並びの美しさだけでなく、かみ合わせや発音、歯周病リスクにも影響することがあります。

主な原因

① 歯周病による骨の吸収
歯を支える骨(歯槽骨)が歯周病で減ると、歯が支えを失い、少しずつ外側へ傾いていきます。
特に上の前歯は力を受けやすく、動揺しやすい部位です。

② 舌や口唇の癖
無意識のうちに**舌で前歯を押す癖(舌突出癖)**や、
口をポカンと開ける習慣があると、
常に前方向への力が加わり、歯が少しずつ動いていきます。

③ かみ合わせのバランス崩壊
奥歯の咬合が低下したり、歯の欠損を放置していると、
前歯が噛み合わせの負担を代償的に受け、前方に広がることがあります。

④ 矯正後の後戻り
過去に矯正治療を受けた方で、保定装置を使わなくなっている場合も注意。
歯は元の位置に戻ろうとする性質があり、
リテーナーを外したままにしていると徐々にフレアアウトしてしまうこともあります。

放置するとどうなる?

初期のうちは「見た目の変化」だけですが、
放置すると——
* 前歯のすき間が拡大
* 歯肉の炎症・出血
* 前歯で物が噛みにくくなる
といった問題に発展する可能性があります。

当院での対応

小嶋デンタルクリニックでは、
まずフレアアウトの原因を正確に診断することを重視しています。
レントゲンや歯周検査、咬合分析を行い、
・歯周病由来か
・咬合不良や習癖由来か
・矯正的後戻りか
を明確にした上で、
原因に合わせた歯周治療・咬合調整・マウスピース矯正などを行います。
特に歯周病が関与している場合は、
単に歯を「戻す」のではなく、支えとなる骨と歯肉を安定させる治療が重要です。

まとめ

前歯のフレアアウトは「見た目」だけの問題ではなく、
歯を失う前兆のこともあります。
「なんとなく前に出てきた気がする」
そんな小さな変化でも、早めの受診が大切です。

コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

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監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員