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抜歯後の治りを早めるために

2025/10/06

こんにちは、静岡市駿河区石田の小嶋デンタルクリニックです。

「抜歯してから数日たつのに、まだ痛みがある」「腫れが長引いて心配」
そんな声をよくいただきます。
実は、抜歯後の治り具合には体の自然な回復リズムがあり、
その流れに合わせたケアを行うことで、治りをぐっと早めることができます。
今回は、歯科医の視点から見た正しい抜歯後ケアのポイントをお伝えします。

抜歯後の体の中では何が起きている?

抜歯後の歯ぐきでは、次のような順番で回復が進んでいきます。
1. 最初の数日(1〜3日)
抜いた穴の中に“血のかたまり(血餅:けっぺい)”ができます。
これは天然の「ばんそうこう」のような役割で、細菌の侵入を防ぎます。
2. 1週間ほどの間
血餅の下で、新しい血管や歯ぐきの組織が作られます。
この時期に血餅が取れてしまうと、「ドライソケット」と呼ばれる強い痛みが出ることがあります。
3. 2週間以降
徐々に歯ぐきが閉じ、内部では骨の再生が始まります。
見た目が治っても、完全に回復するまでには1〜3か月ほどかかります。

治りが遅れる原因はやりすぎケアにある?

よかれと思って行う行動が、逆に治りを遅らせることもあります。
たとえば…
* 強いうがいで血餅を流してしまう
* ストローで飲み物を吸う
* 喫煙・飲酒(血流が悪くなり治癒が遅れる)
* 舌や指で傷口を触る
* 激しい運動で血圧が上がる
どれも「血餅が取れてしまう」ことが原因です。
抜歯当日〜翌日は、“何もしない勇気”も大切です。

薬の飲み方にもポイントがあります

歯科で処方される抗生剤や痛み止めは、
「もう平気そうだから」と自己判断でやめてはいけません。
炎症が完全におさまる前に薬を中断すると、
再び腫れたり、感染を起こすことがあります。
また、痛み止めを上手に使うことで、
食事が取りやすくなり、結果的に体の回復力も高まります。

食事と栄養も回復のカギ

抜歯後は無理せず、柔らかくて消化の良いものを選びましょう。
* タンパク質:卵、豆腐、魚など(新しい組織を作る材料)
* ビタミンC:ブロッコリー、いちご、キウイなど(傷の修復を助ける)
* 鉄分:レバーやほうれん草(血液の再生に必要)
体を整える栄養は、口の中の回復にも直結します。

抜歯後のチェックも大切です

小嶋デンタルクリニックでは、抜歯後1週間ほどで
再診を行い、歯ぐきの状態や炎症の有無を確認しています。
傷口がきれいに閉じているか、
血餅が保たれているかを見極めることで、
トラブルの早期発見と安心の治癒につながります。

まとめ

抜歯後の回復を早めるためには、
「焦らず、自然な流れに任せる」ことが何より大切です。
痛みや腫れが思ったより長引くときは、
無理せずご相談ください。
一人ひとりの治り方に合わせて、最適なアドバイスをいたします。

コジデン理事長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)

→ https://ameblo.jp/kojima-dental
インプラント専門サイトはこちら
→ https://ryu-implant.net

監修歯科医師

医療法人社団GRIT 理事長
小嶋デンタルクリニック 院長

小嶋 隆三Ryuzo KOJIMA

〔院長略歴〕


静岡市出身
鶴見大学歯学部卒 総合歯科
医療法人 麗歯会 加藤歯科医院 勤務
医療法人 UG会 多田歯科医院 勤務
医療法人 清明会 静岡リハビリテーション病院 非常勤 勤務
2013年 小嶋デンタルクリニック開設
2023年 医療法人社団GRIT 設立
2023年 コロンビア大学歯学部歯周病学分野所長兼准教授(1987-2015)、台北医科大学教授、学部長(2017-2023)ピーター・ワン先生の講座へ入局
2024年には、グローバルインプラントブランド「DIOインプラント」において、日本一の年間実績(症例数)を達成。
難症例や骨造成を伴うケースにも精通し、確かな診断力と精緻な技術で遠方からの患者も多く、信頼を集めている。

〔所属学会・所属団体〕


歯科医師臨床研修指導医
公益社団法人日本歯科先端技術研究所 インプラント認証医
BPS(精密義歯)クリニカル国際認定医
公益社団法人日本口腔インプラント学会
ISOI(国際口腔インプラント学会)
日本顎咬合学会
日本スポーツ歯科学会
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
静岡市歯科医師会 2020-2022 理事
静岡市介護認定審査委員