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奥歯は本当にいらない?

2024/10/19

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 
理由あって奥歯が欠損したけれど、前歯だけ綺麗にしてほしい。
 
実はこのような訴えの方は多くいらっしゃいます。
 
もう奥はブリッジはできないし、インプラントはしたくないし、義歯も嫌。
 
食事も困っていないし、でも最近前歯が欠けてきたり審美的に悪くなったから前歯だけは綺麗にしておきたい。
 
このような訴えで前歯だけは綺麗にしておきたいという方多いです。
 
確かに奥歯は他人に見られる場所ではなく、前歯6前歯と呼ばれるエリアは人からの印象において大切なエリアです。
 
前歯を綺麗にしておくということはとても印象の意味でも大切なのです。
 
しかし本当に前歯だけで良いのでしょうか。
 
前歯と奥歯では機能面が全く異なります。
 
奥歯は食べ物をすり潰す機能があります。
 
食べ物をしっかりとすり潰し、飲み込みやすくする機能があるためより強大な咬合力に耐えられるように、奥歯にかけて骨が厚くなり、歯根の数が増えます。
 
一方前歯の機能を考えてみましょう。
 
前歯はすり潰す機能というより、噛み切る機能といえます。
 
前歯と前歯を合わせて物を噛み切る。
 
ここで考えて欲しいのが、麺などを噛み切る時に奥歯で噛み切るでしょうか。
 
無意識しに前歯で噛み切ると思います。
 
一方、ステーキなどのお肉を食べる時に前歯で噛もうとするでしょうか。もちろん最初は前歯でトライするかもしれませんが、硬いなと感じれば奥歯に運びますよね。
 
奥歯はより強大な力をかけたい時に使用し、前歯は葉物や麺類など柔らかい物を噛み切る時に機能する役目があります。
 
実際に、前歯と奥歯で歯根の大きさ、周辺の歯槽骨の厚さには大きな違いがあります。
 
当然前歯の方が骨が薄く、歯根は単純です。
 
これは何を意味しているのか。
 
強大な力に対しては耐えられないのです。
 
前歯ばかりに強い力が繰り返しかかれば、前歯は動きます。
 
以前より、出っ歯になり、隙間が開くようになり、動揺していきます。
 
そして抜歯しなければいけなくなるのです。
 
さて本題に戻り、前歯だけで良いという方、奥歯はいらないと言った方で前歯だけしか治さなかったとした場合の予測できることは、
 
– 数年で治した前歯が保存不可能になる
– 治したばかりだが、詰め物や被せ物が割れる、取れるを繰り返す
– 審美的に良かったのに、すぐまた悪くなる
 
このように、何度治しても繰り返されます。奥歯がないだけで。
 
咬合様式も異なります。
 
歯科医学的には、奥歯ではバーティカルストップ、前歯は側方時のアンテリアガイダンスでの機能として明確に分けられています。
 
前歯において、バーティカルストップは許容されていないのです。
 
前歯だけ治してほしいという方において、上記のことを説明させていただいております。
 
またそれでも奥歯は入れないという方は、治療は行いますが、保証対象外となっていきますのでご注意してください。
 
長期的な安定のためにも、奥歯は入れるようにしましょう。
 

 
 
 
 
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