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歯科に関連する上顎洞炎

2024/10/12

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 
歯科で扱う口腔内と、耳鼻科で扱う副鼻腔は非常に近接しています。
 
共に頭蓋骨内に入り込む組織であるため、どこまでが歯科領域でどこからが耳鼻科領域という線引きもすごく難しいラインとなっています。
 
しかし、基本的に原疾患がある方が歯科領域であれば歯科で治すし、耳鼻科領域であれば耳鼻科領域で治療します。ではどのようにそれは判断するでしょうか。
 
左上がなんとなく重いと訴えて来院した患者様。
 
噛むと痛いような、でも毎回ではなく歯肉も腫れてはいない。でも噛んだりすると違和感があったから歯科に来院。
 
レントゲンでははっきりと虫歯や歯周病所見はないため、CTで精査することに。
 

 
左の上顎洞が不透過性が亢進しているのがわかります。
 
上顎洞は副鼻腔の一つであり、空洞となっています。空気を取り込んだり飛沫している感染物に対して応答します。基本的には空洞となっているわけですので、空洞は黒くレントゲンでは映りますが、左は真っ白。
 
CTでは水は白に映るので、この上顎洞内には膿がたまっているのか炎症があることがはっきりとわかります。原因はここでした。
 
ちなみに正常なレントゲンはこのような感じ。
 

 
上顎洞は左右ともに真っ黒ですよね。空洞として炎症がなく正常であることがわかります。
 
さてここから1枚目の写真で上顎洞に炎症があることがわかったら、次に原因は歯科領域にあるかを考えます。口腔内をチェック、CTで上顎洞に入り込むスペースのある感染物があるかチェック。
 
特に根管治療を過去にしている歯などは感染し嚢胞ができると上顎洞炎の原因となることもあります。
 
この方は特に口腔内において治療形跡もなく綺麗な状態であったため、耳鼻科領域が主原因である可能性が高いため、耳鼻科受診を勧めました。
 
このように、歯科領域と耳鼻科領域が混在する上顎洞や副鼻腔エリアは、主原因を探すのが大切です。耳鼻科領域だけ治療していても治らない場合、実は歯が原因だったということもありますし、歯を治療したのに治らないという場合は、耳鼻科領域から攻めた方が良いこともあります。
 
迷ったら歯科、耳鼻科どちらかに一度相談されるのが良いでしょう。
 
 
 
 
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