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接着の大切さ
2024/09/02
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
歯科医学において接着歯科学という項目があるほど、歯科治療と接着は大切な関係性となっています。歯と詰め物、インプラントと骨、様々なところで生体とは異なる物体や異物を生体と接着させる必要があります。
接着させるというのは実はとても難しいことなのです。
何を難しくさせているのか。
それは口腔内という特殊環境にあります。
口腔内は常に湿度が100%でありさらに、細菌も多数存在します。
一般的に、外の乾燥した状態で接着させるのも難しいにも関わらず、口腔内で接着させる、さらに言えばその口腔内で接着されたものが過大な咬合力に拮抗し外れないでいる必要があるという最高レベルでストレスの高い環境で接着していなければいけないのです。
ジルコニア、セラミック、金属、プラスチック、様々なものをしっかりと接着しなければ患者さんからまた取れた、何度も取れると言われます。
しかし接着というものはとても難しいものなのです。
歯にはエナメル質、象牙質と接着させる面があります。
エナメル質は99%硬組織とされていますので、エナメル質の切削のみで接着であれば接着はシンプルです。しかしエナメル質は表面がツルツルとしているため、ある程度粗造にしなければ接着はできません。
そのためツルツルとしたエナメル質を表面処理にて粗造にしてから接着させます。
矯正治療のブラケット装着などはまさにそうです。
一方問題は象牙質。
象牙質は象牙細管と呼ばれる細かい管が無数に存在します。
そのため、乾燥させるのは極めて難しい。
ただほとんどの歯科治療はこの象牙質に対して接着を求める必要があるため、どのように象牙質を防湿するのかが重要になります。
そして唾液や息による湿潤した環境。
唾液が混ざってしまえば接着は完全に阻害され、息により湿潤した状態であっても接着は阻害されます。
ラバーダムを用いて接着を試みたり、現代の歯科治療ではセメントから見直されていたりしています。
何度も脱離してしまう修復物や被せ物は実はこの接着がうまくいっていない可能性もあります。
もちろんその他としても、適合性や維持の問題、噛み合わせの問題などありますが。
しっかりと精査し、接着の際は患者さんも頑張るようにしましょう。
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