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口内炎とヘルペスの違いは?発症した場合の治療法と注意点

2024/07/29

「ヘルペスと口内炎は違うものなの?それとも同じ?」と迷うことはありませんか。実際のところ、口唇ヘルペスは口内炎の一種として分類される症状です。口内炎は複数の種類があり、それぞれ異なる原因や症状があります。ヘルペスはウイルス感染によるもので、特に口唇ヘルペスがよく知られています。このような種類についての基礎知識や、それぞれの対処法などについて詳しく知っておくことにより、自分に症状が出ても適切な対処がしやすくなるでしょう。

この記事では、口内炎の種類やヘルペスの特徴などについて詳しく解説し、それぞれの発症原因、治療法、注意点について紹介します。

口内炎の種類

口内炎とヘルペスの違い

口内炎には複数の種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。違いを知っておけば症状が出た際に対処しやすくなるでしょう。
ここでは、主な口内炎の種類について紹介します。

ヘルペス性口内炎

ヘルペス性口内炎は、ヘルペスウイルスの感染によって引き起こされる口内炎です。

主に以下のような症状があります。

  • 口の中や唇に水ぶくれができる
  • 水ぶくれが破れると潰瘍になる
  • 痛みを伴うことが多い
  • 発熱やリンパの腫れを伴うこともある

免疫力が低下している時期に発症しやすいことや、一度感染すると再発しやすいこともヘルペス性口内炎の特徴のため、注意が必要です。

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、口内炎の中では一般的なタイプです。ストレスや栄養不足、口腔内の損傷が原因とされ、以下のような症状が見られます。

  • 小さな白や黄色の膜ができ、周囲が炎症している
  • 痛みを伴う
  • 再発することもある(再発性アフタ性口内炎)

アフタ性口内炎は痛みが出ることが大きな特徴のひとつであり、特に食事や会話の際に痛みが増すケースが多い症状です。基本的には1〜2週間で自然に治まりますが、痛みや不快感が強い場合には早めに歯科医院を受診しましょう。

カタル性口内炎

カタル性口内炎は、歯列矯正器具や入れ歯の不具合、強く噛んでしまったなど、物理的な刺激が主な原因になり、以下のような状態が見られます。

  • 口の粘膜に赤い炎症や斑点、水ぶくれができる
  • 口臭がすることもある
  • 痛んだり染みたりする

熱い食べ物や飲み物によるやけど、薬品の刺激などもカタル性口内を引き起こしやすいため、注意が必要です。

矯正装置や入れ歯に問題がある場合は、早めに歯科医院で調整してもらうことが予防につながります。また、免疫力の低下や健康状態が不安定なときにも発症しやすいため、日頃からのセルフケアも意識してみましょう。

カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、口腔内に常在するカンジダ菌の増殖によって発症します。主な症状としては以下が一般的です。

  • 味覚の変化
  • 口腔内で痛む
  • 唇がひびわれる

また、カンジダ性口内炎は以下の3つのタイプに分けられます。

偽膜性
粘膜に白い膜が形成される
肥厚性
カンジダ性口内炎の症状が慢性化して、粘膜が厚くなる
萎縮性
粘膜が赤く腫れる

健康状態に問題がない場合には発症しにくいですが、免疫力の低下や糖尿病、抗生物質の長期間の使用などが原因で発症しやすいのが特徴です。

場合によっては思わぬ病気が原因になっていることもあるため、違和感を覚えたら医療機関の受診を検討してみてください。

外傷性口内炎

外傷性口内炎は、口腔内の物理的な損傷によって引き起こされます。前述のカタル性口内炎と同様の症状になるため、対処法や予防法も共通します。

痛みを伴う潰瘍ができることが多いのですが、原因を解消すれば自然に治癒することが一般的です。傷に刺激を与えない食生活を試みたり、必要に応じて消炎薬や鎮痛薬を使用したりなどの対処をしていきましょう。ただ、市販薬はあくまで対処療法になり、場合によっては適切ではない選択をする可能性もあるため、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

口唇ヘルペスは口内炎のひとつ

口内炎とヘルペスの違い

口唇ヘルペスは、口内炎の一種であり、ヘルペスウイルスによって引き起こされます。前述の通り口内炎には複数の種類があり、判断に迷うかもしれませんが、口唇周辺に水ぶくれが発生し、痛みを伴うことが口唇ヘルペスの特徴です。

ここでは、口唇ヘルペスの症状や原因、治療方法などについて紹介します。

口唇ヘルペスの症状

口唇ヘルペスの代表的な症状は、口唇やその周辺に違和感が生じたあと、小さな水ぶくれができることから始まります。

この水ぶくれは痛みを伴い、破れると潰瘍になります。初期症状から治るまでの流れは以下が一般的です。

  • 初期症状としてかゆみやチクチクする感覚が現れる
  • かゆみやチクチク感を経て水ぶくれが形成される
  • 水ぶくれが破れると潰瘍になる
  • 潰瘍が治るまでには1~2週間かかるケースもある

このほか、人によっては発熱やリンパ節の腫れを伴うこともあるため、症状に気づいたら早めの対応が重要です。積極的に医療機関を受診し、適切な治療をおすすめします。

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルス(HSV)です。単純ヘルペスウイルスは一度感染すると神経細胞に潜伏し、以下のような際に活性化して口唇ヘルペスの症状を引き起こします。

  • 免疫力が低下している
  • ストレス、疲労、風邪などで抵抗力が弱っている

ヘルペスウイルスは世界で8割の人が保有しているため、症状が出た人が特殊というわけではありません。上記のような条件が重なれば、誰でも発症する可能性が高い症状です。

また、ヘルペスウイルスは感染力が強い点にも注意が必要です。家族共用のタオルやコップ、くしゃみや会話中の飛沫などが感染原因になるケースもあります。症状が出た人は、治るまで家族間などでの共用を避け、マスクをしたりするなど、感染対策を取り入れてみてください。

口唇ヘルペスの治療方法

口唇ヘルペスの治療方法には、抗ウイルス薬の使用が一般的です。抗ウイルス薬にはウイルスの増殖を抑える効果があり、症状の軽減や治療期間の短縮に役立ちます。

初期症状が現れた段階で、可能な限り早めに医療機関を受診し、処方された抗ウイルス薬の使用が早期治療に役立つでしょう。

また、痛みを和らげるための鎮痛薬や、二次感染を防ぐための軟膏が併用されるケースもあります。

再発予防としてストレス管理や十分な休養、免疫力を維持するための健康的な生活習慣も意識してみてください。

口唇ヘルペスが再発しやすい人の特徴

口内炎とヘルペスの違い

口唇ヘルペスは一度感染すると、免疫力が低下したときなどに再発しやすい症状です。再発の頻度や症状の重さには個人差がありますが、特定の条件下で再発しやすい人もいます。

ここでは、なぜ口唇ヘルペスが再発するのか、再発の原因などについて紹介します。

なぜ口唇ヘルペスは再発するのか

口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスは、一度体内に侵入すると長く潜伏する性質があります。この潜伏しているウイルスが、免疫力の低下やストレスなどがきっかけで再活性化されることが再発の原因です。再発を防ぐためには、免疫力の低下を避けると効果的でしょう。

再発原因1:免疫力の低下

風邪や疲労、栄養不足、女性のホルモンバランスの乱れなどさまざまな事情によって免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化しやすくなります。免疫力の低下は口唇ヘルペス再発の主な原因のひとつです。

特に、免疫系が弱っている高齢者の人や慢性疾患を持つ人は再発リスクが高くなるため、予防に努めることが重要になるでしょう。

再発原因2:強いストレス

強いストレスも口唇ヘルペスの再発を引き起こす要因です。

ストレスは免疫機能を低下させるため、ストレスの多い生活や心理的プレッシャーが続くと、ヘルペスが再発しやすくなります。再発予防のためにはストレス管理を意識すると効果的でしょう。

口唇ヘルペスの発症で注意するべきことは?

口内炎とヘルペスの違い

口唇ヘルペスを発症した場合、適切な対処が重要です。ここでは、口唇ヘルペス発症時の注意点について紹介します。

早期治療を心がける

口唇ヘルペスの初期症状が現れたら、早期に治療を始めましょう。特に抗ウイルス薬の使用は重要で、症状の軽減や治癒期間の短縮が期待できます。初期症状を見逃さずに、気づいたらすぐに皮膚科を受診しましょう。

悪化させないように気をつける

口唇ヘルペスの水ぶくれや、水ぶくれが潰れてできた潰瘍は、触ったりこすったりしないように気をつけましょう。感染部位を触ることによってほかの部位にウイルスが付着し、感染が広がるリスクが高くなってしまいます。

また、強い紫外線が刺激になり、再発原因になることもあります。陽射しが強い時期には紫外線カット効果のある日焼け止めや帽子、日傘などを活用してみてください。

自己判断で薬を使わない

初めて口唇ヘルペスになった場合、必ず医師や薬剤師の指示に従った上で薬を使用することが重要です。自己判断を避けた適切な薬の使用は効果的な治療を促進します。

また、口唇ヘルペスが再発し、以前処方された薬が残っている際はそのまま使いたいと考えるかもしれません。この場合は薬の使用期限を確認した上で使用しましょう。ただし薬によっては、使用期限内でも開封後は早めに使い切ったほうがよいものもあるため、必ず医師や薬剤師に確認してみてください。

例えば塗り薬の場合、「開封後は6か月以内に使用する」と定めている製品があります。中には市販薬で対応したいと考える人もいるかもしれませんが、口唇ヘルペスに対処するための市販薬は第一類扱いになるため、購入時には薬剤師の指導が必要です。さらに市販薬を使用できるのは口唇ヘルペスが再発した場合に限られており、初めて症状が出た際は対象外です。

適切で迅速な治療のためにも、医療機関の受診を心がけましょう。

他人への感染防止に努める

口唇ヘルペスは感染力が強いため、他人への感染防止に注意しましょう。以下のような対策を取り入れてみてください。

  • 直接接触を避ける
  • タオルや食器などは共有しない
  • 症状が出ている間はマスクをつける

マスクをつける際は水ぶくれや潰瘍を刺激しないよう、ガーゼを当ててからマスクをすると安心感が高まります。

再発防止を心がける

再発防止には免疫力の向上が効果的です。以下のことをできる範囲で取り入れてみましょう。

  • バランスの取れた食事
  • 十分な睡眠
  • 適度な運動
  • ストレス管理
  • 強い紫外線を避ける

心身ともに健康的な生活習慣の維持は再発のリスクの軽減につながるため、ぜひ意識してみてください。

口唇ヘルペスは歯科医院でも受診可能

口内炎とヘルペスの違い

口唇ヘルペスの治療で医療機関を受診する場合、皮膚科を受診する方が多いですが、実は歯科医院でも対応可能です。また、子どもがかかった場合についても対応科を知っておくと安心でしょう。

ここでは、歯科医院での治療方法や、子どもがかかった場合の対応について説明します。

歯科医院での口唇ヘルペス治療

歯科医院では口唇ヘルペスの診断と治療が可能です。抗ウイルス薬の処方や、症状を和らげるための軟膏の処方などが一般的で、皮膚科などの対処と大きな違いはありません。それに加え、口腔内の清潔を保つためのアドバイスや、再発防止のための生活習慣改善の指導が受けられることは、歯科医院ならではの大きなメリットでしょう。

「再発が多くて困る」「歯の健康も気になる」という患者さんは、歯科医院での受診もおすすめです。

子どもがかかった場合は小児科でもいい?

子どもが口唇ヘルペスにかかった場合、小児科でも受診が可能です。

もちろん皮膚科や歯科医院でも問題ありませんが、小児科医は子どもの全身の健康について詳細な医療知識を持っているため、不安な親御さんはかかりつけの小児科医で相談してみると安心しやすいでしょう。

子どもの場合、大人に比べて獲得免疫力が低いことが多いため、早期の診断と治療が特に重要です。症状に気づいたら早めの受診をおすすめします。

まとめ

口内炎とヘルペスは、似ているようで異なる症状です。正しい知識を持ち、適切な対処を行うことによって、症状の悪化を防ぎやすくなるでしょう。

特に口唇ヘルペスは再発しやすい特徴がありますが、免疫力の維持や生活面の改善、ストレス管理などによって再発防止が期待できます。

早期治療と予防策を心がけて、口腔内の健康を保ち、快適な生活を送りましょう。

小嶋デンタルクリニックでは口唇ヘルペスの診断・治療や、再発防止に効果的な口腔内の清潔維持など、幅広く対応しています。口唇ヘルペスでお悩みの患者さんは、ぜひ一度お気軽にご相談ください。