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残根は抜くべきか
2024/07/17
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
被せ物が取れたり、虫歯が進行していたりした場合、歯冠部分が全て崩壊して残根状態となってしまうことがあります。
土台を装着しても、歯根の長さが短ければ外れたり、歯根破折のリスクがあったりするため被せ物がもうできないという状態になります。
そのような残根はどうするべきでしょうか。
一般的には抜歯が推奨されます。
残根となった場所に今後被せ物ではなく、何を入れるかによって治療は少し変わりますが、インプラントなどを選択した場合は、残根があってはインプラントを埋入することはできませんよね。
ブリッジを選択した場合も、固定式であるため残根の歯に感染が起きた場合や、ブリッジの下に物が入りやすいこともあるため残しておくことはできません。
義歯の場合はどうか。
義歯のみ残根の上に作ることができます。
残根上義歯なんて言い方もしますが、残根の上にアタッチメントをつけたり、つけずに土台だけ装着してその上に義歯を作ったり。
メリットとしては、自分の歯が義歯の下にあることで、噛んでいる感覚が良くなること。
歯根膜感覚と言いますが、歯の根が残っているだけで義歯であっても噛み心地が良くなるのです。
デメリットとしては、被圧偏位量が異なるため義歯が破折しやすい。
義歯に圧力が加わった時に、残根がある部位は沈み込まずに、残根がないところは沈み込もうとするためその差が生じ破折を招く。
残根上の義歯は、通常の義歯に比べれば圧倒的に破折頻度が高いのです。
そしてデメリットのもう一点は、残根部に炎症が起きた時に義歯も痛くなるということ。
残根部は不潔になりやすく、感染することで粘膜の腫脹が起きてしまい、義歯が入らなくなることも。
結論として抜くか抜かないかは、感染の有無、感染コントロールが自分でしっかりできるかなどのポイント次第になっていきます。
ご高齢の方で、歯が折れて抜歯すべきなのだけど、体力的なところを考慮して残根にして義歯を作成するということもありますが、基本的には抜歯した方が感染リスクは減らせます。
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