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親知らず抜歯後の運動や筋トレはいつから再開OK?過ごし方や注意点
2024/05/24
親知らずを抜歯するときには、「抜歯後の生活はどんなことに気をつければいい?」「親知らずの抜歯後はいつから運動できる?」といったことが気になりますよね。
親知らずの抜歯後にはいくつかの注意点があり、注意点を守らないと出血や腫れ、感染の原因になるため注意しましょう。
この記事では、親知らず抜歯後の過ごし方(運動や筋トレ・入浴・歯磨き・食事や飲酒など)について詳しく解説します。
親知らず抜歯後の注意点や、抜歯後に注意したい症状、親知らずの抜歯の理想的なタイミングについても合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
親知らず抜歯後の過ごし方について
親知らずの抜歯後は、基本的に1週間ほどは安静にする必要があります。
仕事や学校、大切な予定、イベントごとなどがある場合は、前もって無理のないようにスケジュールを立てましょう。
抜歯後の生活で注意すべきポイントや期間は、以下の通りです。
- 運動・筋トレ・マッサージ:当日は避ける
- 入浴:当日はシャワーのみ
- 歯磨き:傷口に当てないようにする
- うがい:3日間は強くうがいをしない・何度もしない
- 食べ物:刺激物や硬い食べ物は避ける
- 飲酒:1週間ほど避ける
- 喫煙:1週間ほど避ける
- 旅行やイベント:1週間ほど避ける
ここからは、それぞれの項目について詳しく解説します。
運動・筋トレ・マッサージ:当日は避ける
抜歯当日は、運動・筋トレ・マッサージなどは行わないようにしましょう。
ごく軽いストレッチ程度であれば様子を見ながら行っても問題ありませんが、汗ばむような運動や筋トレは避けましょう。
思ったより痛くなかった場合でも、無理をしてスポーツやトレーニングをすると、痛みが出やすくなったり、出血や腫れが起こったりします。
また、一度血が止まっても、無理をして運動をすると再び出血してしまう可能性があるため、抜歯後2〜3日は安静にして過ごし、医師の指示に従って運動を再開しましょう。
入浴:当日はシャワーのみ
親知らず抜歯当日はシャワーのみにして、入浴・サウナ・岩盤浴などは控えましょう。
抜歯後2〜3時間ほどすると出血は気にならなくなりますが、傷口は完全には塞がっておらず、血が止まるまでは1日ほどかかります。
その間に血行が良くなることをすると、出血が続いて血餅ができにくくなったり、腫れや内出血による紫のあざができることがあるためです。
また、菌による感染を避けるため、完全に傷が塞がるまでは銭湯や温泉のような不特定多数が入るお風呂やプールも避けましょう。
歯磨き:傷口に当てないようにする
親知らずの抜歯当日も歯磨きは可能ですが、歯を抜いた傷口周辺は歯ブラシを強く当てないように気をつけながら磨きましょう。
歯ブラシが傷口や周辺の歯茎に当たると出血したり、傷の治りが遅くなったり、痛みが出たりします。
また、抜歯後の歯磨きでは、歯磨き粉をつけ過ぎないようにしましょう。歯磨き粉をたくさんつけるとしっかりうがいをしなくてはいけなくなるためです。
歯磨き粉をつけなくても、正しい方法でしっかりブラッシングができていれば問題ありません。
うがい:強くうがいをしない・何度もしない
親知らずの抜歯後は、うがいのやり方や回数に注意が必要です。
抜歯した後は、傷口部分に「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血のかたまりができます。
この血餅は傷を塞ぐかさぶたのような役割をしており感染から傷口を守っていますが、強くうがいをしたり、何度もうがいを繰り返したりすると、剥がれてしまいます。
血餅が剥がれると傷口の治りが遅くなる、感染のリスクが高くなる、ドライソケット(血餅が失われ抜歯した部分の骨が露出してしまった状態)になって痛みが起こるなど多くのデメリットがあります。
出血が気になる場合でも、うがいしすぎないようにしましょう。
食べ物:刺激物や硬い食べ物は避ける
親知らずの抜歯後、麻酔が切れる2〜3時間後からは食事をしてもOKですが、当日〜数週間ほどは刺激物や硬い食べ物は避けるようにしましょう。
まだ傷口が塞がっていない状態で硬い物を食べると、「食べ物が傷口に当たって強い痛みが出る」「塞がりかけていた傷口が開く、広がる」といった問題が起こる可能性があります。
また、辛い食べ物や炭酸飲料、極端に熱い食べ物なども傷口の刺激になるため避けましょう。
飲酒:1週間ほど避ける
親知らずの抜歯後は、細菌感染や痛みを抑えるため痛み止めや抗生物質が処方されます。
アルコールと薬を一緒に摂取すると、薬が効きすぎたり、湿疹や血圧低下といった症状が起こったりするため、1週間ほどはお酒を避けましょう。
また、アルコールは傷口の刺激になり、血行も促進します。傷口から再出血する原因になるため、すべての薬を飲み終わり、出血が完全に止まってからにしましょう。
喫煙:1週間ほど避ける
タバコを吸うと抜歯部分の傷口の治癒が遅くなってしまうため、抜歯後1週間ほどは喫煙を避けましょう。
タバコに含まれるニコチンには毛細血管を収縮させる作用があり、歯茎の血流が悪くなることで傷の治りが悪くなります。
また、タバコは虫歯や歯周病のリスクを高める原因でもあり、口臭や歯の黄ばみなどデメリットが多いです。これをきっかけに禁煙を考えてみてもいいかもしれません。
旅行やイベント:1週間ほど避ける
旅行や大切なイベントがある場合、親知らずの抜歯とスケジュールが被らないように調整することをおすすめします。
親知らずの抜歯後、麻酔が切れてからはジンジンする痛みが続くことがあります。
痛みのピークは1〜2日ほどですが、抜歯後は運動や食事、過ごし方に制限があるため、大切な予定を目一杯楽しめなくなってしまうかもしれません。
お仕事も内容によりますが、重い荷物を持つ、頻繁に動き回るなどハードなお仕事の場合も数日ほど安静にできる期間を取れるように調整してみましょう。
親知らず抜歯後の注意点
親知らず抜歯後は、以下の点に注意して過ごしましょう。
- 処方薬をしっかり飲む
- 傷口を刺激しない
- 口の中を清潔に保つ
- 腫れたときに冷やしすぎない
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
処方薬をしっかり飲む
親知らずの抜歯後は、抗生物質や痛み止め(鎮痛薬)が処方されます。
抗生物質を途中でやめると耐性菌ができやすくなるため、痛みや腫れがない場合も必ず飲み切ることが大切です。
痛み止めは痛みが出た場合に飲むもので、抜歯後で麻酔が切れる前に飲むと痛みを抑えられます。痛み止めは服用して30分ほどしてから効果が出てくるため、前もって飲んでおくといいでしょう。
痛み止めの場合は飲み切る必要はなく、痛みがなければ飲まなくても問題ありません。
傷口を刺激しない
親知らずの抜歯後は、傷口を刺激しないことが大切です。
出血して気になるかもしれませんが、舌や指で頻繁に触ると、出血や感染の原因になります。
傷口が塞がってくるまでは硬い食べ物や歯磨きのときにも注意して過ごしましょう。
口の中を清潔に保つ
抜歯後は感染リスクが高くなるため、口の中を清潔に保つことが重要です。
抜歯部位周辺は避けて歯磨きやデンタルフロスをして、汚れをしっかり取り除きましょう。
なお、口腔ケアのときは強くうがいをしたり、何度もうがいをしたりしないように注意が必要です。
腫れたときに冷やしすぎない
親知らずの抜歯後、腫れている部分を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。
しかし、極端な冷やしすぎや長時間冷却をすると、それが刺激となり痛みが増してしまうことがあるため注意しましょう。
また、冷やすことで血流が悪くなりかえって治癒が遅れてしまうケースもあります。
急激に冷やさず、水道水を絞った濡れタオルくらいの温度のもので冷やすといいでしょう。
親知らず抜歯後に注意したい症状
親知らずの抜歯後は、腫れ・痛み・一時的な口の開きづらさ・内出血(紫色のアザ)といった症状が起こることがあります。
痛みや腫れといった症状は時間の経過によって治まっていきますが、長引く場合は歯科医院に相談してみましょう。また、以下のような症状が現れた場合には、注意が必要です。
- 痛み止めを飲んでいるのに激しい痛みがある
- 日に日に痛みが強くなっていく
- 唇が痺れる
- 薬の服用後、湿疹や下痢などの症状が現れた
これらの症状がある場合、ドライソケット、神経が傷ついた、歯のかけらが残っているなどが原因になっている可能性があります。
1週間以上経っても症状が良くならない場合は、早めに歯科医院に相談しましょう。
親知らずを抜歯する理想的なタイミングは?
親知らずを抜歯する理想的なタイミングとして、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。
- 20歳前後
- 親知らずに炎症が起こる前
- 休日の前の日
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
20歳前後
親知らずは、20歳前後で抜歯するのがおすすめです。
親知らずは他の歯とは異なり生えてくるのが遅く、10代後半〜20歳前後に生えてきます。20歳前後であればまだ歯や骨が柔らかいため抜歯しやすく、ダメージを抑えて抜歯可能です。
また、若いうちは免疫力が高く、回復も早いためできるだけ早めの抜歯を検討しましょう。
親知らずに炎症が起こる前
親知らずに腫れや痛みが出てから抜歯を検討する方も多いですが、ひどい痛みや腫れがある場合、当日に抜歯できないことがあります。強い炎症があると麻酔が効きにくくなるためです。
親知らずに炎症が起こってからだと治療に手間もかかる上、痛い思いをすることになります。
抜歯した方がいい親知らずかどうか、炎症が起こる前に歯科医院に相談してみましょう。
休日の前の日
可能であれば、親知らずの抜歯は「休日の前の日」にできるようにスケジュールを立てるのがおすすめです。
例えば土日がお休みの方の場合、金曜日もしくは土曜日に抜歯するということになります。
親知らずの抜歯後は痛みや腫れが数日ほど続くことがあるため、抜歯翌日はできるだけ自宅で安静に過ごすことが望ましいです。
抜歯の傷口のスムーズな回復を促すためにも予定を詰め込まないでおき、消化の良い食事や睡眠をしっかりとって過ごしましょう。
親知らず抜歯後の過ごし方・症状についてのQ&A
ここでは、親知らず抜歯後の過ごし方や起こる症状についてのよくある質問を紹介します。
Q:親知らず抜歯後に激しい運動はいつから再開OK?
親知らずの抜歯後、基本的には1週間は安静が必要です。
抜歯後2〜3日以降であれば激しい運動をしてもOKとしている歯科医院もありますが、運動しても問題ないかどうかは傷口の状態や体調によっても異なります。
激しい運動をする必要がある場合は、抜歯した歯科医院に運動の再開時期を聞いてみましょう。
Q:親知らず抜歯後にウォーキングやジョギングをしてもいい?
親知らずの抜歯当日は、ウォーキングやジョギングを含む運動や筋トレは行わないようにしましょう。
全身の血行が良くなり、血が止まらなくなったり、痛みや腫れが出たりする可能性があります。
軽いウォーキング程度であれば翌日からOKとなることもありますが、痛みや腫れが強いときは避けましょう。
ハードなトレーニングをするのであれば、事前に歯科医師に相談することが大切です。
Q:親知らず抜歯後の性行為はいつから大丈夫?
親知らずの抜歯後、2週間ほどは性行為を避けるようにしましょう。
抜歯後はお口の中に傷口ができており、細菌感染のリスクがあります。性行為だけでなく、プールや海、銭湯など感染リスクのある行動はすべて控えることが大切です。
Q:親知らず抜歯後は腫れる?
親知らずの抜歯後、腫れることもあれば腫れないこともあります。
腫れが起こる場合は抜歯当日や翌日ではなく、2〜3日後がピークです。個人差がありますが、1週間ほどで落ち着きます。
腫れは傷が治る過程で起こる炎症によるもので、腫れの他にも痛みや内出血が起こることもあります。
炎症を抑えるためには栄養や睡眠を十分にとり、疲れを溜めないようにすることが大切です。
まとめ
親知らずの抜歯後、基本的には1週間は安静にする必要があります。
2〜3日後から運動OKとしている歯科医院もありますが、傷口の状態や治癒スピードは患者さんによって異なり、個人差もあるため一概に言うことはできません。
なるべく1週間は安静にして、どうしても運動や仕事でハードに動き回る必要がある場合は歯科医師に相談してみましょう。
小嶋デンタルクリニックでは、CT設備によって顎の下を走る神経や血管、副鼻腔との正確な距離を把握した上で、リスクや負担を抑えた親知らず抜歯を行っています。
親知らず抜歯後の注意点や疑問についても詳しくご説明させていただきますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。