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ドライソケットの治療法や期間は?原因・予防・放置するリスクを解説

2024/05/24

ドライソケットとは、抜歯後の傷跡が血の塊で覆われず、骨が露出したままの状態のことを指します。

ドライソケットになると強い痛みが起こるため、抜歯後は注意して過ごし、もしもドライソケットになってしまったと考えられる場合は早めに治療を受けることが大切です。

この記事では、ドライソケットの症状や治療法、原因、予防法、なりやすい人、放置するリスクなどについて解説します。

抜歯を控えて「ドライソケットは予防できるの?」と不安になっている方も、抜歯後に痛みが現れて「もしかしてドライソケット?どんな風に治療するの?」と気になっている方もぜひ記事をチェックしてみてください。

ドライソケットとは

抜歯

ドライソケットとは、抜歯後に「抜歯窩(ばっしか。歯を抜いた後にできる穴のこと)」が治癒不全を起こし、露出したままになる状態のことです。

本来であれば抜歯後、歯が埋まっていた部分は「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊で覆われます。

血餅は傷口を保護するかさぶたのようなもので、傷口に蓋をして守ることで正常な治癒が促され、2〜3週間ほどかけて傷口が塞がっていきます。

しかし、なんらかの原因によって血餅ができなかったり、早いうちに剥がれたりしてしまうと、抜歯部位の骨が露出した状態になり、痛みが起こります。

傷口が露出した状態は細菌感染リスクも高く、痛みが顎骨の周囲にも拡大する可能性があるため、ドライソケットかもしれない場合は早めに治療が大切です。

下顎の親知らずの抜歯で起こることが多い

ドライソケットは多くの場合、下顎の親知らずの抜歯で起こります。

下顎は上顎に比べると骨の中を走る血管が少なく、出血が少ない傾向にあるためです。

抜歯後の痛みや腫れも上顎よりも下顎の方が出やすいといわれているため「過去に上顎の親知らずを抜歯したが特に問題なかった」という方も注意しましょう。

ドライソケットの症状

抜歯

ドライソケットで見られる主な症状は、以下の通りです。

  • 抜歯後の痛みが治まらず悪化する
  • 激しく痛む
  • 抜歯部位からの悪臭がある

ここからは、それぞれの症状について詳しく解説します。

抜歯後の痛みが治まらず悪化する

抜歯後、痛みが収まらずどんどん悪化していく場合、ドライソケットになっている可能性があります。

歯を抜いた当日はドライソケットになっていなくても麻酔が切れれば痛みが起こりますが、2〜3日ほどで治まることが一般的です。

しかし、ドライソケットになると、痛みが落ち着いてくるはずの3〜5日目くらいから痛みが悪化していきます。

抜歯後1週間以上経っても鎮痛剤を頻繁に飲まなければならないほど強く痛む場合はドライソケットの可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。

激しく痛む

ドライソケットは、激しい痛みが生じることが特徴です。

飲食時に食べ物が当たる刺激で強烈に痛むほか、何もしなくてもズキズキした痛みが起こります。

我慢できないほどの強い痛みとなることもあり、鎮痛剤を飲んでも十分に痛みを緩和できないこともあります。

抜歯部位からの悪臭がある

ドライソケットになると、抜歯部位から悪臭がすることがあります。

ドライソケット部分に詰まった食べカスやプラークや、傷口の細菌感染が原因です。

細菌感染して炎症や化膿が起こると、臭いが生じるだけでなく強い痛みも出てきます。症状が進行すると膿が出ることもあります。

ただし、完全に治るまでは傷口からはある程度臭いがするものです。

臭いが気になるあまり、強いうがい・頻繁なうがい、過度なブラッシングを行うとかえって悪化させてしまう可能性もあるため注意しましょう。

ドライソケットの治療法

抜歯

ドライソケットになってしまった場合の治療や処置はいくつかあります。

  • 鎮痛剤や抗生剤の服用
  • 傷口の清掃・薬の充填
  • 軟膏の塗布
  • テルプラグを詰める
  • 麻酔をして再度出血させ血餅を作る
  • 縫合する

ここからは、上記の治療法について詳しく見ていきましょう。

鎮痛剤や抗生剤の服用

ドライソケットでは、強い痛みが起こるため、治癒するまでの痛みや腫れを緩和する鎮痛剤(痛み止め)や、露出した傷口部分を感染から防ぐために抗生物質を服用します。

治療によって痛みが治まれば鎮痛剤は飲まなくても問題ありませんが、症状に関係なく抗生物質は出された分を用法・用量を守って必ずすべて飲み切りましょう。

傷口の清掃・薬の充填

ドライソケットは穴が空いた状態になっているため、食べカスや汚れが詰まりやすくなっています。

そこで生理食塩水を使い、抜歯部位に詰まっている食べカスや汚れを洗い流して清掃します。

傷口がきれいになったら、薬の充填です。ガーゼに薬を染み込ませたものなどを詰めて処置します。

ガーゼを使用した場合、清潔な状態を保つために数日おきに通院が必要になります。

軟膏の塗布

洗浄後、傷口に局所麻酔剤や抗菌剤の軟膏を塗布し、サージカルパックで蓋をするケースもあります。

サージカルパックは歯周包帯とも呼ばれ、歯茎の包帯のような役割のものです。歯茎の痛みを軽減し、出血を予防します。

テルプラグを詰める

抜歯した部分の穴に「テルプラグ」と呼ばれるコラーゲン製のスポンジを詰める方法もあります。

テルプラグには、止血、食べカスが詰まることを防ぐ、傷口の再生を促すといった作用があり、ドライソケット対策にも有効です。

麻酔をして再度出血させ血餅を作る

ドライソケットの状態が悪く細菌感染が強い場合は、麻酔をしてから抜歯窩を再度出血させ、血餅をつくる「再掻把(さいそうは)」という処置を行うこともあります。

状態によっては再掻爬で痛みが続くこともあるため、慎重に診断した上で適切な方法が選択されます。

縫合する

状態によっては、歯茎を糸で縫い付ける縫合処置を行います。

親知らずの抜歯の際、症例によってはドライソケットの予防のために縫合を行うケースもあります。

ドライソケットの原因と予防法

抜歯

ドライソケットは、抜歯手術による刺激や局所麻酔薬を多く使用した場合、抜歯部位(下顎の親知らず)などの要因によってリスクが高くなることがありますが、このほかにも以下のような原因が考えられます。

  • 強くうがいをする・何度もうがいをする
  • 抜歯部位の触りすぎ
  • 血行が良くなる行為を行った(入浴・運動・飲酒など)
  • 喫煙

ここからは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

強くうがいをする・何度もうがいをする

抜歯後に強くうがいをしたり、何度もうがいをしたりすると、血餅が洗い流されてしまいます。

抜歯後しばらくは出血が続くため血の味が気になるかもしれませんが、抜歯後の24時間〜48時間のうちは頻繁なうがいは避けましょう。

なお、血餅は最初は赤黒い色をしていますが、だんだんと白っぽくなりブヨブヨしてきます。気になっても無理に取らずそっとしておき、自然に取れるのを待ちましょう。

抜歯部位の触りすぎ

歯が抜けると、穴ができた部分が気になって舌や指で触ってしまう方も多いです。

しかし、気になって頻繁に触りすぎると、それが刺激となって血餅が剥がれてしまうことがあるほか、細菌感染のリスクもあるため触らないように注意しましょう。

歯磨きのときに歯ブラシが当たって剥がれてしまうこともあるため、傷口が塞がってくるまでは慎重に磨くことが大切です。

血行が良くなる行為を行った(入浴・運動・飲酒など)

抜歯後は、入浴・運動・飲酒など血行が良くなる行動は禁止です。

血行がよくなると出血が止まりにくくなり、傷の治りが悪くなります。痛みや腫れが少なく元気な場合も、安静にして過ごしましょう。

1週間ほどは安静にすることが推奨されるため、可能であれば、歯を抜いた後はゆっくり休めるようにスケジュールを調整した上で抜歯をするのがおすすめです。

喫煙

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素には血管を収縮させる作用があり、血液の流れを悪くします。

歯茎に血液がしっかり行き届かなくなると十分な血餅がつくられにくくなり、酸素や栄養がうまく運ばれず治癒を遅らせてしまいます

可能であれば抜歯の前後2〜3日ほどは禁煙をするといいでしょう。

ドライソケットを治療せず放置するリスク

抜歯

ドライソケットを治療せずに放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 骨に細菌が入り炎症が起こる
  • 歯茎の形が悪くなってしまう

ここからは、それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

骨に細菌が入り炎症が起こる

ドライソケットは、傷口がしっかり塞がらずに抜歯した部分の骨が露出してしまっている状態です。

この状態は細菌感染のリスクが高く、放置すると感染して炎症を起こし、激しい痛みが起こることがあります。

急性歯槽骨炎を発症してリンパ節の腫れ、全身の倦怠感、頭痛、さらには骨が壊死するケースや、蜂窩織炎を引き起こすリスクもあります。

歯茎の形が悪くなってしまう

ドライソケットを放置すると、歯茎の形が悪くなってしまうことがあります。

抜歯した部分がきれいに塞がるためには歯茎の状態が良好でなければいけませんが、強い炎症があるときれいな形になりません。

穴が塞がったとしても大きく凹んだり、段差ができたりしてしまい、インプラント治療などその後の治療に影響する可能性があるため、注意しましょう。

Q:ドライソケットについてのQ&A

抜歯

ここからは、ドライソケットについてのよくある質問について解説します。

Q:ドライソケットは自然治癒する?

通常であれば、抜歯後は血餅がつくられて自然治癒が進んでいきます。しかし、ドライソケットとなってしまった場合は自然治癒は難しいことが多いです。

そもそも、ドライソケットになると我慢できないほどの強い痛みが起こります。激しい痛みを我慢しながら仕事や学校、家事など日常生活を送るのは難しく、食事や睡眠にも悪影響を及ぼします。

つらい思いを長引かせないためにも、「もしかしてドライソケット?」と思った時点で、歯科医院に相談してみましょう。

Q:ドライソケットの治療期間は?

ドライソケットの治療期間としては、1週間〜2週間ほどで治る方が多いです。

しかし、状態によっては痛みが完全に治まるまで1ヶ月以上かかるケースもあります。

「抜歯後3日ほどズキズキした痛みが続く」「痛みがどんどん悪化している」といった場合はドライソケットの可能性があるため、症状が進行する前に歯科医院に相談しましょう。

Q:ドライソケットになりやすい人はいる?

ドライソケットになりやすいのは、以下のような方です。

  • タバコを吸う方
  • 年齢が高い方
  • 下顎の親知らずを抜歯する方

喫煙をする方は、抜歯後の出血量が少なくなるためドライソケットになりやすくなります

また、高齢での抜歯は若いときに比べて歯の癒着や骨が硬いことが多く、ドライソケットになりやすい傾向があります。

ドライソケットは下顎の親知らずの抜歯で起こりやすいため、下顎の親知らずを抜くときは特に過ごし方に注意しましょう。

Q:ドライソケットは見た目でわかる?

ドライソケットになっているかどうか、見た目でわかる場合もあります。

通常であれば、抜歯後の傷口はブヨブヨしたゼリー状の血餅で覆われています。

一方、ドライソケットでは傷口がぽっかりと大きく空いたままになったり、抜歯部位から顎の骨が見えて白く見えたりします

まとめ

ドライソケットは、抜歯後にできるはずの血餅ができず、骨が露出してしまった状態です。

ドライソケットになってしまった場合は状態に合わせて軟膏を塗ってサージカルパックで蓋をする、ガーゼを詰める、テルプラグを詰める、再掻爬をする、縫合するなどの処置を行います。

小嶋デンタルクリニックでは、症状に合ったドライソケットの治療を行っています。

また、そもそもドライソケットにならないよう予防対策をしっかり行った上での抜歯をしているため抜歯に不安がある方もぜひお気軽にお問い合わせください。